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Bコラム〜ビジネスマン(技術者)への応援メッセージ〜

『 インテグリティー 』

はじめに

IT関係の仕事を通じ、インテグリティーと云う言葉を知りました。
データには一貫性とか整合性が必要と云うこと。データベースの中で定義の異なるデータが混在すると、情報処理するとか集計する意味合いが不確かな結果になるから。
要するに、例えて云えば、円とドルを単純に足したら、意味のない数字になってしまう。
円をドルに換算して、合計するならば意味のある数字になる。
或いは、先月までは食費の中に外食で使った費用も含んでいたのに、今月からは外食費を除いて集計するなどは、基準が違ってしまうから、前年同月比は意味が変わってしまう。
会計基準は、各社とも共通の基準でデータ集計するから、各社を比較する意味合いがある。
インテグリティーは、だから大切なことと知りましたが、実はもっともっと深い意味を含んでいることを伝えたいと思います。

インテグリティーの意味すること

インテグリティーは、一貫性や整合性の意味だけでなく、誠実・真摯・高潔などの概念を含んでいるそうです。つまりは、終始一貫した姿勢で仕事に臨むとか、ブレない考え方を持つ人を褒める場合などにも使う言葉の意味があります。
組織のリーダーやマネージャーに求められる資質とも云えます。無論、個人事業主であるIT技術者にも当てはまります。技術力だけでなく、責任感を持って与えられた役割を果たす意欲のある様な人こそ、インテグリティー溢れた人と云えるのです。

今となっては、単一の意味合い(データの一貫性)程度に理解した自分を恥じるばかりですが、インテグリティーの奥深い意味合いは、IT技術者に限らず、多くの社会人にも理解してもらいたい言葉です。いや言葉の意味でなく、考え方とか日頃の行動を正すことの大切さを知ってもらいたいのです。

コンプライアンス(法令遵守)なる言葉もありますが、インテグリティーは、より深く幅広い社会的責任を含む概念です。法令を守るだけでなく、法令の求める意味合いを知り、行動することの様です。形式的なことでなく、実際の意味合いを理解し、行動する。

まさにインテグリティーは、1人前の社会人、技術者を目指す者にとっては大切な指針となる意味を持つのです。

IT関係や会計のインテグリティー

IT関係で云えば、今、ビッグデータは注目されていますが、何のデータであれ、収集した条件とか基準は明確になっていないと、データ解析する際に、不確かな解析結果になってしまいます。当然、信用度は高まりません。インテグリティーは重要な要素です。

会計処理の場合も同じく、会計科目の定義とかデータ入力する際の内容は、一貫性や整合性がないと、時系列での会計内容は、比較検討する価値が損なわれます。
企業会計の集計結果の傾向から、内容を分析するなどは出来ないことになります。

どちらのこと(IT関係、会計)も、データ処理、解析に関わることの前提条件として、インテグリティー(一貫性・正しいデータ入力)は不可欠なのです。

私利私欲とは縁遠いインテグリティー

最新の時事問題になりますが、ゴーン氏の行動は、マスコミで報道されていることを正しく間違いないとすると、インテグリティーに欠けた行動と云わざるを得ません。
全て法律は100%正しいとは限りませんが、法の持つ意味合いは「公平・公正」を包含しています。私利私欲なる行動は、インテグリティーの精神に反するものです。
仕事に関しては、日本人的な感覚だと「定時になれば即座に仕事を打ち切る」ではなく、今日の締めくくりとして、区切りのつく時点で、仕事を終える・・・でしょう。

日本の製品・商品の多くは海外で高い評価を受けていますが、区切りまで仕事する姿勢の日本人的な行動は、インテグリティー精神を含み、高い評価を支えている気がします。
少なくとも、自分ファーストの強調でなく、仕事そのものに対する姿勢が良いのです。

何事にも通じるインテグリティーの大切さ

奥深い意味合いをもつインテグリティーなのですが、「言葉のあや」でなく、実体のある言動をする日々の仕事も生活にも、誠心誠意を貫く姿勢の人には頭が下がります。
まさにインテグリティー精神に精通している、高潔な人に思えます。
ややもすると、不利な状況になったり、自分の行動が災いし起こしたトラブルには、自分に都合がよくなる様、気持ちが働きます。ある意味、人間的ではありますが、日頃の言動とは異なる態度に、周囲の人は面食らいます。仮に、その様な事態が数回続くと、他者からの共感は薄すらぎ、信用も低下傾向になります。

IT技術者には、次から次へと新たな技術・用語が巷間に溢れ、知り尽くすのは大変です。
それでも尚、日常の仕事をこなしながら、新たな技術を吸収する終始一貫した対応を続けるならば、周囲の人からの評価は高まるでしょう。何よりも、自分の自信に繋がります。
インテグリティー精神の前に、自身の行動基準とか、大切にするべきことを明確にして、毎日の仕事・生活にブレを生じることなく、豊かな時間を過ごしたいものです。

斉藤 礼三郎

斉藤 礼三郎

コンピュータやネットワークに関わり半世紀近く。T自動車の情報部門にて、約20年間、DBやNWの企画・設計を担当した。その後、独立し名古屋にてシステム会社を20年ほど経営する。
現在は「PEーBANKのシニアアドバイザー」の立場で活動中。