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プロエンジニアフォーラム2019 P-1グランプリ「WORK FOR GOOD LIFE」 ーよりよい人生のための書き方ー プロエンジニアフォーラム2019 P-1グランプリ「WORK FOR GOOD LIFE」 ーよりよい人生のための書き方ー

2019年6月22日(土)、東京都江東区青海の日本科学未来館にて
行われた「プロエンジニアフォーラム2019」。
そこで開催された『P-1グランプリファイナル』の結果と、
当日の会場の様子をレポートいたします。

「プロエンジニアフォーラム」とは

2014 年にスタートした「プロエンジニアフォーラム」は、PE-BANKに所属する約3,000名のプロエンジニアの皆様に、
毎年様々なテーマに沿って、「学び」「気づき」をご提案するイベントです。

各業界で活躍する著名人をお招きするだけではなく。全国のプロエンジニアの皆様にもスピーカーとして登壇いただいており、
ゲストや仲間のプロエンジニアの発表から何かを得ようと、全国から多くのプロエンジニアの方にご参加いただきております。

昨年以前からテーマにもとづき開催していましたプレゼン大会を、今回より「P-1グランプリ」と名称を変更いたしました。
今年のテーマはわたしの「WORK FOR GOOD LIFE」です。

「P-1グランプリ」とは

今、ようやく「働き方改革」が注目されるなか、私たちPE-BANKとプロエンジニアは、平成元年の創業以来一貫して、
それぞれが描く未来、興味や価値観に従って自らの「WORK FOR GOOD LIFE」を切り開いて来ました。

もっと自分らしく素敵な人生のために輝ける未来を目指して、「Engineer Life」 をとことん自分らしく 「Enjoy」 する。

そんな、ENJONEER(エンジョニア)として挑戦し続ける皆様の、「新しいライフスタイル」や
「これからのエンジニアの働きかた」について、わたしの「WORK FOR GOOD LIFE」として披露していただきました。

プロエンジニアフォーラム当日は、4名のファイナリストにプレゼンしていただき、 来場者の投票により
「PRO of PRO Engineer - エンジョニア大賞」となる1名を選出いたしました。

ファイナリスト
プレゼンテーション

「WORK FOR SOCIETY」

黒田 直人 氏(九州支店所属)

- プロフィール -
鹿児島県出身。高校卒業後、東京のソフトウェア会社に就職し、派遣社員、正社員、フリーランスを経験。子供の誕生を機に、地元熊本へ移住しPE-BANK九州支店所属に。地方ならではの環境で仕事にプライベートに様々な体験をする日々を送っている。

黒田さんは、地域と密接にかかわる大切さ、そして仕事とプライベートをうまくバランスさせることが充実した暮らしにつながる、というプレゼンを行いました。地元九州で子育てをしたいと独立を機に熊本に移住。地域になじみ地元に貢献したいと考え消防団に所属します。さらに、地域のために子供会なども設立。今は子供たちが喜ぶ姿を見て大きなやりがいを感じているといいます。
そして次に目指すのはスキルを生かした子供のためのプログラミング教室の開設です。今の自分のように地域に根差し、私生活と仕事をうまくバランスさせれば、相乗効果でより充実した暮らしにつながるはずです。そうメッセージを送りプレゼンを締めくくりました。

「WORK FOR きっかけ」

富田 大介 氏(中部支店所属)

- プロフィール -
現在フリーランス歴は2年目。大手航空機メーカーで物流システムの保守に携わっている。目の前のディスプレイだけでなくその先にいる人々を感じながら、日々の業務をこなすのが仕事だと考え “一度しかない人生、遊びも仕事も楽しむ”をキーワードに活動中。。

極度な人見知りであった幼少期、石焼きイモ屋のおじいさんとの出会いのエピソードからプレゼンは始まりました。その出会いがきっかけで人みしりが解消、仲間もできた。さらに人との繋がりから仕事に出会い、そして今は、子供たちのために父親協力委員会を発足。エンジニアのスキルを生かしイベント用にお手製のペッパー君を製作。子供たちと一緒に遊びながら様々な活動をしているといいます。
仕事とは誰かの不安や悩み、不満を解決し、幸せにすることではないか、と富田さんは問いかけます。自分にとって悩みを解消してくれたのは石焼きイモ屋のおじいさんとの出会い。次は自身がそんな人物になりたいと訴えます。そして会場の皆さんに、誰かの未来のきっかけとなるような仕事や行動をしてみてくださいという言葉を投げかけ、プレゼンを結びました。

「WORK FOR MY CHANCE」

平岩 高子 氏(中部支店所属)

- プロフィール -
へこむことがあっても立ち直りの早いのが取り柄というV字回復のプロエンジニア。ガーデニングで土や植物に触れたり、好きな音楽を聴きながら新しい料理に挑戦中。自身の「V字回復」の経験とその理由をプレゼンテーション。

平岩さんは、今、自身が満足のできる案件に従事できていること。さらに、休日は子供たちにプログラミングを教えているなど、充実した今の生活の喜びを語り始めます。しかし、そこにたどり着くまでの数々の苦労や挫折、大切な父親の介護と別れなど、これまで体験してきた数々のエピソードがはじまると会場は静寂に包まれました。
しかし、そんなどん底から、いかにしてV字回復を果たせたのか。Javaの資格を取り実務経験を積み、ダブルワークをしながら介護もこなした。そして行動を起こしたことでチャンスをつかみ、人生が大きく変わったと平岩さんは語ります。そして自身のそんな経験から「チャンスをつかむためには、あきらめず人生は自分で切り開いてください」。そんなメッセージを投げかけプレゼンを終えました。

「WORK FOR Café & Music @ SENDAI」

伊藤 研 氏(東北支店所属)

- プロフィール -
53歳仙台在住。プロエンジニア歴11年、仙台在住のサーバ構築を得意とするインフラエンジニア。母の介護がきっかけで東京から仙台に拠点を移し、フリーランスの利点を生かしフレキシブルに契約を変更し業務を遂行。フリーな時間を活用し、趣味のバンド活動に自家焙煎珈琲の販売、イベント出店などを行っている。

母親の介護をきっかけに働き方を変えたという伊藤さん。どう変わったのかをプレゼンしました。東京でフリーランスとして働いていた際、実家の母親が倒れ仙台で介護生活となった苦労。フリーランスだからできた介護と仕事の両立。そして、周囲の協力があったからこそ、週3日という働き方でも十分にパフォーマンスを発揮できたという体験を語りました。
 仕事と介護をこなしながら、趣味のコーヒー焙煎にも没頭し、趣味から広がった人脈が、現在のカフェ経営、バンド活動、社会福祉活動など充実した暮らしにつながったといいます。そんな自身の経験から、人とのつながりや、フリーランスという立場を生かした、時間に縛られない自由な働き方を提案しました。

表彰式

P-1グランプリファイナリスト4名の最終プレゼンテーションが終わり、ついに審査結果の発表となりました。
4名が壇上に上がり、会場からの注目が集まる中、ついにその時が!
そして見事、今年度の「P-1グランプリ」に輝いたのは中部支店所属の富田大介さんです。

表彰式では、グランプリの富田さんにPE-BANK代表取締役社長 櫻井多佳子から大賞の賞状が贈られました。続いて、特別講演ゲストである前園真聖さんからトロフィーの授与が。最後にスペシャルゲストとして、PE-BANKのイメージキャラクターである俳優の要潤さんから賞金の目録の授与が行われました。富田さんは満面の笑顔。そして会場からは祝福の拍手が送られました。

総 評

特別審査員

作家・ジャーナリスト
佐々木 俊尚

1961年兵庫県生まれ。愛知県立岡崎高校卒、早稲田大学政経学部政治学科中退。
毎日新聞社などを経て2003年に独立し、テクノロジーから政治、経済、社会、ライフスタイルにいたるまで幅広く取材・執筆している。最新刊は「広く弱くつながって生きる」。「そして、暮らしは共同体になる。」「キュレーションの時代」など著書多数。
総務省情報通信白書編集委員。AbemaTV「AbemaPrime」レギュラー出演。NHK Eテレ「世界へ発信!SNS英語術」、文化放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」レギュラー出演。

「持続的に、気持ちの良い人生を送るにはどうするべきか? 」4人の方のお話にはそんなスピリットが込められていたように思いました。伊藤さんや平岩さんのように、突然ご家族の介護が必要になることもある。黒田さんのように地方へ移住すれば地域の共同体との付き合いも必要になるなど、人生には波風があります。でもその波風をまともに受けるのではなく、自分のなかに取り込み、どのようにして滑らかな人生に変えていくか。それが大事なことなのではないかと感じました。

グランプリの富田さんの話はとにかく完璧。面白かった。仕事でありながら同時に遊びでもある。仕事と遊びがシームレスで、その切り分けをうまくやっている。富田さんが人生を上手に楽しんでいるハッピー感が伝わってきてとても良い話だったと思います。仕事と遊びの境目がない、そんなシームレスな生き方、我々も見習うべきかもしれません。
皆さんおめでとうございました。

パネルディスカッション

「ITフリーランスの描く働き方の未来」

  • ファシリテーター: 佐々木 俊尚
  • パネラー: 岡部 隆志 氏(中部支店)
  • パネラー: 酒井 宗平 氏(中部支店)
  • パネラー: 小林 克徳 氏(東北支店)
  • パネラー: 橋本 真由美 氏(九州支店)

冒頭、ファシリテーターの佐々木氏より、「仕事をしながらGOOD LIFEの余地を作っていった、
そのきっかけを教えてください」という質問が投げかけられます。

岡部

きっかけは母の死です。自分も50歳。やりたいことはやろうと仕事とレースの両立をはじめました。

酒井

仕事と音楽制作は以前から両立していました。PE-BANKに所属してからは以前より自由に活動できていますね。

橋本

ウェイクボードのプロを目指したのがはじまりです。そちらが先で後にフリーランスのエンジニアになりました。

小林

リーマンショック後、仕事が減り、ITエンジニア以外に何か収入になるものを探してギター作りを始めました。

佐々木

言語にかかわらずコンピュータの枠組が年々変化していますが、
どうキャッチアップしていくべきか、それともその必 要はないのか。どう考えますか?

岡部

古いことを知っている人間にもニーズがあります。自分の強みを生かせる現場に長く携わっていきたいと思っています。

小林

私は古いシステムを新しい物へリプレイスするときの通訳的な役割を目指したいと思っています。

佐々木

マニアックな技術も古い言語も求められる場所はあり仕事は成立する。
ニッチマーケットで仕事ができるのもフリーのエンジニアならではの強みということですね。

佐々木

これからは人生100年時代と言われています。
この長い生涯の仕事やお金ついて皆さんはどう考えていますか? 

酒井

自分は10年後も物作りを続けていたい。だからやりたいことを行動に移し、
次の行動に反映させるというサイクルを維持し動き続けていきたいと思っています。

岡部

模索中です。今の仕事で信頼を得て、5年10年と長く勤めたいと思っています。
また人脈を生かし趣味のレースをビジネスにつなげたいと考えています。

橋本

南の島でリモートワークが夢ですが、現実的にはとりあえずお金を貯めます(笑)。

小林

生涯現役を目指します。また副業のギター製作も続けていきたいですね。
他には社会貢献などで社会と長く繋がっていこうと考えています。

佐々木

視野を広げ、広くつながっていく。それは家族や友人、複数の仕事先など。
そしてそれがセーフティネットになっていくということでしょうか。
では、皆さんはそんな人生をおくるために必要なプロエンジニアのスキルとはなんだと思いますか。

橋本

技術力も重要ですが大切なのはコミュニケーション能力です。信頼関係を作ることです。

小林

同じです。お客さんが求めていることに応える。もちろんそのためには技術も必要ですが。

酒井

技術も大切ですが自分をアピールするコミュニケーション力が必要です。
とにかくアウトプットして評価を受ける。それがコミュニケーションにもつながります。

岡部

人脈を広げていくこと。私は趣味を通じて新たなつながりができました。それが仕事にもつながっています。

佐々木

大事なのはコミュニケーション。ネットワークを広げていくということですね。
狭い世界に集中しているとだんだん尻すぼみになってしまう。新たな機会を得るためには人に会い、
損得勘定抜きで人間関係を作る。良い人間関係が軸になって、
それが自然に仕事へつながれば理想的なのではないでしょうか。

特別講演
「第二の人生」

スポーツジャーナリスト

前園 真聖

1973年10月29日鹿児島県生まれ。1992年鹿児島実業高校からJリーグ・横浜フリューゲルスに入団。1996年、アトランタオリンピック本大会ではブラジルを破る「マイアミの奇跡」などをチームのキャプテンとして演出。サッカーファンのみならず広く注目されることとなる。ブラジルのサントスFC・ゴイアスEC、韓国の安養LGチータース・仁川ユナイテッドなどの海外クラブでプレーし、2005年5月19日に現役引退を発表。
その後は解説者としてメディア等で活動しながら、ZONOサッカースクールを主催し普及活動を行う。
2009年にはラモス監督率いるビーチサッカー日本代表に召集され現役復帰。同年11月に開催されたUAEドバイでのW杯において、
チームのベスト8進出に貢献した。
現在は、メディアに出演しながらも、ZONOサッカースクールを中心に全国の子供たちにサッカーの楽しさを教えるための活動をしている。

特別講演ではスポーツジャーナリスト前園真聖さんより、自身の失敗体験と、復帰して今に至るまでに実感したことなど、ご講演いただきました。
九州の名門鹿児島実業高校からプロになり、順調にキャリアを重ね1996年のアトランタ五輪では「マイアミの奇跡」の中心メンバーだった前園さん。現役引退後はサッカー教室を主宰し、やがてテレビなどにも多数出演することになります。
しかし、自身のある失敗をきっかけに突然仕事がゼロに。そんな時手が差し伸べられます。「一番辛く苦しい時に、サッカー時代の先輩、後輩、多くの仲間たちが自分に声をかけてくれたのです」。そして前園さんは、「自分は一人じゃない、みんなに支えてもらっている」ということをあらためて実感したといいます。

そしてゼロから再出発し、少しずつ仕事に復帰。やがてダウンタウン松本さんと共演することに。それが再びメディアで大活躍するきっかけとなりました。そこでも前園さんは、やはり自分は周囲の人たちに助けてもらっているということが分かったといいます。
「皆さんもチームとして仕事をすることがあるでしょう。人間関係で大変なこともあるかもしれません、それでも人と人とのつながりはとても大事です。今の自分があるのも周囲の助けのおかげです。周りの人に感謝することを決して忘れないでください」。そんな言葉で講演を締めくくりました。

前園さんの講演後、来場者との質疑応答などを交えながら「WORK FOR GOOD LIFEよりよい人生のための働き方」をテーマにトークショーが行われました。前園さんのペットであるミニブタの話や趣味の乗馬のこと、そしてアトランタオリンピックでのブラジル戦の話など、ここでも興味深いエピソードの数々を語っていただきました。

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