20代でフリーランスエンジニアはアリ?年収やメリット・デメリットを考察

キャリアがまだ浅い20代でフリーランスエンジニアとして独立するのは、果たしてアリなのでしょうか。現在、IT業界の人材不足を背景に、若手エンジニアの需要が急速に高まっており、フリーランスの世界にも広がっています。ただし、20代でフリーランスエンジニアになるとどのようなメリットとデメリットがあるのかを、十分に理解しておく必要があるでしょう。
そこで本記事では、20代フリーランスエンジニアの現状、メリット・デメリット、成功のポイントについて解説します。
20代のフリーランスエンジニアが増えるといわれる理由
これまで、フリーランスとして独立する人は40代以上のミドル世代が多くを占めてきましたが、今後、20代のエンジニアがフリーランスとして独立するケースが増えるといわれています。まずは、20代フリーランスエンジニアが増える理由から見ていきましょう。
IT業界の慢性的エンジニア不足
20代のフリーランスエンジニアが増えている理由として挙げられるのは、IT業界における深刻なエンジニア不足です。経済産業省の「-IT人材需給に関する調査-調査報告書」では、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。
この「売り手市場」の状況は、若手エンジニアにとって大きなチャンスとなっています。従来、IT業界では経験やスキルが重視されていましたが、現在は戦力となりえる若手であれば積極的に登用したいという企業が少なくありません。結果、若手エンジニアがフリーランスとして挑戦しやすい環境も整ってきています。
エージェントサービスの充実
上記に伴い、エンジニアをサポートするフリーランスエージェントが増えています。エンジニア向けフリーランスエージェントは、フリーランスエンジニアと企業(クライアント)との間に入って仲介役を担う事業者のことです。
主なサービス内容は次のとおりです。
<エージェントサービスの主なサービス内容>
・マッチング:企業のニーズとエンジニアのスキルをマッチングする
・案件紹介:エンジニアに、スキルや希望に合った仕事を紹介する
・契約交渉:企業との契約条件や報酬交渉を代行する
・サポート提供:就業中のフォローや税務・保険手続きなどのサポートを行う
・キャリアサポート:長期的なキャリア形成をサポートする
こうしたエージェントは、フリーランスエンジニアがスムーズに仕事に取り組めるようなサービスを提供しています。エンジニアに支持されているのは、案件を紹介してくれるだけでなく、企業に対する営業や交渉の代行、契約手続きのサポートなども手厚く行っているようなエージェントです。
また、若手エンジニア向けに特化した案件を扱っているエージェントもあります。例えば、研修プログラムをセットした案件などは、実務経験が少ない20代でも、実績を積みながら報酬を得られるチャンスが得られます。
リモートワークの普及
リモートワークの普及も、20代フリーランスエンジニアが増加している理由のひとつに挙げられるでしょう。場所や時間にとらわれない働き方は、20代が重視するワークライフバランスとの相性が良く、自己実現や趣味との両立を可能にしています。
一方で、フリーランスエンジニアの働き方としては、クライアント企業への常駐という選択肢も存在します。常駐型フリーランスは、案件ごとに企業と契約を結び、契約先の企業に常駐して作業を行う働き方です。多くの企業が常駐を希望しているため、参画できる案件の選択肢が増えます。
働き方の価値観の変化
若い世代の働き方に対する価値観の変化も、20代フリーランスエンジニアが増加している理由のひとつです。管理職志向の低下や、自己成長機会の優先など、従来の「会社人間」とは異なる価値観を持つ若者が増えています。
フリーランスという働き方は、こうした新しい価値観に合致し、自己実現の手段としても選択されています。
20代でフリーランスエンジニアになるメリット
エンジニアが20代でフリーランスとして独立すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、主な4つのメリットについて解説します。
柔軟なワークスタイルで働ける
フリーランスエンジニアの最も大きな魅力といえるのが、自由度の高い働き方ができることです。ライフスタイルや志向に合わせた多様な働き方が可能です。
例えば、在宅型であれば時間や場所の制限が少なく、自分のペースで仕事を進められます。一方、常駐型は、企業内でのコミュニケーションが取りやすく、整った環境で働けるのがメリットです。常駐型でも、企業によっては、週3日出社し、残りを在宅勤務とするハイブリッドな働き方を認めているケースも見られます。
また、フリーランスは基本的に仕事量を自分でコントロールできるため、繁忙期には集中的に働き、余裕がある時期にはスキルアップのための学習時間を確保するなど、柔軟な時間管理が行えます。
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スキル次第で収入アップする可能性がある
フリーランスエンジニアの報酬は、個人のスキルや実績にもとづいて決まるため、高度なスキルを持っているほど高単価案件を受けやすくなり、同年代の会社員よりも高い収入が期待できるでしょう。
特に20代は、会社員として働く場合、年功序列の影響で給与が抑えられがちです。その点、フリーランスとして働けば、自身の能力や成果に応じた報酬を得られるチャンスが広がります。さらにいえば、複数の案件を並行して受注し、より多くの収入を得ることも可能です。
キャリア形成に役立つ
フリーランスエンジニアとして働いた経験は、自身のキャリア形成に役立ちます。一般的な会社員の場合、会社によってキャリアパスがある程度決められていますが、フリーランスであれば自分でキャリアパスを設計して仕事を選び、成長していくことができます。
20代のうちにフリーランスとして多様な案件に携わるのは、幅広い経験を積むチャンスです。将来的なキャリアの選択肢を広げることにもつながるでしょう。自分の興味や市場のニーズに合わせて、柔軟にスキルアップの方向性を決められるのも、大きなメリットです。
失敗してもリカバリーが効く
20代でフリーランスエンジニアになるメリットして、失敗してもリカバリーがしやすいことが挙げられます。若いうちは経験を積むことそのものに価値があり、たとえフリーランスとしての活動が思うようにいかなくても、その経験を今後のキャリアに活かすことが可能です。
20代もしくは30代前半なら、フリーランスとして培ったスキルや経験を、再び会社員として就職する際にポジティブに評価してくれる企業もあるでしょう。フリーランスにチャレンジして万が一うまくいかなかったとしても、そのリスクは比較的小さいといえます。
20代でフリーランスエンジニアになるデメリット
一方、20代でフリーランスエンジニアとして独立した場合、デメリットもあります。以下のようなデメリットについて理解し、適切に対処することが、フリーランスとして成功するためのカギとなるでしょう。
収入が不安定になる可能性がある
20代でフリーランスエンジニアになるデメリットとして挙げられるのは、収入の不安定さです。フリーランスは会社員と異なり、案件が途切れると収入がゼロになってしまうリスクがあります。報酬は案件ごとに発生しますが、安定して案件を獲得できるとも限りません。景気の変動や市場の変化により、突然契約が解除されたり案件が減少したりするケースも考えられます。
万が一、病気やケガで働けなくなった場合には、収入源が途絶えるリスクも高くなります。このような状況に備えるには、計画的な貯蓄や収支管理が不可欠です。
実務経験や人脈不足がマイナス要因になることもある
フリーランスとして案件を獲得するには、技術力だけでなく、実務経験や人脈も重要です。しかし、20代は経験や人脈が不足していることが多く、企業から「即戦力にならない」と判断される可能性があります。
具体的には、フリーランスエンジニアには3年程度の実務経験を求められるのが一般的です。さらにエージェントを利用せず、自分自身で営業活動をする場合には、経験不足や人脈不足が案件を探す際の足かせとなりやすいでしょう。
スキル習得の壁がある
正社員の場合、OJT(On-the-Job Training)などを通じて先輩エンジニアから学ぶ機会がありますが、フリーランスの場合は独学が基本となります。そのため、スキルアップには自ら学習の時間を確保する必要があり、さらに必要な教材や研修費用などの費用も自己負担で確保しなければなりません。
案件をこなすのに精一杯で学習時間を確保できないという場合は、スキルの習得がますます困難になって高単価案件から遠のいてしまい、収入が増えないという悪循環に陥るリスクもあります。
20代フリーランスエンジニアとして成功するポイント
上記を踏まえて、20代でフリーランスエンジニアとして成功するポイントを見ていきましょう。以下、3つの重要な要素について解説します。
得意分野を早期に確立する
得意分野の早期の確立は、若手のフリーランスエンジニアにとって不可欠な課題です。特定の技術や業界に特化したスキルと知識を身につけることができれば、競争力を高め、高単価の案件も獲得しやすくなります。
例えば、同じWeb開発のエンジニアであっても、どの領域のどんな案件に強いかなど、具体的な強みを定義することが効果的です。また、複数の得意分野を持つことで、市場の変化に柔軟に対応できるようになります。まずは、このことを優先してスキルを身につけていくことをおすすめします。
技術ポートフォリオを強化する
得意分野の確立と併せて、ポートフォリオを用意しておくことも重要です。ポートフォリオには、以下の要素を含めるのが一般的です
<ポートフォリオに載せるべき要素>
・自身のプロフィール
・有するスキル
・成果物・実績
・依頼を受ける際の報酬目安
・連絡先
さらに具体的なプロジェクト事例などを掲載することで、営業活動の際などに、自身のスキルと実績を効果的にアピールできます。
エージェントサービスを最大活用する
20代のフリーランスエンジニアにとって有効なのが、エージェントサービスの活用です。エージェントを利用することで以下のメリットがあります。
<エージェントサービスを利用するメリット>
・案件の選択肢が明確に増える
・自分で営業する必要がない
・事務作業のサポートも得られる
特に、経験が浅い20代のエンジニアにとって、エージェントを通じた適切な案件紹介は力強い味方となるはずです。自身と相性の良いエージェントと出会えれば、収入を確保できると同時に、段階的に実績を積み重ねていくことができます。スキルアップとキャリア形成も効率的に進められるでしょう。
20代でフリーランスエンジニアを目指すなら知っておきたいこと
最後に、20代でフリーランスエンジニアを目指す際に知っておくべきポイントを紹介します。参考にしてください。
未経験からでもフリーランスエンジニアになれる?
未経験からでもフリーランスエンジニアになることは可能ですが、一定のスキルと実績が必要です。まず、プログラミングの基礎スキルをしっかりと身につけることが重要で、少なくとも1年以上の学習経験があると望ましいでしょう。加えて基本情報技術者試験などの資格を持っていると、クライアントからの信頼を得やすくなります。
20代フリーランスエンジニアの年収はどのくらい?
フリーランスエンジニアの年収はスキルや案件の種類によって大きく異なりますが、20代の場合は300万~500万円の範囲が一般的です。ただし、PE-BANKの調査によれば、20代のフリーランスエンジニアの平均年収は約700万円とされています。スキルや経験、案件の種類によっては、20代でも1,000万円を超える高収入を得る人もいます。
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20代のフリーランスエンジニアの需要が高い専門分野は?
フリーランスエンジニアとして活躍するには、需要の高い分野を選ぶことが重要です。具体的には、以下のような専門分野が挙げられます。
<20代フリーランスエンジニアにおすすめの専門分野>
・クラウド技術(AWS、Azure、GCPなど)
・AI/機械学習
・フロントエンド開発
・バックエンド開発
・モバイルアプリ開発(iOS、Android)
最近では、単独のスキルだけではなく、異なる技術を組み合わせたクロスオーバースキルを高く評価される傾向があります。例えば、AI技術とクラウドを組み合わせたスキルセットを持つことで、より高度な案件に挑戦できるようになります。
20代フリーランスエンジニアにおすすめのプログラミング言語は?
フリーランスエンジニアとして案件を獲得しやすいプログラミング言語を選ぶことも重要です。特に以下の言語は、需要が高くおすすめです。
<20代フリーランスエンジニアにおすすめのプログラミング言語>
・Java:企業システムやAndroidアプリ開発で広く使用されている
・JavaScript:Web開発に欠かせない言語で、フロントエンドからバックエンドまで幅広く活用可能
・Python:AI、機械学習、データ分析など、最先端の分野で注目されている
・PHP:Webアプリケーション開発での需要が高く、習得しやすい言語
・Go:Googleが開発した言語で、大規模システムの開発に適している
20代フリーランスエンジニアを求めているエージェントを活用しよう
IT業界の人材不足などを背景に、20代のフリーランスエンジニアの需要は確実に高まっています。柔軟なワークスタイルを求める人や、スキルに見合った収入を得たいと考える人にとって、フリーランスは魅力的な選択肢となるでしょう。
しかし、未経験や実務経験が少ない状態で独立すると、思うように案件が取れずに苦労することもあります。そのため、20代のエンジニアを積極的に募集しているエージェントサービスを上手に活用することが活路となるでしょう。
「PE-BANK」は、20代をはじめとするフリーランスエンジニアをサポートするエージェントです。フリーランスのエンジニアが、本来の仕事に注力できるよう、案件の提案から事務作業まで一括して請け負うことが特徴です。フリーランスとして働くことに興味がある20代のエンジニアの方は、ぜひPE-BANKにご相談ください。

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