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PM(プロジェクトマネージャー)は、プロジェクトの管理能力だけでなく、コスト管理やチームのコミュニケーション活性化など、多様なスキルを必要とします。しかし、これらのスキルは客観的に示すことが難しいため、プロジェクトマネジメントに関連する資格を取得しておくことで、案件獲得や昇進に有利となるでしょう。
本記事では、PM(プロジェクトマネージャー)が所有していると役立つ資格を幅広く解説します。
PM(プロジェクトマネージャー)が資格を取得すべき理由
プロジェクトマネジメントに関する資格を取得することは、これからPM(プロジェクトマネージャー)を目指す人にとっても、すでにPM(プロジェクトマネージャー)として活躍している人にも役立ちます。ここでは、PM(プロジェクトマネージャー)が資格を取得すべき理由を紹介します。
マネジメントスキルの証明になる
PM(プロジェクトマネージャー)に関連する資格を持つことは、プロジェクト管理のスキルや実力を示す客観的な証拠となります。資格取得には、プロジェクトを運営するために必要な広範な知識と技術の習得が不可欠です。資格を取得することで、計画性、問題解決能力、チームリーダーシップなど、PM(プロジェクトマネージャー)として重要なスキルを示すことに繋がります。
特に経験が浅いPM(プロジェクトマネージャー)やPM(プロジェクトマネージャー)へのキャリアアップを目指す人にとって、資格は自分のスキルを客観的に示す強力な手段となるでしょう。
年収アップにつながる可能性がある
PM(プロジェクトマネージャー)が資格を取得すべき理由のひとつとして、年収アップを期待できることが挙げられます。企業によっては、資格の取得を給与アップの条件にしていたり、手当を支給したりすることもあります。
さらに、資格は社内の昇進や人事評価だけでなく、転職市場においてもアピールポイントとなるでしょう。その結果、転職を通じて年収をアップさせられる可能性もあります。
ほかの資格試験の一部が免除になる
プロジェクトマネージャー(PM)が資格を取得すべき理由には、ほかの試験の一部が免除になることも挙げられます。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)では、応用情報技術者試験に合格し、プロジェクトマネージャ試験に合格かつ基準点以上の成績をとれば、情報処理技術者試験の高度試験と情報処理安全確保支援士試験の一部が免除されます。
PM(プロジェクトマネージャー)からのキャリアチェンジを考えている場合、さまざまな資格を保持しておくことが、新たなキャリアへの道を開くことになるでしょう。
プロジェクトマネジメントのスキルに役立つおすすめの資格
具体的にどういった資格を取得するべきなのでしょうか。ここでは、PM(プロジェクトマネージャー)のスキルを示すことに役立つおすすめの資格を4つ紹介します。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ資格は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催しているプロジェクトマネジメントに関する国家試験です。PMの業務における知識・スキルの証明ができます。試験は多肢選択式だけでなく、記述式、論述式の問題が含まれています。
合格率は例年15%前後と難易度は高めです。しかし、この試験に合格すればITストラテジスト試験やシステムアーキテクト試験など、IPAが主催しているそのほかの高度試験の一部が免除されるなど、ほかの資格を取得するチャンスが広がります。
PMP(Project Management Professional)資格
PMP(Project Management Professional)資格は、アメリカのPMI(Project Management Institute)本部が認定している国際資格です。PMPはデファクト・スタンダード(事実上の標準)として認知されている資格であるため、取得すれば海外でも活躍できるようになるでしょう。試験は、「人」に関する内容と「プロセス」に関する内容、さらに「ビジネス環境」に関する内容から出題されます。
なお、受験に際しては、一定の学歴と職歴の要件を満たす必要があります。例えば、4年制大学卒業(学士号または海外の同等資格)の場合、36ヵ月以上にわたる、一意かつ重複しないプロジェクトマネジメントの実務経験が必要です。さらに正式なプロジェクトマネジメント教育を35時間以上受ける必要があるので、留意しておきましょう。
P2M資格
P2M資格は特定非営利活動法人 日本プロジェクトマネジメント協会が主催する資格です。アメリカと欧州のプロジェクトマネジメント手法に、さらに日本的なものを加えた内容となっています。資格は内容・レベルごとに4段階あり、PMC資格試験、PMSプログラム資格試験、PMS資格試験、PMR資格試験に分かれています。
PMC資格、PMSプログラム資格試験、PMS資格試験の試験方法は4肢択一のテストです。上位のPMR資格試験では、論文、面接、ワークショップなどより実践的な内容となります。PMR資格試験まで取得すれば、ほかの筆記だけの試験と比べて、より実践的なスキルを持つことの裏付けにつながるでしょう。
PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)
PMOスペシャリスト認定資格は、一般社団法人 日本PMO協会が主催している、PMOの現場業務において習得すべき知識を確認し、それを認定する資格です。PMOとは「Project Management Office(プロジェクトマネジメントオフィス)」の略称で、その主な役割はPM(プロジェクトマネージャー)の業務をサポートし、企業内のプロジェクトマネジメントのルールや手順を標準化することです。この資格を取得することで、PMOとしての専門知識と能力を公的に示すことができます。
資格は(★)と(★★)の2つのレベルに分かれており、eラーニングとオンライン試験で資格の取得が可能です。
IT人材としてのスキルを証明するためのおすすめの資格
PM(プロジェクトマネージャー)の業務は、プロジェクトマネジメントだけでなく、IT分野の幅広いスキルが求められます。ここでは、IT全般に関わるスキルを裏付けるものとしておすすめの資格を4つ紹介します。
応用情報技術者
応用情報技術者は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している資格です。同じ協会が実施する基本情報技術者試験の上位に位置づけられる資格で、高度なスキルがあることを示します。
試験内容は、プログラミングなどの知識を問う「テクノロジ系」、プロジェクトマネジメントなどが出題される「マネジメント系」、企業活動やシステム戦略などが出題される「ストラテジ系」の3つの分野に分かれています。
試験は午前、午後の二部制で、午前の部は多肢選択式、午後の部は記述式です。プログラマーとしてのキャリアを数年積んだ方が対象とされています。
ITコーディネータ
ITコーディネータは、ITコーディネータ協会が主催する資格です。ITコーディネータとは、ITと経営の知識を用いて、経営に貢献できるITサービスの活用を支援する役割を指します。「IT」という技術的な側面の支援で終わるのではなく、「経営の支援」までサポートすることが特徴です。
試験には「ITコーディネータ試験」と「専門スキル特別認定試験」があり、「ITコーディネータ試験」は誰でも受験することができます。内容はIT経営推進プロセスガイドラインに関するものが主で、試験の形式はCBT方式(コンピュータを使用した受験)です。
ITストラテジスト
ITストラテジストは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)による、エンジニアの知識のみならずITを活用した経営コンサルの能力も問われる国家資格です。IT業界では非常に人気が高く、積極的に取得を目指したい資格です。
試験構成や出題形式については、プロジェクトマネージャ試験と同様で、選択式に加え、論述式の試験があります。テクノロジ系、ストラテジ系、マネジメント系と、分野も多岐にわたります。
アジャイルソフトウェア開発技術者
アジャイルソフトウェア開発技術者とは、アジャイル開発に対する正しい理解を広めるための資格です。そもそもアジャイル開発は、大きな単位でシステムを分けることなく、小さな単位で実装とテストを繰り返していく、現代的なシステム・ソフトウェア開発の手法です。
試験はLv.1とLv.2に分かれています。Lv.1試験では、アジャイル開発の基礎知識と実務経験にもとづく知識が主な出題内容です。一方、Lv.2試験はアジャイル開発におけるプロジェクト運用に不可欠な知識とスキルが問われます。どちらも多肢選択式で出題されます。
アジャイルソフトウェア開発技術者検定試験に合格すれば、開発分野での高い能力を示します。
案件獲得のためにもPMに関連する資格取得を考えよう
PM(プロジェクトマネージャー)は、プロジェクトの運営に重要な責任を持つ職種であり、問題解決スキルや管理能力のほか、コミュニケーション能力など多様なスキルが必要です。しかし、開発スキルなどと比べて抽象的なスキルが多く、実力を証明することが難しい職種といえます。その際に、プロジェクトマネジメント関連の資格を取得することは高いスキルを有していることの指標となり、年収アップや有利な転職につながる場合があります。高い実力を証明できれば、フリーランスとして自由に働くことも可能になるでしょう。
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