フリーランスエンジニアとして働こうと考える際には、理想を描くことも大切ですが、現実を理解する必要もあります。収入、働き方、年齢、将来性の4つの観点から、フリーランスエンジニアの現実をみていきましょう。

フリーランスエンジニアの収入は、正社員と比較して高い傾向があります。フリーランスエンジニア向けエージェントに寄せられる求人情報によると、2020年時点での平均年収は792万円です。また、フリーランスの案件・求人を紹介する「PE-BANK」に所属するフリーランスエンジニアの平均年収は847万円となっています。 これは、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」による正社員ITエンジニアの平均年収（約574万円） よりも高い水準です。このように、スキルや実績に応じて収入を大きく伸ばせる可能性があることが、フリーランスエンジニアの魅力といえるでしょう。

一方、収入が不安定になりやすい点も無視できません。案件が途切れると、その月の収入はゼロになってしまいます。クライアントの予算や、景気動向に左右されやすいため、時期による案件数の増減も避けられません。特に、不景気の際には、多くのクライアントが外部リソースの活用を抑えようとするため、フリーランスエンジニアにとっては、契約打ち切りや、新規案件の獲得が難しくなる可能性も高まります。

つまり、フリーランスエンジニアの収入は「高収入にすることも可能だが、収入を安定させるのは難しい」という現実があります。安定して高収入を得るには、継続的な案件確保とリスクヘッジの工夫が必要です。

こちらもチェック：

フリーランスエンジニアとして働くメリットのひとつが、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができる点です。仕事内容によっては、好きな時間に働いたり、自宅やカフェなど、自分にとって快適な環境で働いたりすることができます。

しかし、自己管理を怠ると長時間労働に陥りやすいというリスクもあります。また、リモートワーク中心の生活では、仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちです。納期に追われて休息を削ったり、いつの間にか毎日働き詰めになったりしてしまう人も少なくありません。さらに、チーム体制で動く会社員と異なり、フリーランスという立場は、案件の進行管理や、クライアントとのやりとり、事務処理なども自分で行わなければならず、時間的な制約が、会社員のときに比べかえって増えるケースもあります。

そのため、フリーランスエンジニアとして長く安定して働き続けるには、スケジュール管理や体調管理を含めた自己管理能力が欠かせないでしょう。

フリーランスエンジニアは、実績やスキルによって評価される世界であるため、それぞれの年齢に応じた強みを活かすことが可能です。ここでは、20代から50代までのフリーランスエンジニアの傾向を、年代ごとに紹介します。

・20代のフリーランスエンジニア
20代は、若さと柔軟性を武器に、フリーランスエンジニアとして独立するケースも増えてきています。従来、IT業界では経験やスキルが重視されてきましたが、近年では「戦力となりえる若手を積極的に登用したい」と考える企業も多く、挑戦しやすい環境にあります。

・30代のフリーランスエンジニア
30代になると、実務経験が蓄積され、即戦力としての評価が高まります。設計や要件定義、チーム開発といった技術的なスキルに加え、プロジェクト管理や顧客対応などのビジネススキルが備わっている人が多く、クライアントからの信頼も得やすい年代です。

・40代のフリーランスエンジニア
40代は、幅広いプロジェクトへの対応力やマネジメント経験を評価され、プロジェクトマネージャーやITコンサルティング案件など、上流工程での需要が高まります。これまで培ってきた知識やスキルが、大きな武器となる年代です。

・50代のフリーランスエンジニア
50代になると「年齢の壁」が気になるかもしれませんが、実は豊富な経験と実績を活かして活躍する人も少なくありません。長年にわたる職務経験は、リスクマネジメントや課題解決能力に優れているとみなされ、クライアントからの信頼も厚くなります。

フリーランスエンジニアは、今後ますます重要な存在となると予想されています。

経済産業省の「－IT人材需給に関する調査－調査報告書」では、2030年に80万人近いIT人材の不足が発生する可能性 が示唆されています。こうした人材ギャップは、フリーランスエンジニアの将来性が高いといわれる要因のひとつです。

また、近年では企業のDXや、AI導入が進んでおり、専門性の高いエンジニアを必要とする場面が増えています。必要なときに、すぐに戦力として活躍してくれるフリーランスエンジニアは、こうした企業から大きく期待されるでしょう。

フリーランスエンジニアとして長く活躍するには、どのような点に気をつければいいのでしょうか。ここでは、フリーランスエンジニアで成功するために押さえておきたいポイントをいくつか紹介します。

フリーランスエンジニアとして成功するには、常にスキルアップを意識することが欠かせません。できる仕事が増えれば、受注できる案件の幅が広がり、結果的に収入も増えるためです。

また、IT業界のトレンドは常に変化しています。時代のニーズに合ったスキルを持っていなければ、たとえ実務経験が豊富でも、案件獲得が難しくなる可能性があります。反対に、新しいプログラミング言語や技術に対応できるエンジニアは、希少価値が高く、企業からも重宝されるでしょう。

こちらもチェック：

フリーランスエンジニアとして安定的に収入を得るためには、限られた案件だけに依存しないように意識することも大切です。

フリーランスエンジニアは、契約終了や案件の急な中止など、収入が途切れるリスクと常に隣り合わせです。そのため、1つのクライアントや案件に依存していると、その取引がなくなった瞬間に生活に大きな支障が出てしまうおそれがあります。長くフリーランスエンジニアとして活躍できるよう、万が一の事態に備えておくと安心です。

フリーランスエンジニアは、自由度が高い分、自分で働き方を管理する必要があります。そのため、仕事とプライベートのバランスをうまくとるために、自己管理能力が非常に重要になります。
しっかり自己管理できる人ほど、安定して成果を出しやすく、フリーランスエンジニアとして長く活躍することが可能です。自分自身の性格や、理想とする生活スタイルを踏まえて、無理のない業務スケジュールを立て、心身の健康を保つようにしましょう。

フリーランスエンジニアとして安定的に案件を獲得していくためには、人脈が非常に重要です。実際、多くのフリーランスエンジニアは、知人や友人、会社員時代の取引先・同僚からの紹介で案件を得ています。

また、仕事を通した信頼関係の構築も大切にしましょう。一度信頼を得たクライアントからは継続して案件を依頼されることも多く、そこから別の案件や新たな紹介につながる場合もあるからです。

案件獲得に悩んだときこそ、人脈の力が支えになります。目の前の仕事に真摯に取り組みながら、長期的な関係性も築くことが、安定したフリーランスエンジニアのキャリアの基盤となります。

フリーランスエンジニアとして安定した案件を確保し、キャリアを長期的に発展させていくためには、フリーランス向けエージェントサービスの活用も非常に有効です。エージェントは、フリーランスエンジニアとクライアントのあいだに入って、案件探しや契約交渉、業務相談などを行ってくれるので、特にフリーランスエンジニアになったばかりの人にとって心強いパートナーとなります。

実績やスキルに応じて、適切な案件を提案してくれる点は、エージェントを活用する大きなメリットのひとつです。市場動向や報酬相場といった情報も得られるため、自身のキャリア戦略を立てる上での参考にもなります。信頼できるエージェントと継続的な関係を築いておけば、案件を紹介してもらえるだけでなく、将来的なステップアップにつながるチャンスも広がるでしょう。

フリーランスエンジニアには、自由な働き方や高収入が実現できるというメリットがある一方で、収入の不安定さや、自己管理の難しさなどの課題もあります。しかし、スキルアップを意識し、複数の収入源を確保しながら、人脈を活用することで、安定したキャリアを築けるでしょう。

フリーランスエンジニアとしての活動をよりスムーズに進めるためには、信頼できるエージェントとの連携も役立ちます。「PE-BANK」は、フリーランスエンジニアをサポートするエージェントとして、本来の仕事に注力できるよう、案件の提案から事務作業まで一括して請け負います。フリーランスエンジニアとして働くことに興味がある方は、PE-BANKにご相談ください。