フリーランスエンジニアが年収1,000万円を目指すには?

フリーランスエンジニアの中には、年収1,000万円を目標に掲げる方も多いのではないでしょうか。会社員と比べて収入の上限がないぶん、スキルや働き方次第で高収入を実現できるのがフリーランスの魅力です。しかし、実際に年収1,000万円を達成している人は一部であり、戦略的なスキルアップや案件獲得、収支管理が必要不可欠です。
本記事では、以下のような疑問を持つ方に向けて、年収1,000万円への具体的なステップを解説します。
フリーランスエンジニアの年収1,000万円は現実的か?
フリーランスエンジニアとして年収1,000万円を目指すことは、決して不可能ではありません。しかし、現実としてどの程度の人がそれを達成しているのか、また、どのような条件がそろえば達成できるのかを正しく理解することが重要です。

フリーランスエンジニアの年収水準は年々変化しています。Relanceが2024年3月に実施した「【2024年版】フリーランスエンジニア白書」の調査によると、フリーランスエンジニアの平均年収は約632万円でした。
最も多い層は「500万円以上800万円未満」(27.1%)、次いで「300万円以上500万円未満」(25.8%)です。
また、年収1,000万円を超えているフリーランスは全体の約14%程度という結果となっており、2022年のデータと比べて高収入層の割合が増加しています。
この背景には、クラウド化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、ITエンジニアの需要と単価が上昇していることが影響していると考えられます。
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年収1,000万円超えのフリーランスの実態
実際に年収1,000万円を超えているフリーランスエンジニアには、いくつかの共通点があります。
まず、高単価の案件を獲得するには、AWS(Amazon Web Services)やGoogle Cloud Platformに代表されるクラウド技術、人工知能や機械学習、Salesforceなどの業務系システムに関するスキルが求められます。さらに、上流工程の経験を持っていることも大きな強みといえるでしょう。
また、複数案件を掛け持ちしたり、長期契約によって安定した収入を確保したりといったリスク分散の工夫も見られます。単価交渉や契約更新などの営業活動にも積極的で、みずから収入をコントロールする力に長けていることが特徴です。
加えて、健康管理やスケジュール管理にも注意を払い、長期間にわたって高い生産性を維持するための基盤を持っている点も共通しています。
1,000万円を稼ぐITエンジニアは、どのような職種に就いているのか
フリーランスエンジニアとして年収1,000万円を目指す上で、どのような職種に就くかは非常に重要な要素です。実際に高年収を得ている人の多くは、企業に対して「技術+付加価値」を提供できる職種に従事しています。
以下の表は、年収1,000万円以上を実現しやすい代表的な職種です。
■年収1,000万円以上を実現しやすい代表的な職種
| 職種 | 内容 |
|---|---|
| ITコンサルタント | システムだけでなく、経営課題や業務改善にまで踏み込んだ提案を行う職種 |
| プロジェクトマネージャー(PM) | プロジェクト全体を統括し、スケジュール・人員・品質を管理する役割 |
| 機械学習エンジニア | AIモデルの設計・開発・チューニングなどを担当し、大量のデータを活用して予測や分類を行う職種 |
| テックリード/アーキテクト | 開発チームの技術的リーダーとしてシステム設計や技術選定を行う職種 |
フリーランスエンジニアが年収1,000万円を目指す方法
年収1,000万円を超えるフリーランスITエンジニアになるためには、技術力の向上に加えて、自己管理能力や継続的な価値提供が必要です。
以下では、スキルの深掘りや健康管理など、年収1,000万円を達成・維持するために意識すべきポイントを解説します。
高収入に結びつくスキル
年収1,000万円を達成しているフリーランスの多くは、次のようなスキルセットを持っています。
<高収入につながるスキルセット>
・クラウド環境の設計・構築スキル(Amazon Web Services、Google Cloud Platformなど)
・人工知能(AI)や機械学習の実装経験
・SAPシステムやSalesforceなどの業務系ツールの導入経験
・要件定義・システム設計など上流工程のスキル
・チームやプロジェクトのマネジメント経験
これらのスキルは、企業の課題解決に直結しやすく、高単価案件につながる要因です。
また、言語別で見ても、GoやScala、Pythonなど先端技術分野に用いられる言語の経験があるエンジニアほど、市場価値が高まりやすい傾向があります。
継続的に稼ぐための営業力・交渉力
高収入を維持するには、「案件を取る力」も不可欠です。年収1,000万円超のフリーランスには、以下のような共通する特徴があります。
<年収1,000万円を継続するフリーランスに共通する特徴>
・継続的な営業活動(直接営業や人脈活用)
・エージェントサービスの併用による効率的な案件獲得
・契約更新や単価アップの交渉に積極的
・自分の市場価値を客観的に理解し、適正価格で受注
特に、営業が苦手な方は、PE-BANKのようなエージェントを活用することで、案件獲得から契約交渉までをサポートしてもらう方法が有効です。
働き方と自己管理への意識
高収入を持続する上で、自己管理能力も欠かせません。フリーランスは労働時間も環境も自由度が高い一方で、生活リズムや体調の管理が不十分だと、パフォーマンスの低下を招き、収入にも影響が及びます。
安定して成果を出し続けるために、以下のような点を日頃から意識することが大切です。
<高収入を継続するために意識したいこと>
・タスクとスケジュールの計画管理
・睡眠や運動、食事など健康維持の習慣
・オンとオフの切り替えを意識し、生活のバランスを保つ
・メンタルの安定やストレス対処法の確立
長期間にわたって安定的に働くためには、こうした土台となる習慣が非常に重要です。
高単価案件を探して獲得する方法
フリーランスエンジニアとして年収1,000万円を実現するには、単価の高い案件を継続的に受注することが必要です。スキルや経験が十分でも、適切な営業手段を取らなければ高単価案件にはつながりません。ここでは、高単価案件を見つけて獲得するための2つの方法をご紹介します。
直接営業や人脈を活用する
フリーランスが自身で営業を行い、企業と直接契約を結ぶ方法は、仲介手数料が発生しないぶん、収益性が高くなります。
技術系コミュニティサイトやSNSで日頃から情報発信を行い、自分の専門性をアピールしておくことで、企業側からのオファーにつながるケースもあります。特にXやQiita、noteなどを活用した技術発信は効果的です。
また、過去の職場や開発仲間など、既存の人脈を活かした紹介も有効です。紹介案件は信頼関係がある状態での契約となるため、単価が高く、長期的な継続につながる可能性が高くなります。
エージェントサービスを活用する
営業や契約交渉に自信がない場合や、案件探しにかける時間がない場合は、フリーランス専門のエージェントサービスを活用するのも非常に有効です。
フリーランス向けエージェントは、スキルや希望条件に合った案件を紹介してくれるだけでなく、単価交渉や契約手続き、確定申告などのサポートも行ってくれます。
株式会社PE-BANKが運営する「PE-BANK」は、全国に拠点を持ち、地方在住の方でも面談・案件紹介を受けられる体制を整えています。専属の担当者がつき、条件交渉や働き方の相談にも親身に対応してくれるため、初めてフリーランスとして独立する方でも安心して利用可能です。ぜひ活用をご検討ください。
フリーランスエンジニアの節税対策
年収が増えるにつれて、所得税、住民税、個人事業税、国民健康保険料、国民年金保険料などの負担も大きくなります。
特に年収1,000万円を超えるような水準では、こうした税金・社会保険料の総額が無視できない金額になり、手取りは全体の60〜70%程度にとどまるケースもあります。
フリーランスとして安定した収入を維持するためには、効果的な節税手段を理解し、適切に実践することが重要です。
ここでは、代表的な4つの対策について紹介します。
青色申告特別控除を活用する
フリーランスとして開業届を提出した上で、税務署に「青色申告承認申請書」を提出し承認を受けると、最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。なお、65万円の控除が適用されるには、複式簿記による帳簿の作成やe-Taxでの申告など、一定の要件を満たすことが必要です。帳簿作成には多少の手間がかかりますが、クラウド会計ソフトを使えば負担を軽減できます。
また、青色申告を行うことで、赤字を3年間繰り越して翌年以降の黒字と相殺できる純損失の繰越控除や、事業に従事する配偶者・家族に対する給与を経費にできる青色事業専従者給与など、税制上のメリットがあります。
経費を正しく計上する
業務に必要な支出、例えばパソコン、ソフトウェア、通信費、書籍代、コワーキングスペースの利用料などは、必要経費として申告可能です。
プライベートとの区別を明確にし、領収書や記録を正確に残しておくことで、税務署からの指摘を防ぐとともに、適切に所得を圧縮できます。
小規模企業共済や個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用する
将来の備えとしても節税対策としても活用できるのが、小規模企業共済や個人型確定拠出年金(iDeCo)です。いずれも掛金が全額所得控除の対象となるため、課税所得を大きく減らすことができます。
特に年収が高くなればなるほど、これらの控除の恩恵は大きくなります。余裕がある場合は早めに加入を検討するとよいでしょう。
一定の収入を超えたら法人化を検討する
フリーランスとしての年収が1,000万円を超える水準になると、法人化も視野に入ってくるでしょう。法人税率は一律23.2%となっており、個人の所得が900万円を超えると所得税率が法人税率を上回るため、法人化することで節税メリットが出てきます。
また、法人名義での契約が可能になることで、社会的な信用力が上がり、大企業との取引がしやすくなるといった副次的なメリットもあります。
年収1,000万超えの道のりを理解して行動しよう
フリーランスエンジニアとして年収1,000万円を目指すことは、決して夢物語ではありません。ただし、スキルや経験を積むだけでなく、継続的な学習や営業活動、そして自己管理も欠かせない要素です。
まずは、自身のスキルと市場ニーズを照らし合わせながら、高単価が期待できる分野に特化することが第一歩です。さらに、ポートフォリオや実績を整備し、自分を「売れるエンジニア」としてブランディングしていくことも欠かせません。
また、安定した案件獲得のためには、PE-BANKのような信頼できるフリーランスエージェントを活用するのも非常に有効です。専門コンサルタントの支援を受けながら、営業・交渉・契約管理などの負担を軽減し、自分のスキルを最大限に活かす環境を整えましょう。
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