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IoTモノ語り

IoTを支える無線通信

Last One Hop

IoT(Internet of Thing)というからには、インターネットへの接続が前提となります。PCやタブレットといった情報端末は、TCP/IPプロトコルベースの有線LAN/無線LAN(Wi-Fi)のいずかもしくは両方をサポートしており、同じくTCP/IPプロトコルベースであるInternetとは、特別なプロトコル変換機器を介さずに通信することが可能です。(※1)

スモールIoTデバイスにおいては、省エネ、省スペース かつ可動性が高いことが求められます。モバイルPCやタブレットにおいてほぼ標準装備となっている無線方式通信であるWi-FiがIoTモノでも採用できれば何ら問題ないのですが、省エネ、省スペースの面においで不利なのです。

TCP/IPプロトコルスタックは(通信プロトコルの内部実装は構造的に複数のレイア[層]で構想されることからプロトコルスタックと表現することも)、CPUメモリはもちろん、CPUパワー、強いては電力も必要とするので、スモールIoTでの利用には残念ながら向きません。(※2)

そこで、多くのスモールIoTでは、TCP/IP以外の通信方式で、インターネットに接続されているサーバーにデータを一端集めた上、クラウドにデータを送受する、もしくは、インターネットに接続された中継器(Gateway機器)を介して送受することになります。

サーバーもしくはGatewayとIoTデバイスを繋ぐ通信手段のことを Last One Hopと称することもあります。

無線方式のLast One Hopとしては、Wi-Fiの他に Bluetooth、BLE(Bluetooth Low Energy)、ZigBee, ANT+と言ったものがあります。

上記にあげた通信方式は、近距離(10mから 長くても100m程度)通信となります。また、近距離低消費電力通信一般をPAN(Personal Area Network)と称することもあります。
近距離無線通信には、日本では、2.4GHz周波数帯を使うことが多いです。

2.4GHzは ISMバンドの1つです。ISMは 産業(Industrial)/科学(Scientific)/医療(Medical)の3つの英語表記の頭文字から来ていて、産業・科学・医療利用での利便性を高めるために設定された周波数帯です。

IMSバンドは、複数あるのですが、アナログTV放送終了に伴う再編で、あらたにIMSバンドに割り当てられた920MHz帯も、通信速度は低速ながら、中距離通信(数km – 数十km)が可能な点で注目を浴びています。この周波数帯をつかる通信方式としては、Wi-SUN、RoLa等があります。

通常、無線機器利用には、機器・利用者とも認可・免許が必要なのですが、ISMバンド利用 かつ 技適マークが付いている機器の利用に関しては、許されている範囲であれば免許がなくとも使えます。

技適マーク

ちょっと脱線しますが、電波の話題に触れたついでに。大切なことなので。

電波は目に見えませんが、資源の1つです。消費することによる枯渇の危惧はありませんが、使用する周波数帯によって電波特性が異なり、使用用途に適した電波を使う必要があるます。また、適切に利用しないと他者に妨害(混信)を与えることにもなってしまいます。従って、管理すべき資源と言えます。

日本の場合、総務省総合通信局が管理を行い、認可を受けた機器が、許可された周波数帯の電波の利用が可能となります。厳密には、運用に際し、運用者にも免許が必要なのですが、ISMバンド利用で、技術基準適合証明/技術基準適合認定(以下技適)という認可を受けた機器であれば、免許を取得することなく利用が可能です。

技適認可を受けた機器には技適マークがつきます。技適マークの適用を受けてない機器を使うことは、違法となるのです。

スモールなIoTモノでも、電波を利用する以上、技適マーク適用を受けている必要があります。スマートフォンももちろん対象です。
(※最近のスマートフォンは、外観らかは一見できませんが、技適マークはもちろんついています。ご興味のある方は確認方法を調べてみてください)

技適マークの詳細については 総務省のホームページをご覧ください。

「電波利用のルール」http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/summary/qa/index.htm

無題
<技適マーク (H7.4~)><旧技適マーク(S62.10 ~)>

本コラムでは、Last One Hopとして、手始めにBLEを選択します。

なぜか。それは、iPhone、Androidはじめ多くのスマートフォンが、BLEをサポートしていて、スモールIoTモノとの通信が比較的容易に実現できるからです。その上、移動体通信網を介せば、インターネットとの接続も実現できますね。

普及が進んだスマートフォンを利用することで、あらたな投資をすることなく、IoTのThing側の勉強に注力できる。これが、BLEを選択する理由です。

今回は紙面の関係でここまでといたします。次回はBluetooth/BLE中心に、少々深掘りして触れたいと思います。

IoT研究会キックオフ

このコラムでも紹介させて頂いたIoT研究会ですが、去る12月4日、晴れてキックオフとなりました。総勢20名を超える方に参加頂き、IoTに対する関心の高さが伺えます。

題材となるボートもメンバと協議の上決定し、Cypress社製のPSoC BLE Pioneer Kitとなりました。Last One Hopは名前が示すとおり、Bluetooth Low Energy。

今後、このコラムでも、より題材に特化したテーマ、研究会で話題になったこと、エピソード、etc.を踏まえて、よりリアルな内容にしていきたいと思います。ご期待ください。

IoT研究会

宇宙に行きました!!

私事ですが、著者プロフィール欄に書かれている「2016年秋、担当ユニットが、自身の分身として、一足先に宇宙に行き地球を眺める。」が、実現しました!!

12月9日 22:30頃、種子島宇宙センターからこうとり6号の相乗り衛星として、国際宇宙ステーション(ISS)に向かって旅立ち、同19日の夕刻、ISSより衛星軌道に放たれ「はごろも」(衛星名称)となりました。

担当したのは、GPS信号処理関係と内部機構管理といった、衛星全体からみればごく僅かな機能ですが、それでも、自身が手がけたものが宇宙に行き、地球の周りを回っていると思うとワクワク感で一杯です。

ミッションとしては100日前後だと思いますが、無事使命を果たしてくれることを祈るばかりです。

最新情報を知りたい方は、Stars-Cの公式ツイッターをフォローして頂ければと思います。

https://twitter.com/stars_shizuoka

はごろも

※1 ハブ(Hub)/ルータ(Router)といった 接続分配や通信媒体を変換する機器を介することはあります。

※2 6LowPANという、IPv6ベースの軽量プロトコルスタックの仕様も策定されています。Bluetooth4.2において採用されましたが、普及はこれからの様です。

飯田 幸孝

飯田 幸孝

ソフトウエアエンジニア。名古屋出身。
計測機器開発メーカ、JAVA VMプロバイダの2社を経て2007年独立。
組込機器用F/W開発に多く従事。2015年より新人技術者育成にも講師として関わる。
モノづくりが好きと宇宙から地球を眺めてみたいという思いが高じて、2009年より宇宙エレベータ開発に手弁当にて加わる。その実現に今後の人生を掛ける。
宇宙エレベータ開発のご縁で静岡大学の衛星プロジェクトStars-Cに参画。2016年秋、担当ユニットが、自身の分身として、一足先に宇宙に行き地球を眺める。