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Bコラム〜ビジネスマン(技術者)への応援メッセージ〜

『 定点観測・定時観測 』

はじめに

気象関係の用語で定点観測とか定時観測と呼ぶ、日常の変化を測定する仕組みがあります。
学校では毎年、子供を身体計測し、昨年に比べ、どれほど成長したかを確認しています。
大人になってからは、健康診断とかで、毎年、身体の変化状態をチェックしています。
いずれにしても、定点或いは定時観測の類は、様々なところで行われています。
企業での決算書も同様に、毎年の収益性とか成長性など、諸々の状況が分かります。
ビジネスマンやIT技術者にとって、定点とか定時観測することは、出来るのでしょうか?
出来るとしたら、どの様な内容で、何が分かるのでしょうか? 以下、少し考えてみます。

個人レベルの観測

誰もが身近に行っている定時観測は、給料日前、銀行通帳の残高額でしょうか?
余りに現実的な内容から始まりましたが、銀行通帳のことを話したい訳ではありません。
個人レベルでは、それぞれの立場で、異なる環境の下で、仕事をしています。又、私的な生活は様々なパターンがあるものの、それなりに暮らしています。
現在の仕事や生活は、1年前や5年前に比べると、良くも悪くも多くのことが変わり続けているに違いありません。観測などと云うと堅苦しいのですが、いくつかの要素(状況)を列記して、どの様に変わっているかを見つめるのは、次のステップへの材料になります。
資産(おカネ、固定資産、株式など)、技術やノウハウ、健康状態、趣味や習い事、人脈、新たな経験や知識、資格などを洗い出してみるのは、個人レベルの決算に相当します。
ある特定の要素(定点)を、1年に1回くらい(定時)、見つめる(観測する)のです。
どの様な要素を見つめるかは、各自の好き好きで良いと思いますが、きっと何かが見つかります。そして数年も継続すると、改めたいことや直したいこと、チャレンジしたいこと、継続続行したいことなどが見えて来ると思います。見える化(文書化)は必要です。

仕事の状況

今、経済社会のシステムは、IT関係の飛躍的な発展で、目まぐるしく変化しています。
1年どころか、半年もしない内に大きな変化さえ生まれています。しかも変化のスピードは加速すらしています。大変な(大きく変わる)時代です。この時代に生まれた運命です。
IT技術者の立場は、更に過酷です。同じ仕事を継続するのみでは生き残れません。
技術だけでなく、企業としてのビジネスモデル(カネや情報の流れなど)も変化します。
AI(人口知能)の発展拡大は、多くの場面で新しい状況を生み出しそうな気配です。
仕事の状況を、よくよく見据えて、定点と定時の観測を怠らずに行うことは有意義です。
何に注目し(定点)、いつ変化を見つめるか(定時)、そして自分への影響は何か?
事前に対応できることは何があるか? この機会に考えてみて下さい。

取り巻く環境

誰しも1年毎に年を取るは自明ですが、公私に亘り、仕事も生活も環境は変わります。
自分自身を取り巻く環境は、常に変化し続け、それに上手く対応する必要があります。
一般的には、状況の変化を早めに理解し、事前の準備を怠りなくするならば、問題なし。
とは云え、連続する環境変化への対応は、準備次第で状況は変わります。
先ずは、環境の変化を察知するために、個人レベルも仕事関係も、定点(特定な状況)を決めて、定時(月・半年・1年?)に、観測(評価・判断)するのです。
マスコミやネットでの情報収集は不可欠で、自分の目で現場確認出来るなら、尚、良し。
取り巻く環境をよく見る問題意識が有れば、きっと見えて来るモノ・コトがあります。
定点&定時の観測(状況を見極める)活動は、決してムダにはなりません。

適者生存

要するに、取り巻く環境・状況をきっちり捉え、その変化に対応する術を身に付けること。
その為には、常に問題意識を持って、状況の変化をキャッチすることが大切です。
この1年の間に3回ほど中国各地を訪れて、IT活用の現地を見て来ました。
日本とは経済や政治システムが異なり、同レベルでの比較は出来ませんが、進んでいます。
普通の人々がキャッシュレスで暮らしています。EV(電気自動車)タクシーは至るところで走り回っています。その旺盛な経済活動は、目を見張るばかりです。
これから企業や個人を取り巻く環境は、スピードを増して変化することが予想されます。
海の外の状況(中国だけでなく他の国々)も、対岸の火事と、傍観してはいられません。
多くの情報を得て、気にかかる状況(定点・要素)を、時々(定時)には、良く見つめ、どの様な状況の変化が起きているのか、又、この先、どうなりそうか(観測)?
今後の変化を見越し、今、出来る準備をしたいものです。
とりわけIT技術者には、定点・定時の観測活動は、避けて通れない状況です。
誰もが対応出来る能力は備えています。問題は、能力を活かすか、活かさないかデス。

斉藤 礼三郎

斉藤 礼三郎

コンピュータやネットワークに関わり半世紀近く。T自動車の情報部門にて、約20年間、DBやNWの企画・設計を担当した。その後、独立し名古屋にてシステム会社を20年ほど経営する。
現在は「PEーBANKのシニアアドバイザー」の立場で活動中。

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