Kotlin(コトリン)とは?メリット・デメリットやJavaとの違い

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Kotlin(コトリン)は、スマートフォン向けアプリ開発をしたい技術者にとって、優先的に習得すべきプログラミング言語です。特にAndroidアプリケーションの開発で注目を集めており、Googleが公式に採用して以来、その人気と利用は急速に広がりました。

本記事では、Kotlinの特徴やメリット・デメリット、そして将来性について解説します。Kotlinに興味を持ち始めた方は、キャリアパスの参考にしてください。

KotlinとはGoogleが公式に推奨するプログラミング言語

Kotlin(コトリン)とは?メリット・デメリットやJavaとの違い

Kotlinは、JetBrainsが開発したプログラミング言語で、Androidアプリケーションの開発における公式言語のひとつです。JVM(Java仮想マシン)上で動作するオブジェクト指向言語で、Javaとの完全な相互運用性を持っています。これにより、JavaとKotlinが混在するプログラムを作成することが可能です。
主にAndroidアプリの開発に使用されており、Googleが公式に推奨する言語でもあります。Androidデバイスは世界中で広く普及しており、そのシェア率は約50%に達しているため、Android開発者にとってKotlinの習得は有利に働きます。

また、KotlinはWebアプリケーションやサーバーサイドの開発にも対応しており、バックエンドの開発やフルスタックエンジニアとしてのキャリアパスを広げることが期待できるでしょう。

Kotlinを利用するメリット

Kotlinを利用するメリットには、いくつかの重要なポイントが挙げられます。以下で詳しく解説します。

安全性が高い

Kotlinを利用するメリットのひとつは、予期せぬバグやシステムダウンなどの問題が発生しにくく、安全性の高いコードが書きやすい点です。産業利用に適した汎用言語として開発されており、不具合を引き起こしにくい構文が特徴です。

さらに、Kotlinには「Null安全」という特別な機能があります。Null安全とは、実行時にnullが原因でエラーが発生しないようにする仕組みです。Javaでよく見られるnull参照によるエラーを未然に防ぐことができるため、安全で安定したシステムの構築が容易になります。

Javaよりもコードを簡潔に書ける

KotlinはJavaに比べてコードが簡潔であり、記述がシンプルであるため、開発者にとって使いやすい言語であることもメリットのひとつです。Javaをベースにしながら、コードをシンプルでわかりやすくする改良が施されていています。その結果、同じ命令をJavaよりも少ないコードで記述できるため、プログラマーの負担が軽減され、開発の工数も削減されます。

さらに、Kotlinの構文や文法はシンプルで、Javaよりも習得しやすい点も特長です。初心者でも取り組みやすく、学びやすい言語といえるでしょう。シンプルで直感的な文法を持ち、Javaに比べて少ないコード行数で同じ機能を実装できるため、開発スピードが向上します。

Javaとの互換性があり、移行しやすい

Javaのコードをそのまま利用できるため、既存の資産を活用しながらKotlinへ移行できることは大きなメリットといえます。KotlinはJVM(Java仮想マシン)上で動作するオブジェクト指向言語であり、Javaと互換性があります。そのためJavaとKotlinが混在するプログラムを作成でき、既存のJavaプロジェクトに容易に統合することが可能です。

サポートが充実している

Kotlinは、開発元のJetBrainsとGoogleによって積極的にサポートされており、公式ドキュメントやコミュニティが充実しているというメリットもあります。Kotlinの公式サイトやそのほかの学習リソースも充実しており、初心者でも始めやすい環境が整っています。基礎から上級者向けのトピックまで網羅されているため、独学でも十分にKotlinを習得できる環境です。

学習コストがかかりにくい

Javaを扱うことができる開発者にとって、Kotlinの学習コストがかかりにくい点もメリットでしょう。言語仕様が似ているため、他言語よりも短期間で習得できます。また、Javaを扱っていない開発者にとっても、Kotlinはコードを簡潔に書けて、サポートが充実していることから学習のハードルも高くありません。

Kotlinを利用するデメリット

Kotlinを利用するデメリットとしては、以下の2点が挙げられます。それぞれについて詳しく解説します。

日本語の情報が少ない

Kotlinを利用するデメリットのひとつは、比較的新しい言語であるため、日本語の情報が限られている点です。特に技術的な問題を解決する際には英語のリソースに頼る必要があり、英語力が求められることがあります。ただし、GoogleはAndroidデベロッパー向けに日本語でKotlinの学習環境やオンライン学習コースを提供しているため、Kotlinの初学者にとっては大きなデメリットにはならないでしょう。

活用シーンがJavaよりも限られている

Kotlinの活用シーンは、Javaと比べると限定的であることもデメリットです。Javaは1995年に登場し、長い歴史を持つプログラミング言語で、幅広い分野での利用実績があり、企業や開発者コミュニティにおいても広く普及しています。一方、Kotlinは比較的新しい言語であり、普及度はJavaに比べると低いのが現状です。

Kotlinは主にAndroidアプリ開発で利用されており、Googleが公式にサポートしているため、Android開発においては有用です。しかし、Android以外の分野での利用事例はまだ少なく、基幹システムや大規模なWebアプリケーションの開発においては、Javaほどの実績はありません。

JavaとKotlinの違い

JavaとKotlinは互換性があり、多くの点で似ていますが、いくつかの大きな違いもあります。その違いについても見ていきましょう。

開発分野

JavaとKotlinの開発分野の違いは、得意な開発分野です。Javaは基幹システムや、ウェブアプリケーション、ソフトウェア開発、Androidアプリなど広範な開発分野で使用されます。一方、Kotlinは主にAndroidアプリ開発で使用されますが、近年ではWebアプリケーションやサーバーサイドの開発にも活用範囲が広がってきました。

学習難易度

JavaとKotlinの学習難易度には違いがあり、KotlinのほうがJavaよりも難度が低いとされています。Javaは文法やルールが多く、コードの記述量も多いため、初心者にとっては学習のハードルが高く感じられるでしょう。特にオブジェクト指向の概念を理解するのが難しいとされています。
一方、Kotlinはより簡潔で直感的な文法を持っているため、学習コストがJavaよりも低いといわれています。Javaを学んだことがある人にとっては互換性もあるため、Kotlinの習得は比較的容易です。

求人件数

JavaとKotlinは、求人件数の多さが圧倒的に違います。Javaは多くの企業で採用されているため、求人件数も豊富です。一方で、Kotlinは主にAndroid開発に特化しているため、求人件数はJavaほど多くはありませんが、今後の需要増加が期待されます。
PE-BANKが公開している案件数も、現在Javaは1700件以上、Kotlinは100件以上掲載されています(2024年8月現在)。

Kotlinの将来性が期待できる理由

Kotlinの将来性は明るく、特にAndroidアプリ開発において重要な役割を果たし続けるでしょう。以下の理由から、Kotlinは将来性が期待される言語です。

Androidシェア率が高い

世界的に見てもAndroidのシェア率は非常に高いため、Androidアプリ開発の主要な言語であるKotlinの将来性は高いといえます。公正取引委員会の「モバイルOS等に関する実態調査報告書」によると、日本においてもシェア率は53.4%(2022年時点)に達しています。

また、Googleが公式にKotlinを推奨していることにより、企業はKotlinを使用したプロジェクトを積極的に進めるようになり、開発者にとってもKotlinの需要は高まり続けています。

日本における利用端末台数ベースのAndroid・iPhone(iOS)別のシェア

日本における利用端末台数ベースのAndroid・iPhone(iOS)別のシェア

※参考元:公正取引委員会「モバイルOS等に関する実態調査報告書」(2023年2月発表)

IT人材不足により需要が高い

IT業界全体の傾向として人材の不足があるため、Kotlinを含む先進的なプログラミングスキルを持つ人材の需要は今後も増加すると予想されます。

経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、IT人材の不足が深刻化する見込みです。2015年の人材不足は約17万人でしたが、2030年には約59万人にも及ぶとされています。ITエンジニアは、現代の技術依存が高まる社会において、ますますその需要は高まっていくでしょう。

今後のIT人材の不足状況

今後のIT人材の不足状況

※参考元:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」(2016年6月発表)

Android開発の案件数が豊富で単価も高い

Kotlinを使用したAndroid開発案件は増加しており、1案件あたりの単価も50万〜120万円と高水準です。そのため、Kotlinを習得することで、継続的に高収入を得られる可能性があります。

さらに、Kotlinはフルリモートや高単価の案件も多く、柔軟な働き方が実現可能です。Kotlinのスキルを磨くことで、エンジニアとしての市場価値を一層高めることができるでしょう。

Kotlinを積極的に習得して案件獲得につなげよう

Android開発で活躍したい技術者にとって、Kotlinは優先的に習得すべき言語です。比較的新しい言語であり、情報が少ないというデメリットもありますが、Kotlinは学習コストが低く、開発効率が向上するため、多くの企業で採用が進んでいます。Googleが公式にサポートしているため、Kotlinの将来性はあると予想されています。フリーランスとしての案件も豊富であり、これからスマートフォンアプリの開発者を目指すなら、Kotlinを習得しておくことが大きな強みとなるでしょう。

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