50代からでもフリーランスエンジニアになれる?成功のコツを解説

50代のエンジニアがフリーランスとして独立し、もう一度自身のキャリアを築いていくことは可能なのでしょうか。長年の経験と知識は大きな武器となる一方で、「年齢がネックになるのでは」「独立後の働き方に不安がある」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、まず50代でもフリーランスエンジニアとして独立できるのか?という疑問に答え、実際に求められるスキルについて紹介します。さらに、50代でフリーランスになるメリット・デメリットや、成功するためのコツ、エージェントサービスの活用法についても解説します。
50代でもフリーランスエンジニアとして独立できる?
結論からいえば、50代でフリーランスエンジニアとして独立して活躍することは十分に可能です。実績を積んできたエンジニアならではの強みを活かせば、50歳を過ぎても新たなキャリアを切り開くことができます。以下で、その理由を見ていきましょう。
フリーランスには50代も多い
まず、フリーランスとして活躍している年齢層は、決して若年層だけではありません。
■フリーランスの年齢
参照元:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2024」
「フリーランス白書2024」によれば、調査に応じたフリーランス全体で最も多いのは40代で33.2%、次いで50代が24.4%、さらに30代が23.7%と続いています。
■フリーランスの職種
参照元:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2024」
一方で、同調査によると、フリーランス全体における主な収入源の職種は「クリエイティブ・Web・フォト系」が25.1%と最も多く、それに次ぐのが「エンジニア・技術開発系」で18.0%を占めています。
■フリーランス歴
参照元:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2024」
さらに、フリーランス歴では「2~5年未満」が29.7%で最多となっており、必ずしも長年フリーランスを続けている人ばかりではないという点も注目すべきポイントです。
つまり、50代をはじめとするミドル世代でフリーランスエンジニアとして働いている人は、実際に多くいます。「50代でフリーランスは難しいのでは?」と感じている方にとっては、その認識が誤解であることを示すデータといえるでしょう。
エンジニア職は豊富なキャリアが強みになる
フリーランス市場において、エンジニア職は年齢よりも実績やスキルが重視される傾向にあります。特に50代のエンジニアは、これまでの職務経験や技術的知見、業界知識など、豊富なキャリアを武器にできる点が大きな強みです。
例えば、過去のプロジェクトでの成功事例や失敗経験は、将来のプロジェクトにおけるリスクを回避し、効率的な解決策を見いだすための指針となります。また、多様な業界や技術領域での経験は、クライアントのニーズを的確に理解し、最適な提案をするための基盤ともなるでしょう。それらは若いエンジニアとは異なる強みであり、フリーランス市場でも高く評価される資質のひとつです。
加えて、50代のエンジニアは、長年の実務経験を通じて培ってきた責任感や安定感が、クライアントからの信頼につながることも少なくありません。こうした背景から、年齢をハンデと感じる必要はなく、むしろ豊かなキャリアこそが差別化のポイントになります。
50代でフリーランスエンジニアになるメリット
では、会社を辞めて50代でフリーランスエンジニアになることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは4つのメリットについて説明します。
キャリアの再構築を図れる
50代でフリーランスになるメリットのひとつは、この年齢からでもキャリアの再構築を図れる点です。会社に所属していると、年齢が上がるにつれ役職定年や再雇用制度などの影響で、希望どおりの仕事を続けられなくなることがあります。その結果、キャリアの目標を見失ってしまうケースも少なくありません。
しかし、フリーランスとして独立すれば、自分の意思で新たなキャリアを築くことが可能です。得意分野や関心のある領域にフォーカスし、働き方やプロジェクトの選択を通じて、自分らしいキャリアを主体的に形成できます。
経験と実績を現場でフルに活かすことが可能
会社員として働いていると、マネジメント業務が中心になり、現場でのスキルを活かせなくなることがあります。特に50代になると、役職に就くことで現場から遠ざかるケースも少なくありません。
一方、フリーランスであれば、自分の得意分野や興味のあるプロジェクトを選び、長年培ってきた経験とスキルを最大限に活かすことが可能です。自分の裁量で仕事を進められるため、会社員時代には得られなかった達成感ややりがいを感じられるでしょう。
収入アップが期待できる
フリーランスエンジニアとして働くことで、自分のスキルや実績が収入に直結します。高単価の案件を継続的に受注できれば、会社員時代よりも高い年収を得ることも十分に可能です。
実際、「フリーランス白書2024」によれば、年収(経費控除前売上)が1,000万円を超えるフリーランスは全体の9.7%にのぼります。特に経験豊富で技術力の高いエンジニアは、高単価案件へのアクセスもしやすく、収入面でのメリットは大きいといえるでしょう。
定年がない
フリーランスの大きな特徴は、定年という概念がないことです。健康で働く意欲があれば、60代はもちろん、70代以降でも自分のペースで仕事を続けることが可能です。
実際、60代以上のフリーランスも一定数存在しており、知識やスキル、経験を武器に活躍しています。50代でフリーランスエンジニアになるという選択は、定年に縛られず、長期的なキャリアを描ける自由な働き方への第一歩となるでしょう。
50代でフリーランスエンジニアになるデメリット
フリーランスとしての働き方は、自由度ややりがいの面で多くのメリットがありますが、50代という年代ならではのリスクや不安も無視できません。ここでは、50代だからこそ直面しやすい代表的な3つのデメリットを解説します。
収入が安定しづらい
収入の不安定さは、多くのフリーランスに共通する課題です。
特にエンジニアの場合はプロジェクト単位で契約を結ぶことが多く、案件が終了するたびに次の仕事を自力で探さなければなりません。営業活動や人脈づくり、ポートフォリオの整備など、継続的に案件を獲得する努力が求められます。
また、契約内容や報酬条件によっては、希望どおりの収入を得られない月も出てくるため、安定した生活基盤を維持するには、計画的な資金管理や貯蓄が必要不可欠です。
社会保障に関する不安要素
会社員時代と異なり、フリーランスになると社会保険や年金はすべて自己負担となります。企業に雇用されている場合は、健康保険料や厚生年金保険料の半分を会社が負担してくれていましたが、フリーランスになるとその全額を自分で支払う必要があります。そのため、国民健康保険や国民年金への加入にともなう経済的負担は決して小さくありません。
さらに、会社員のような傷病手当金や厚生年金ないため、病気やケガで働けなくなった場合の備えとして、民間の医療保険や所得補償保険に加入する必要も出てくるでしょう。将来の生活や老後資金を含めた長期的な視点での対策が重要です。
年齢制限のある案件
フリーランス市場では、年齢制限のある案件も存在します。一部の企業では、最新技術への適応力や将来的な成長性を重視する傾向があり、若年層のエンジニアを優先的に採用するケースがあります。
「50代=スキルが古い」「体力やスピードが劣る」といった固定観念を持たれることもあり、案件選考で不利になる可能性も否定できません。そのため、年齢ではなくスキルや実績で判断してもらえるよう、ポートフォリオや提案内容に工夫を凝らすことが求められます。
50代フリーランスエンジニアの収入事情とは
こうした不安要素がある一方で、50代のフリーランスエンジニアがどの程度の収入を得ているのかも気になるところです。
実際の調査によると、フリーランスエンジニアの年収は、20代で約700万円、30代で約800万円、40代で約860万円、そして50代では約630万円と報告されています(2018年PE-BANK調べ)。年収は40代をピークにやや下がる傾向がありますが、それでもなお、会社員時代と比較して高水準の収入を維持しているケースが多く見られます。
さらに、スキルや実績次第では、50代でも年収1,000万円以上を実現しているフリーランスも存在します。特定分野に強みを持ち、信頼関係のあるクライアントと継続的に取引を行うことで、安定した収入を築くことも十分に可能です。
こちらもチェック:

50代フリーランスエンジニアとして成功するコツ
50代でフリーランスエンジニアとして成功するために押さえておきたいコツも見ていきましょう。重要なのは、長年の経験を活かしつつ、変化に対応していく柔軟性を持つことです。
経験や実績をしっかりアピール
フリーランスとして案件を獲得する上で、50代の最大の武器は「豊富な経験と実績」です。
年齢をデメリットに感じる必要はありません。むしろ、30代・40代にはない「深い専門知識」「多様な業務経験」「マネジメント経験」などを、強みとして積極的にアピールすることが重要です。
そのためには、自分のスキルや実績を具体的に示すポートフォリオを作成し、どのような価値を提供できるかを明確に伝えることが求められます。自分でポートフォリオサイトを作成したり、GitHubのようなソースコードの公開ができるプラットフォームを利用したりするほか、ポートフォリオ作成に役立つWebサービスを利用するといった方法で、自身の経歴や制作物、スキルセットをわかりやすく示すことが重要です。
人脈を活かした営業活動
50代のフリーランスエンジニアにとって、人脈は非常に強力な営業資産です。
これまで築いてきた職場の同僚や取引先、協業した他部署の担当者など、長年のキャリアの中で培ってきた人間関係を活用することで、安定的に案件を受注しやすくなります。
SNSや技術ブログで、これまでの経験や技術に関する知識、現在学んでいることなどを発信することも有効です。情報発信を通じて専門性をアピールすれば、市場での認知度が高まり、案件獲得や人脈形成にもつながります。
継続的な学習とスキルアップ
50代でも学びを止めない姿勢は、フリーランスとして長く活躍するために欠かせません。
IT業界は日々進化しており、技術の陳腐化も早いため、現状のスキルに満足せず、常に市場ニーズを意識したスキルアップが求められます。
オンライン講座やセミナー、技術ブログの執筆などを通じて最新の知識を習得することで、自分の市場価値を高められます。特に50代の場合、学ぶ姿勢があること自体もポジティブに評価されるため、積極的に取り組むことが大切です。
健康管理とワークライフバランス
自己管理をしっかりと行うことも、フリーランスエンジニアが成功するための重要なポイントです。50代になると自身の健康問題や家族の介護など、プライベート面の負担が増えることもあります。自身の健康管理、そして仕事とプライベートとのバランスを保つことが求められます。
特に休憩時間や休日の設定、睡眠時間の確保、定期的な健康診断などは留意しておくべきポイントです。
年齢を重ねるにつれて、健康管理の重要性はますます高まります。
50代にはエージェントサービスの利用もおすすめ
上記に加えて、50代エンジニアがフリーランスとして成功するには、エンジニア向けエージェントサービスの活用も心強い選択肢です。エージェントの利用メリットは、主に次の3点です。
経験・スキルに見合った案件を紹介してもらえる
エージェントは、フリーランスエンジニアのスキルや希望を丁寧にヒアリングし、最適な案件を紹介してくれます。自分のスキルセットや経験年数、希望する働き方などを伝えれば、マッチした案件を得やすくなります。
エージェントによっては、年齢不問の案件を豊富に取り扱っており、50代でも年齢を気にせず案件を探すことが可能です。人脈を活かした営業活動とは別に、エージェントを利用することで、新たな案件獲得のルートを確保できます。
営業サポートを受けられる
フリーランスエンジニアにとって、案件を獲得するための営業活動は必須といえるものです。しかし、案件を抱えて多忙になるほど営業のための業務が負担となることも事実です。
エージェントを利用すると、フリーランスエンジニアの代わりに営業活動を行い、案件獲得をサポートしてくれます。それだけでなく条件交渉なども代行してくれるので、負担を軽減できます。また、エージェントを利用すれば、個人では獲得できないような大型案件や高単価案件を紹介される可能性があるのもメリットです。
事務作業の代行も可能
エージェントは、契約書の作成や請求書の作成、入金手続きなど、さまざまな事務作業も代行してくれます。また、税務に関するアドバイスや福利厚生の提供など、さまざまな側面からのサポートを提供しているエージェントも存在します。こうしたエージェントを選べば、エンジニアは本業に集中することが可能です。
50代でフリーランスになるという選択を成功させるために
50代からフリーランスエンジニアを目指すことは、決して遅すぎる選択ではありません。むしろ、長年の経験や専門性、マネジメント力を強みにして、即戦力として活躍できるチャンスが広がっています。
一方で、収入の不安定さや社会保障、年齢に対する偏見といった課題もあるため、それらを理解した上で、戦略的にキャリアを構築していくことが重要です。
加えて、フリーランスエージェントの活用を視野に入れることも、大きな助けとなります。自身の強みを最大限に活かし、エージェントサービスをうまく活用すれば、50代からのフリーランス生活を充実させられるでしょう。
「PE-BANK」は、50代のエンジニアを含め、フリーランスとして働くエンジニアをサポートするエージェントです。フリーランスエンジニアが本来の仕事に注力できるよう、案件の提案から事務作業まで一括して請け負うことを特徴としており、マネジメント能力やリーダーシップが求められる案件も多く紹介することができます。フリーランスエンジニアとしてのキャリアチェンジを考えている50代の方は、ぜひPE-BANKにご相談ください。

この記事をシェア
関連記事