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フリーランスエンジニアは自由度高く働ける点が魅力的な反面、営業活動や経理といった作業も自分が責任を持って取り組む必要があります。当然営業をしなければ案件を獲得できず、案件を獲得し続けることは大きな課題です。
本記事では、フリーランスエンジニアが案件を獲得する方法や、営業をする際に知っておくべきポイント、注意点を解説します。フリーランスとして活動されている方は、ぜひ記事を参考に活動をしてみてください。
フリーランスエンジニアの具体的な案件獲得方法
フリーランスエンジニアとして活躍するためには、効果的な案件獲得戦略が欠かせません。案件獲得にはさまざまな方法があり、それぞれの特徴を踏まえて自身に最適な方法を選ぶとよいでしょう。以下で、フリーランスエンジニアが案件を獲得するための7つの主要な方法を紹介します。
求人サイトへの応募
フリーランスエンジニアが効率的に案件を獲得する方法のひとつが、求人サイトへの応募です。求人サイトには多様な案件が掲載されているため、そのなかから自分に合った案件を見つけられるでしょう。
職種、技術スタック、プロジェクトの種類、期間、リモートワークの可否など、さまざまなフィルターや条件を絞り込む機能を利用して、自身のスキルセットや求める条件に合致する案件を見つけることもできます。このようにして、自分のキャリア目標やライフスタイルに合った案件を見つけることが重要です。
効率的な案件獲得のためには、複数の求人サイトを活用し、定期的にチェックする習慣を身につけるようにしましょう。また、プロフィールを充実させ、ポートフォリオを最新の状態にして、案件提供者にいつでも提出できるようにすることも心掛けてみてください。
企業への直接営業
フリーランスエンジニアが案件獲得を目指すには、企業への直接のアプローチも有効な手段です。メールや電話で可能性のある案件について問い合わせてみれば、求人サイトに掲載されていない案件を獲得できるチャンスを得られるかもしれません。
また直接営業は自発性を示す絶好の機会であり、自分から積極的に動くことで、単に仕事を求めるだけでなく、特定のプロジェクトや企業で働きたいという熱意が伝えられます。直接営業を通じて、一般的な求人プロセスでは出会えないユニークな機会にアクセスできるかもしれません。
効果的な直接営業のためには、明確で簡潔なコミュニケーション、確固たるスキルと経験の証明、そして継続的なフォローアップが必要です。これらの要素が揃うことで、フリーランスエンジニアは案件獲得の機会を最大限に活用できるでしょう。
知人からの紹介
フリーランスエンジニアとして案件を獲得する際、知人からの紹介は、信頼性の高い案件を見つける上で有効な手段です。紹介による案件は、既に信頼関係が築かれていることから、契約までのプロセスがスムーズに進み、作業を始める際のコミュニケーションも円滑に行える傾向があります。紹介者があなたの技術力や仕事ぶりを熟知しているため、クライアントに対しても自信をもって推薦してもらえるでしょう。
しかし、紹介による案件であっても、ビジネスとしての取り組みであることを忘れてはいけません。特に、単価交渉は事前に明確な基準を設けておくことが重要です。また、普段からの信頼関係の構築と同時に、自身のスキルや経験を適正に評価してもらえるよう、明確なポートフォリオの準備や過去の実績を伝えることなども怠らないようにしましょう。
フリーランスとして成功するためには、技術力や専門知識だけでなく、人間関係の構築やビジネススキルも同等に重要です。知人からの紹介を有効活用しながら、長期的なキャリア構築に役立てていくことが望ましいといえます。
クラウドソーシングへの応募
クラウドソーシングの活用は、特にフリーランスエンジニア初心者にとって案件獲得の手段として非常に有効です。さまざまなクライアントが公開している案件に、直接応募することができます。自分の技術や経験に合わせて、幅広い種類の仕事から選べるため、新たなフィールドに挑戦したり、専門性を深めたりすることも可能です。
初めは評価がないため選ばれにくいかもしれませんが、積極的な応募と実績の積み重ねにより、徐々により良い案件を受注できるようになります。ただし、単価など案件によってばらつきが多く、自分に合ったものを見極める必要はあります。焦らずに、一つひとつの仕事に対して真摯に取り組み、長期的な視野でキャリアを育てていくことが成功へのカギとなるでしょう。
ビジネス系SNS・マッチングアプリの利用
ビジネス系SNSやマッチングアプリの活用は、フリーランスエンジニアにとって、案件獲得の新しいチャンスを広げるだけでなく、長期的なキャリア形成においても重要な手段です。異業種のビジネスパーソンと気軽に交流できるため、案件獲得にとどまらず、新たなつながりを得られます。サービスによっては、日本にとどまらず世界中の多様な人材と出会うことも可能です。
特に、ビジネスマッチングアプリは、自分のスキルセットや経験に合致する案件やプロジェクトを見つけやすくするだけでなく、直接クライアントとコンタクトを取り、自己PRを行うことができるため、従来の求人サイトや紹介に比べて直接的なアプローチが可能です。
このようにビジネス系SNSやマッチングアプリは、フリーランスエンジニアがより広い範囲で活躍するための強力なツールであり、その活用は自己のスキルと市場価値を高めるためにも欠かせません。
交流会や勉強会への参加
フリーランスエンジニアが案件を獲得するためには、交流会や勉強会への参加を積極的に行うことは、自身のスキルやネットワークを拡大する上で非常に有効な手段です。
これらの集まりに足を運ぶことで、自分自身を同業者や将来のクライアントにアピールする貴重な機会を得られます。こうした場所で得られる出会いは、仕事の依頼につながる可能性があり、将来的な案件獲得へとつながることもあるでしょう。
また、こうした集まりに参加することは、知識の習得や最新のトレンドに触れる絶好のチャンスでもあります。自己啓発と案件獲得を両立させることができるため、効果的に時間を使いたいフリーランスエンジニアにとっては非常に価値のある時間になります。そのため、可能な限り多くの交流会や勉強会への積極的な参加をおすすめします。
フリーランスエージェントの活用
フリーランスエンジニアに効果的な案件獲得方法として最後におすすめするのが、フリーランスエージェントの活用です。エンジニアのスキルセットや働き方に合った案件を紹介してくれるサービスで、基本的に無料で利用できます。費用がかかるのは、案件に参加する場合のみです。
フリーランスエージェントに案件探しなど営業活動の一部を代行してもらえることで、エンジニアは営業活動から解放され、本業に集中できます。また、待遇の交渉、福利厚生の提供、事務手続きの代行など、幅広いサポートを受けることができます。加えて、エージェントが審査した信頼できるクライアントからの案件を紹介されるため、安定して案件を受注できる可能性が高まるでしょう。
このように、フリーランスエージェントの利用は、効率的かつ安心して案件を獲得するために有力な手段といえるでしょう。
フリーランスエンジニアが案件を獲得するためのポイント
案件を効率良く獲得するためにはいくつかポイントがあります。次のポイントを取り入れてみてください。
継続的に案件がもらえるクライアントを見つける
フリーランスエンジニアとして継続的な案件を獲得するためには、信頼できるクライアントとの関係構築がカギです。中小企業庁の「フリーランスの実態」によれば、案件獲得の最も一般的な方法は既存顧客からの紹介であり、これが半数近くを占めています。
顧客を獲得するための方法
参照元:中小企業庁「フリーランスの実態」
信頼関係を築くには、迅速な対応、納期の遵守、そして一貫して高品質の成果を提供するといったプロフェッショナルな対応が必要です。既存の顧客との信頼関係を築くことで、安定した案件の流れを確保し、フリーランスとしてのキャリアを長期にわたって維持していくことが可能になります。
ほかのエンジニアと差別化できる部分を作る
フリーランスエンジニアとして継続的に活動するためには、ほかのエンジニアと差別化できる部分を明確に持つことが重要です。例えば、上流工程の経験やコーディングの正確性、速度など、自身の特徴や強みを把握し、これらの強みをアピールすることで、多くのエンジニアがいる中でも選ばれる可能性を高めることができます。
特技や資格がまだないなら、新しい技術領域への学びや関連資格の取得を通じて、自己の市場価値を向上させることが賢明です。このようなスキルアップは、将来にわたってあなたのキャリアに大きな利点をもたらし、より良い案件を引き寄せる可能性を高めるでしょう。
コミュニケーションスキルを磨く
フリーランスエンジニアとして案件を獲得するためには、技術力だけでなく、コミュニケーションスキルが非常に重要です。営業活動のみならず、プロジェクトの円滑な運営を実現するためにも、このスキルは極めて重要な役割を果たします。
基本的なコミュニケーションの枠組みである「報告、連絡、相談(ホウレンソウ)」は、信頼関係構築の基盤です。さらに、クライアントやチームメンバーの理解度を正確に把握し、予測して行動を起こせる能力は、さらなる信頼獲得につながります。これによって、スムーズなプロジェクト進行はもちろんのこと、将来的なリピートや口コミによる新たな案件獲得にもつながるかもしれません。
フリーランスエンジニアにとって、技術力を磨くことはもちろん重要ですが、それと同じくらいコミュニケーションスキルの向上にも力を入れることで、より幅広い案件を獲得し、長期的な成功を実現することができるでしょう。
実績を積む
フリーランスエンジニアとして案件獲得に成功するためには、豊富な実績が欠かせません。実績は、エンジニアの技術力やスキルを客観的に証明できます。これが充実しているほど、クライアントからの信頼を獲得しやすく、「この人に任せれば安心だ」という安心感を提供できます。
そのため、さまざまなプロジェクトに参加したり、新しいサービスを立ち上げたりするなど、幅広い経験を積極的に集めることが重要です。これらの経験はポートフォリオを充実させ、フリーランスとしてのキャリアをさらに発展させる強固な土台となります。
フリーランスエンジニアが実績を作る方法
案件を獲得するためには実績が重要ですが、どのように実績を積んでいけばよいのでしょうか。ここでは、自分でできるアプローチ方法も含めてご紹介します。
エンジニアとして就職する
エンジニアとして一度企業に就職することは、未経験者や実績が少ないフリーランスエンジニアにとって、確実にスキルと実績を築くための有効な手段です。企業には豊富な案件があるため、早期に実務経験を積むことができます。また、そこで得た経験は、エンジニアとしての能力を高めるだけでなく、ビジネスの流れを学び、将来的にフリーランスとして活動する際にクライアントの要望を理解するのにも大いに役立ちます。
1年から3年という時間をかけて企業でじっくりとスキルを磨き、経験を積むことで、フリーランスとして長く働くための基盤を築くことができるでしょう。
個人開発でサービスを作る
個人開発プロジェクトを通じて独自のサービスを作り出すことは、フリーランスエンジニアにとって実績作りの有効なアプローチです。個人での開発は、企画立案からデザイン、実装、そしてリリース後のフォローアップまで、プロジェクトの全工程を独力で経験できます。これにより、チーム開発では関わる機会の少ない領域にも挑戦し、幅広いスキルと知識を身につけることが可能です。
加えて、プロジェクト管理能力や設計力など、マネジメントに関するスキルも自然と養われます。また、個人開発したサービスが市場で成功を収めた場合、その実績は高く評価され、フリーランスエンジニアとしての市場価値を大きく高めます。
クラウドソーシングの案件を受注する
クラウドソーシングは、フリーランスエンジニアがさまざまな種類の仕事を見つけるのに非常に役立つプラットフォームです。
こうしたサイトには、経験やスキルレベルに関係なく、多様な案件が掲載されているため、初心者でも手軽に始められる簡単な案件からスタートし、徐々に実績を積み上げることが可能です。年齢や経歴を気にすることなく、誰でもチャレンジできるのが大きな利点であり、特に「未経験可」のようなフィルターを利用することで、自分のスキルレベルに合った案件を見つけやすくなっています。自分のペースでスキルアップを目指しつつ、さまざまな技術や分野に挑戦することが可能です。
しかし、単価が高い案件に応募する際は、その仕事が自分の能力範囲内で対応可能かどうかを慎重に判断する必要があります。急がず焦らず、自分のスキルレベルに見合った案件を選び、着実に経験を積み重ねていくことが成功へのカギとなります。新しい技術を学び続け、スキルを継続的に向上させることが、フリーランスエンジニアとして長期にわたり活躍するための重要な戦略です。
資格を取得する
フリーランスエンジニアにとって、資格はスキルと専門知識を客観的に証明する有効な手段です。多くの企業は、資格を採用基準や給与体系の一部として取り入れており、特定の資格を持つことで、昇給や特別手当の対象となるケースも少なくありません。
資格を取得する過程では、広範囲にわたる知識や技術が体系的に学べるため、自己のスキル向上につながります。その結果、フリーランスとしての自身の市場価値を高め、より良い案件を獲得する機会を増やすことができるでしょう。自分の努力次第で実績を作れるという観点で、資格取得は自律心のある方には特におすすめです。
案件獲得時に注意すべき点
案件獲得のための営業活動は、慎重に行う必要があります。適切なアプローチを怠ると、クライアントに不快感を与え、場合によってはビジネスチャンスを損なう原因となることもあります。そこで、案件獲得時に注意すべき点を覚えておきましょう。
契約の種類を理解する
フリーランスエンジニアが案件を獲得した際には、クライアントとの間で認識の齟齬が生じないよう、契約形態を確認することが重要です。主な契約形態には、「請負契約」と「準委任契約」があります。
請負契約は、仕事の完成を約束し、完成した仕事に対して報酬を受け取る契約です。これに対し、準委任契約は、仕事の完成ではなく、特定の業務を行うこと自体を約束する契約です。
どちらの契約形態も、フリーランスエンジニアの業務内容やリスクを考慮した上で、不都合がないかを慎重に確認する必要があります。各契約の詳細を理解し、自分の業務に適した契約を選択することが、トラブルを避け、スムーズに業務を遂行することにつながります。
報酬と作業内容が見合っているか確認する
フリーランスエンジニアとして案件を選ぶ際には、報酬の額だけでなく、作業内容と見合っているかどうかを慎重に評価することが大切です。
高額な報酬に惹かれて無思慮に案件を受けるのではなく、提供する成果物の品質を維持できるかどうかを考えるべきです。案件が自分の能力を超えるものであれば、予想以上に時間がかかり、結果的に時給換算で見た収入が下がる可能性があります。
また、作業内容が自分にとって理想的であっても、報酬が十分でなければその案件を受ける価値は再考する必要もあります。報酬と仕事内容のバランスをしっかりと考慮し、自身が納得した案件を選択することが、継続的なキャリアにもつながります。
ときには、自己成長とキャリアアップのために、自身のスキルセットを少し超える案件に挑戦することも重要です。新たに学びたいスキルの重要度によっては、一時的に報酬を下げてでも、現状のスキルでカバーできる作業の割合を5割程度に減らすことも考える必要があります。長期的な視点で見て、将来のキャリア形成において大きな価値をもたらすかどうかで判断するようにしてください。
営業される側の気持ちに配慮する
フリーランスエンジニアが案件を獲得する過程で、相手の立場を尊重する態度は必須です。例えば、連絡がない状況での過度なメール送信など、一方的なコミュニケーションは避けるべきでしょう。これらの行為は相手に不快感を与え、プロフェッショナルとしての印象を損ねる可能性があります。
もしアプローチしても反応が得られない場合は、その企業への営業をいったん停止し、ほかの機会を模索することが賢明です。
ビジネスマナーの基本、例えば礼儀正しい言葉遣いや適切な服装も、信頼関係を築く上で欠かせない要素です。熱意は大切ですが、それが相手に迷惑をかける形になってはなりません。長期にわたる成功を目指すフリーランスエンジニアにとっては、相手の立場に立った営業が、信頼と継続的な関係構築につながります。
フリーランスエンジニアの案件獲得にはエージェント活用がおすすめ
案件を獲得する方法は、求人への応募や知人からの紹介といった方法以外にも、勉強会に参加したりSNSを活用したりするといった、多くの選択肢があります。自分に合った営業方法を選択して、効率良く活動を行っていくとよいでしょう。
また、エージェントの利用も非常に有効な手段です。エージェントはフリーランスエンジニアのための案件獲得をサポートしており、クライアントとの交渉や条件の調整などを代行してくれます。これにより、エンジニアは営業活動にかける時間と労力を削減し、実際の開発作業やスキルアップのための学習に集中することができます。
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