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Bコラム〜ビジネスマン(技術者)への応援メッセージ〜

『論語とIT』

はじめに

この時代に論語を取り上げるなど古臭いと思われるかも知れませんが、今の時代だからこそ、論語には有用で示唆に富む箴言が数多くあります。
別の云い方をすると「不変(論語)と激変(IT)」が、今回のテーマです。
激変する社会に生きる我々に大切なことは、原理原則を知り普遍的な指針を持つことです。社会人・IT技術者として、今も昔も変わらぬ、大切なことを論語から読み取ります。

何故、論語なのか?

空にある北極星は、海行く船にとっては重要で、進むべき方向を見失わない目印です。
今はGPSのお陰で、自動車のナビがあり、自動運転する車の出現は時間の問題です。
ITは、まさに激変のさなかで、社会のシステムは進化・変化の連続ですが、真っただ中にいる我々は、何を判断基準にして行動すれば良いのでしょうか?
全ての答えは論語にあります・・・とまでは云いませんが、数多くの箴言の中に、貴重なアドバイスやヒントがあります。
 
孔子の言葉の集大成と位置付けられている論語は、2千年余の時間を経ていて洗練されています。ムダが省かれ、重要な言葉だけが生き残っている気がします。
個人としても組織にとっても、変えてはいけない(と思われる)、行動基準やものの見方を端的に言葉で表しています。
 
今、社会のシステムはハードもソフトも、目まぐるしく変化し続け、且つ加速しています。
この様な時代だからこそ、進むべき方向を見失わないための目印が必要です。
論語が全てとは思いませんが、示唆に富む言葉を理解し、日々の行動につなげられると良いと考えています。

論語の解釈:私見

論語の解釈は、過去も現在にも様々な人が書物に著わしています。
20編500余の短文から論語は成り立ち、孔子と弟子達との会話を言葉にしています。当時(2千年前)の社会と現代では、社会の仕組みや国家の存立さえも雲泥の差で比べようもありません。しかし、個人の考えることや行動は大差なく共通していることもあり、今の時代でも参考になることが多々あります。ただ時代背景を考慮した解釈は必要です。
日頃の仕事や生活の中で、論語を座右の書とするならば、良き友人が言葉を掛けてくれる様に、様々な場面において行動とか判断の指針を得ることが出来ます。
既に、論語なる本・解説は通読されている方もいるかと思いますが、渋沢栄一の著わした「論語と算盤」は読み甲斐のある論語本ですし、ビジネスに多くの啓蒙を与えてくれます。
 
IT技術者にとっては、何のためのIT技術活用か?どの様にITを活用するか?
技術向上は、どうあるべきか? 他にも、論語を読み取る姿勢次第で、精錬された言葉に刺激を受けます。結果として行動に誤りが少なくなると思います。

論語の実例

『学びて思わざれば暗し、思いて学ばざれば危うし』。
どんなに学んでも内容の鵜呑みでは、自分の頭で考えて理解しないと暗い(=バカ)。
一方、自分の知る範囲で懸命に考えるだけでは危うい(=常識外れ)。学ぶことが大切。
つまりは、学びつつ真摯に考えることが重要(=見識を持つ)。
 
『性、相い近し、習えば、相い遠し』。
人間、生まれつきの差は少なく、ほぼ同じレベル。しかし、習う(学ぶ)習慣の差があり、結果として、それぞれの人と人の間に差が生じる。
 
『君子は和して同ぜず、小人は同して和せず』。
人との交わりや対応に対するアドバイスでしょうか。熟練した有能な人物は、誰とも仲良くするが、決して付和雷同はしない。自分の意見はしっかり云う。
一方、まだ成長途上の人達は、誰の意見にも付和雷同するのに仲良く出来ない。
 
『君子は上達し、小人は下達する』。
優秀な人物は、次第に高度な技術や事柄に精通する様になるが、何も考えていない人物は、徐々に低俗なことばかりに精通する。
 
『徳は弧ならず、必ず隣あり』。
徳のある人(優秀で思いやり深い人)は1人にはならない。その徳を慕って隣人がいる。
社会に役立つことに留意し行動していると、必ずや支援者は現れる、とも受け取れる。

論語を活かす

情報社会の基盤にネットワークも含めたITがあります。そのITを10年単位で振り返ると、大変な発展を実感します。 更に加速して行くことは自明です。
企業のIT活用も、社会システムの中でIT活用することも、何がしかの目的を持って、ITを利用しますが、その根幹には哲学(役に立つ・良くなる・進化する)が必要です。
ITは諸刃の剣の如く、使い方次第では、とんでもない悪影響を生み出しかねないのです。
端的な身近な例としては、スマホの利用です。良い、悪いの評価は難しいのですが、IT活用は「今よりも良くなる・悪くはならない」ことを判断して行いたいものです。
その際、個人レベルでの判断は、まさに個人差が生じます。しかし、論語に通じていれば、多面的な価値判断を行うことが出来ます。個人レベルの判断より誤りは少なくなるに違いありません。
 
このコラム読者には、是非とも、論語を読むことを薦めます(或いは、再読を)。
2千年余、不変の論語は、あたかも北極星の如く、進む道を示してくれます。
よって公私に亘り、あたかも孔子がアドバイザーの如く、良き言葉を教えてくれます。

斉藤 礼三郎

斉藤 礼三郎

コンピュータやネットワークに関わり半世紀近く。T自動車の情報部門にて、約20年間、DBやNWの企画・設計を担当した。その後、独立し名古屋にてシステム会社を20年ほど経営する。
現在は「PEーBANKのシニアアドバイザー」の立場で活動中。