PM(プロジェクトマネージャー)のキャリアパスと必須スキルを紹介

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近年、IT技術の発展や社会環境の変化に伴い、PM(プロジェクトマネージャー)の需要はますます高まっており、そのキャリアパスも多様化しています。プロジェクトマネージャーは、技術的な知識だけでなく、チームのリーダーシップ、コミュニケーション、問題解決能力など、多岐にわたるスキルが求められるため、高い専門性と多様な経験が必要です。

本記事では、プロジェクトマネージャーのキャリアパス、仕事内容、そして各段階で必要となる必須スキルについて詳しく解説します。さらに、プロジェクトマネージャーとしての市場価値を高める方法も紹介するので、プロジェクトマネージャーからキャリアアップを目指す方はぜひ参考にしてください。

プロジェクトマネージャーの仕事内容とは?

PM(プロジェクトマネージャー)のキャリアパスと必須スキルを紹介

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトを計画通りに進める責任者です。具体的には、以下のような業務を担当します。

<プロジェクトマネージャーの主な業務>
・クライアントとの調整・交渉
・プロジェクトの目標設定、開発計画の策定
・開発環境の準備
・人員の編成
・スケジュール、予算管理
・開発中の進捗管理
・関係者とのコミュニケーション
・リスク管理
・品質管理
・プロジェクト完了後のレビュー

開発計画にもとづいてプロジェクトの立ち上げから、その計画の実行に必要な人員やリソースを調達し、プロジェクトの体制を作ります。プロジェクトが円滑に進行するように全体の管理をしながら、顧客との折衝も同時に行います。組織内の調整役でもあり、問題解決のプロフェッショナルともいえるでしょう。納品物が高い品質を確保しているか、予算内に費用・経費を収められたかなど、これらはすべてプロジェクトマネージャーの能力にかかってきます。

多岐にわたる業務をこなすため、プロジェクトマネージャーは開発スキルだけでなくマネジメントスキルや交渉のスキルなどが高いレベルで必要です。

プロジェクトマネージャーの将来性

現代社会において、デジタル化が進むにつれ、IT人材への需要は急速に高まっています。経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では、今後ますますIT人材不足が深刻化すると発表されました。調査によると、2015年の人材不足は約17万人でしたが、2030年には約59万人にも及ぶとされています。
そのため、IT人材、特にプロジェクトの管理と運営ができるプロジェクトマネージャーには、将来性があるといえるでしょう。

今後のIT人材の不足規模

今後のIT人材の不足規模

プロジェクトマネージャーのキャリアパスにおける必須スキル

プロジェクトマネージャーとして活躍するために必須となるスキルは、主に以下の9つが挙げられます。現時点でそのスキルを満たしていなくても、プロジェクトや現場経験を通して培っていくことが重要です。

問題解決スキル

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトで発生する多くの問題を解決するスキルが求められます。問題解決スキルは、実際にさまざまなプロジェクトを経験し、さまざまな課題に対峙することで磨かれていきます。トラブルや問題の責任者のポジションであるプロジェクトマネージャーにとって、問題解決スキルは、必須といえるでしょう。プロジェクトマネージャーは問題を迅速かつ的確に分析し、解決策を導き出す必要があります。

管理能力

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトのスケジュール、予算、タスクなどを効率的に管理し、品質を確保する管理能力が必要です。管理能力がなければ、計画通りにプロジェクトを進めることが困難となるでしょう。中でもスケジュールと予算管理は、プロジェクトの成功に直結します。無理のないスケジュールで、予算は適正であることが重要です。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、プロジェクトマネージャーのみならず、キャリアのどのフェーズにあっても重要です。コミュニケーションスキルといっても幅広い意味を含みますが、例として以下が挙げられるでしょう。

<主なコミュニケーションスキルの種類>
・傾聴力
・説明力
・他者との調整

責任者としてプロジェクトに関わる人たちと良好な関係を築く必要があり、大規模なプロジェクトになるほど高度なスキルが要求されます。

ビジネス・開発スキル

ビジネス・開発にかかわる総合的な知識も、プロジェクトマネージャーにとって不可欠です。プロジェクトマネージャーは管理する立場であるため、実際に開発に携わることは多くありません。しかし、どの場面においても開発についての豊富な知見は必要です。例えば、開発計画にもとづいてプロジェクトの実行計画を作成する際にも、開発に関する知見がなければ必要な人員を調達することも、スケジュールを策定することもできません。

なお、IT業界の進歩は速く、トレンドの開発言語や開発手法が大きく変わることはよくあります。最新の技術を習得し続けることは開発スキルの向上に役立ちます。

ドキュメントスキル

プロジェクトでは、多くのドキュメント作成が必要になるため、プロジェクトマネージャーにはドキュメントスキルも重要です。小規模のプロジェクトであれば簡略化する文書もありますが、スケジュール表や要件定義書、クライアントへの成果物説明文書などはどんなプロジェクトであれプロジェクトマネージャーが作成します。チームメンバー間でプロジェクトに対する認識にズレがあると、余計な工数がかかることになりかねません。そのため、認識のズレを防いで開発効率をアップさせるためにも、以下のようなドキュメントの作成スキルが必要です。

作成スキルが求められるドキュメント例

ドキュメント例 内容
スケジュール表 プロジェクト全体スケジュールを、カレンダーもしくはガントチャートの形式で作成する
要件定義書 システム開発の合意内容がまとめられた書類で、業務要件やシステム要件、機能要件などを記載する

なお、必要なドキュメントスキルは、クライアントのニーズやプロジェクトの規模によっても変わります。

人間関係構築力

プロジェクトマネージャーは、コミュニケーションスキルとも深く関わりますが、クライアントやチームメンバーとの信頼関係を築き、協力体制を構築する必要があります。プロジェクトの組織づくりも重要ですが、経営層やそのほかステークホルダーとも良好な人間関係を構築しなければなりません。
論理的・戦略的なコミュニケーションだけでなく、日頃から積極的に関わる姿勢も重要になるでしょう。

マネジメントスキル

プロジェクトマネージャーには、もちろんマネジメントスキルも重要です。マネジメントスキルといっても、人員のマネジメントだけにとどまりません。以下の6つのマネジメントがあります。

マネジメントスキルの種類

種類 内容
タイムマネジメント 開発プロジェクトに必要な時間を計画的に見積もり、スケジュール通りに開発を進める
コストマネジメント 予算内に収めるために必要なコストを計画的に見積もり、コスト管理や削減をする
リスクマネジメント プロジェクトの成功確率を高めるため、プロジェクトにおけるリスクを特定、分析、対応計画の策定、コントロールする
スコープマネジメント プロジェクトの成果物やタスクを明確化し、考えられるリスクを想定して確実に完了できるようにプロセスを作る
人的資源マネジメント プロジェクトに必要な人材を計画的に確保・育成・配置し、高いパフォーマンスを発揮できる環境を整える
品質マネジメント 開発プロセス全体を通して、製品・サービスの品質を計画的に管理し、向上させる

プロジェクトマネージャーを経てPMOや経営層へのキャリアアップを検討しているなら、これらのスキルを磨くことが大切です。人材・モノ・時間の管理手腕次第で、利益や顧客満足度が大きく変わることもありえます。

論理的思考力

プロジェクトマネージャーは問題や課題を論理的に分析し、矛盾がないように結論を出すことが問われることがあるため、論理的思考力(ロジカルシンキング)が必要です。開発現場は判断の連続です。筋道が通っていない意見ではチームに受け入れられることは難しいでしょう。

論理的思考が苦手な人には「帰納法」「演繹法」「弁証法」といった手法が役立ちます。また、「ピラミッドストラクチャー」「ロジックツリー」といった代表的なフレームワークを習得し、日常の業務や意思決定プロセスに取り入れることで、論理的思考力を高めることができます。

ネゴシエーションスキル

ネゴシエーションスキルは、「交渉・折衝」を行うスキルです。プロジェクトマネージャーは、クライアントや関係者との交渉を円滑に進め、合意形成を図る必要があります。プロジェクトの現場では、利害の不一致から衝突が起きる場合もあるでしょう。そのような状況では、交渉や折衝を行う「ネゴシエーションスキル」がカギとなります。双方の主張の落としどころを見つけることができれば、プロジェクトを円滑に進めやすくなります。

プロジェクトマネージャーまでのキャリアパス

プロジェクトマネージャーになるための明確な道はありませんが、一般的には以下のキャリアパスをたどることが多いといわれています。

プロジェクトマネージャーまでのキャリアパス

プロジェクトマネージャーまでのキャリアパス

経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によれば、プロジェクトマネージャーの平均年収は、891万5,000円となっています。同じデータでは、エンジニア・プログラマーの平均年収は592万2,000円などとなっていて、キャリアアップにつれて大幅に年収が上がることが魅力です。

プログラマー

プロジェクトマネージャーを目指す上で、まずはプログラマーとして強固な技術基盤を築くことが必要です。具体的にはプログラミング言語、システム設計、チーム開発といったスキルです。
これらのスキルは、プロジェクトマネージャーとしてプロジェクトを計画・管理する上で必要不可欠となります。

システムエンジニア

システムエンジニアは、システム全体の基本設計や管理を担当します。プログラミングだけでなく、システム設計、プロジェクト管理、チームリーダーシップなど、多岐にわたる専門知識とスキルが問われるでしょう。
プロジェクトリーダーへステップアップするためにも、技術的なスキルだけでなくリーダーシップを取れるようになることが必要です。

プロジェクトリーダー

プロジェクトリーダーには、プロジェクトの指揮を執り、チームをまとめるリーダーシップが必要です。プロジェクトリーダーになれば、要件定義、プロジェクト進行、進捗管理などプロジェクト全体の管理経験を積むこともできます。プロジェクト進行におけるさまざまな問題を解決する能力を磨き、リスク管理スキルを向上させましょう。

プロジェクトマネージャーからのキャリアパス

プロジェクトマネージャーとして経験を積んだあとには、さまざまなキャリアパスを開拓できるようになります。以下に、代表的な6つのキャリアパスを紹介します。

CIO(Chief Information Officer)

CIOは、企業のIT戦略を立案・実行し、情報システム全体の統括責任者を担う役職です。経営層の一員として、情報技術を核に企業のイノベーションを推進します。

CTO(Chief Technology Officer)

CTOは、企業の技術部門の責任者です。企業の技術戦略を立案・実行し、技術部門を統括します。新技術の導入や研究開発を推進し、企業の競争力強化に貢献します。

CDO(Chief Data Officer)

CDOは、最高データ責任者です。企業のデータ資産を管理・活用し、データにもとづいた意思決定を推進します。データ分析やビッグデータ活用を通じて、新たなビジネスチャンスを創出します。

PMO(Project Management Office)

PMOは、組織全体のプロジェクトマネジメント活動を支援役です。プロジェクト標準化やテンプレート作成、プロジェクトマネージャーの育成などを行います。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、企業のIT課題を分析し、解決策を提案するプロフェッショナルです。プロジェクトマネジメントスキルに加え、コンサルティングスキルやコミュニケーションスキルが求められます。

フリーランスのプロジェクトマネージャー

フリーランスのプロジェクトマネージャーは、複数の企業からプロジェクトを受託し、独立して活動します。高いスキルと実績が求められますが、時間や場所に縛られない自由な働き方が可能です。

プロジェクトマネージャーとして市場価値を高めるには?

プロジェクトマネージャーからキャリアアップするには、自身の市場価値を高めることが必要です。そのためには、以下の方法を検討してみましょう。

あなたを高く評価する企業に転職する

プロジェクトマネージャーの需要が高い企業や、将来のキャリアパスが明確な企業に転職することで、スキルアップの機会が得られます。自分のスキルや経験が評価され、キャリアアップにつながる企業を選ぶことが重要です。

優秀なエンジニアと情報交換する

エンジニアと積極的に情報交換することで、最新の技術動向や開発手法を学ぶことができるでしょう。最新の技術や開発手法の知識は、チームの生産性を向上させ、プロジェクトの成功率を高める上で不可欠です。

大規模プロジェクトを経験する

大規模プロジェクトを成功に導いた経験は、プロジェクトマネージャーとしてのスキルと実績を証明になります。また、異なる業界やプロジェクトでの経験を積むことで、より幅広い知識とスキルを身につけることができます。

フリーランスのプロジェクトマネージャーとして経験を積む

フリーランスのプロジェクトマネージャーは案件数も多く、規模もさまざまです。多くのプロジェクトに参画することで、幅広い経験とスキルを習得することができるでしょう。

プロジェクトマネージャーの先を見据えて、市場価値を高めよう

プロジェクトマネージャーは需要が高く、高いスキルが求められるポジションです。プロジェクトマネージャーは求められるスキルの高さから希少性があり、報酬や給与も高水準です。
フリーランスのプロジェクトマネージャーは案件数も多く、人材不足の影響がうかがえます。企業でプロジェクトマネージャーを担うこともできますが、フリーランスとして独立し、より自由度の高い働き方を選択することも可能になるでしょう。

自身のキャリアプランに合わせて必要なスキルを習得し、経験を積み重ねることで、プロジェクトマネージャーとして活躍できるだけでなく、将来の可能性を広げることもできます。

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