IoTモノ語り
IoT時代がやってきた!!
IoT(Internet of Things)
IoT(Internet of Things)。エンジニアである私たちにとって、この言葉を耳にしない日はないのではないでしょうか。インターネットに続く次の潮流とも言われたりしています。
IoTとは、直訳すればモノのインターネット、私なりの解釈をつけるならモノがインターネットに接続され、物理的空間を超えてヒトやモノと情報のやりとりを行うこと、でしょうか。
このこと自体は、目新しいことでなく、パソコンはじめ、スマホやタブレット等情報端末がインターネットに接続され、莫大な量の情報交換を既に行っています。
IoTが示すThingsには、情報端末のみならず、家電や生産機械と言った、これまでインターネットに接続されることが想定されていなかった機器までも含まれています。背景として、インターネット網の高速化・低コスト化の実現に加えて、機器へのMCU(Micro Control Unit)搭載とインターネットへの接続が比較的安価で容易になったことにあるのですが、対象が広がることで、市場規模一気に数倍に広がることが期待されるようになりました。この期待感が、IoTという言葉に乗せられているのだと思います。
(各種調査機関のIoT関連売上予測を IoT Analysisプロバイダがまとめたもの)
出典: https://iot-analytics.com/iot-market-forecasts-overview/
IoE(Internet of Everything(全てのもののインターネット)という概念もあります。
IoTとIoEの違い・関係性についてはこちらのサイトが参考になります。
http://blogs.itmedia.co.jp/zenkishimoto/2015/04/iotioeiot.html
宇宙エレベータ
出典:http://www.jsea.jp/
はじめまして、PE-BANKプロエンジニアの飯田幸孝です。
計測機器開発メーカ、携帯向けJAVA VM(Virtual Machine)プロバイダの2社を経て2007年8月に独立。2008年6月よりPE-BANKのお世話になっております。
計測機器開発メーカでは、任意信号やMPEG2-TS信号等の信号発生機器のF/W開発に従事してきました。SunOSもしくはSolaris上で開発し、VxWorks OSを介してターゲットを制御するという組合せで実現するケースが多かったです。ベアメタル版開発においては、いくつかのCPUに接しましたが、Super-SHとのつきあいが親密でした。
2社目では、携帯向けJAVA VMの高速化に取り組んでいました。開発言語は、プロダクトがJAVAアプリでなく、VMでしたので、C言語とアセンブラとなります。CPUは、もちろんARMシリーズです。
独立後は、Androidアプリ(電子ワインリスト)やWEBサービス(品質管理システム)等、組込案件以外にも関わったことがありますが、ここ3年ぐらいは、ARMコアを搭載したFPGAデバイス(具体的にはZynq)を搭載した機器の制御プログラム開発に多く携わっています。
そして、私には事業以外にも取り組んでいるものがあります。
子供の頃夢見た、”宇宙から地球を眺める”。 これを実現すべく、ロケットに代わる代替手段として注目を集めつつある宇宙エレベータの開発に取り組んでいます。
人生も折り返しとなった頃に子供の頃の夢を思い出し、と同時に宇宙エレベータ構想やその活動仲間と出会い、行動を共にすることを決意。今後の人生をこのプロジェクトに掛ける覚悟です。
現時点は、実証実験中であり、宇宙にはほど遠い高度1,200m程度の登坂に留まっています(完成予定である2050年時の高度は 70,000kmを予定)。詳しくはこちらをご覧ください。
手前味噌ですが、これでも、世界記録なんです。(実証実験を行っているのは 日米独の三カ国のみですが…。ギネスには只今申請中。)
IoT研究会
こんな私ですが、この10月に、PE-BANKコミュニティの1つとしてIoT研究会を立ち上げることとなりました。
ひとことでIoTといっても技術面だけでも非常に幅広いので、この研究会ではThings(モノ)側に焦点をあてます。
そして、さらに絞り込んで、研究会で取り扱うモノ -デバイス- を2-3点選定します。同じモノをメンバで所有し、分担して学習・調査・検証を行い、徹底的にしゃぶり尽します。その過程で得た 知識やノウハウを蓄積するとともにメンバで共有し資産として活用して行きます。1デバイス1年程度のスパンで2-3年かけて、経験値、資産を増やして行きたいと思っています。
そして、しかるべきタイミングにて ビジネスユニットを形成し、チームとして案件対応をして行きたいと考えています。もちろん、PE-BANK 営業担当の方との連携も図って行きます。
この様にして、来るべきIoTの大波に乗る準備を整えて行きたい考えです。
これがこの研究会の狙いです。
何故研究会か
ひとつは、業務として、組込案件に関わっていますが、必ずしもIoTに直接絡む案件とは限りません。仕事の合間をみて、IoTに必要な知識・技術の習得を図っているのが実情です。ましてや大海原ですので、一人で必要な知識・技術を得ることは、時間的にもモチベーション的にも厳しいと感じています。
ですので、同じ様な思いをもった方と一緒に進めば、習得がより確実になると共に、予期せぬ相乗効果や展開もあるのではないかと期待しています。
もうひとつは、2年前から、新卒技術者の人材育成に講師として関わっています。そこで感じたことは、テキストや資料に書かれている事のみならず、自身の体験を通して得たノウハウやスキルを伝えることの大切さです。彼ら・彼女らはとても興味深く聞き入ります。伝える事がとても大切だということに気づかされました。
私は決して一流のエンジニアではありませんが、熱意をもって業務に取り組んできた分に相応するノウハウ・スキルは持ち合わせしているつもりです。それを余すことなく提供したいと思っています。
と同時にメンバの方も各人のノウハウ・スキルを有している訳で、それらを持ち寄って、蓄積・共有することで、とてつもない大きな力を発揮することになるのではとも思っています。
そんなことを思い描いて研究会を立ち上げることにしました。
ですから、必ずしも組込エンジニアでなくとも、IoTに興味があって、一緒にスキルを高めていくという考えをお持ちの方であればご参加頂けるのではないかと思っています。
このコラムでは、技術的な話しのみを深掘りせず、研究会として 得られた知識、話題にあがったこと、メンバの声などを伝えてゆきたいと思っています。
次回コラムでは、研究会で取り扱いたいと考えている機材候補の紹介を兼ねて、IoTで必要な技術やテクノロジについて語る予定です。(内容は変更する場合があります)
ご期待ください。
PSoC BLE Pioneer Kit
Odyssey MAX10 FPGA Eval Kit
EFR32 Blue Gecko Bluetooth
飯田 幸孝
ソフトウエアエンジニア。名古屋出身。
計測機器開発メーカ、JAVA VMプロバイダの2社を経て2007年独立。
組込機器用F/W開発に多く従事。2015年より新人技術者育成にも講師として関わる。
モノづくりが好きと宇宙から地球を眺めてみたいという思いが高じて、2009年より宇宙エレベータ開発に手弁当にて加わる。その実現に今後の人生を掛ける。
宇宙エレベータ開発のご縁で静岡大学の衛星プロジェクトStars-Cに参画。2016年秋、担当ユニットが、自身の分身として、一足先に宇宙に行き地球を眺める。