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3Dプリンタは作れる! -オープンソース3Dプリンタのススメ-

3Dプリンタはオープンソースだから作れる!

みなさんこんにちは。PE-BANKのプロエンジニア・藤井光晃と申します。

私は月に一度、PE-BANKにて3Dプリンタの組み立て・活用をお伝えする「自作3Dプリンタ勉強会」の講師をさせていただいております。
この勉強会は講義形式で勉強する回と、実際に3Dプリンタのキットを皆さんが購入して会場に持ち込み、講師がサポートしながら組み立てていくワークショップの回がありご好評いただいております。

本連載ではその経験を活かして3Dプリンタの自作についてどんな感じか大まかにお伝えすると共に、良さ・悪さ・楽しさをお伝えできればと思っています。

私も過去にいくつか3Dプリンタを組み立てました

3Dプリンタ

<キットから作った Kossel>

私も過去にいくつか3Dプリンタを組み立てました。
キットを購入して組み立てたものや、パーツをバラバラに購入して組み立てたり方法はいろいろです。

キットはいくつかのタイプを購入しましたが、その中で動きが面白いのはKosselというデルタ型の3Dプリンタです。
これを作ったときは3Dプリンタの組み立てが初めてだったので、精度の調整には手間がかかりました・・・・
ですが手間をかけた分、愛着が湧いてきます。

3Dプリンタから3Dプリンタのパーツが作れるのですが、このKosselを使ってPrusa i3というモデルの3Dプリンタのパーツを出力したりしています。
自分で組み立てた3Dプリンタが動いて、何か出力できたのときの感動はひとしおです!

3Dプリンタで出力した3Dプリンタのパーツ

<3Dプリンタで出力した3Dプリンタのパーツ>

最近3Dプリンタが安くなり普及価格帯になってきています

3Dプリンタが一般向けに発売され手にできるようになってからしばらく経ちました。

いまや市販の3Dプリンタもいろいろなメーカーから発売され、バラエティに富んでいます。

最も一般的な3Dプリンタは熱溶融積層法(FDM)を用いたもので、樹脂を熱で溶かし、ノズルを機械制御で動かしながらアイスクリームを絞り出すようにして造形するものです。


また、執筆時点では安いものだと3万円台からと、価格も急速に下がり入手しやすくなっています。
またAliExpressなどで海外から組み立てキットを購入した場合は2万円前半で1kgのフィラメントがついたものを入手することができます。

しかし、どうしてこんなにたくさんのメーカーから発売され、急速に価格が下がったのでしょうか?
考えられる一番の理由としては、熱溶融積層法を用いた3Dプリンタがオープンソースで開発されていることが挙げられます。

これは意外と知られていませんが、熱溶解積層法の3Dプリンタを作るためのハードウェアの設計や部品のCADデータ・ファームウェアにいたるまで、すべてフリーで公開されています。

オープンソースな3Dプリンタ「RepRap」

「RepRap」はAdrian Bowyer氏がつくったオープンソースな3Dプリンタを作るプロジェクトです。

「自己増殖性(self-replicating)」があるのが特徴で、3Dプリンタの部品を3Dプリンタで作ることができます。
また一般的に売られていて入手性が高い部品を使って作れるのも特徴で、電源・基板・ステッピングモーターなどAmazonで容易に手に入るものでもつくり上げることができます。

このプロジェクトを中心に様々な3Dプリンタが開発され、市販の3Dプリンタの多くはRepRapをベースまたは参考に作られている場合が多いと思われます。

RepRapはRepRap.orgを中心に情報が公開されており、英語ではありますが様々なモデルの3Dプリンタを組み立てるための情報を得ることができます。

RepRap.orghttp://reprap.org/wiki/RepRap


このサイトは一部、日本語版もありますが古かったり、情報が少なかったりなので英語で読むことをおすすめします。

RepRapで公開されている3Dプリンタはオープンソースで公開されているので、ライセンスに従えば使用料等も必要なく自由に作ることができます。

ここで確認できる3DプリンタのライセンスとしてはGPLが最も多く、次いでクリエイティブ・コモンズが多くなっており、オープンソースライセンスが採用されています。

RepRapはこのようにオープンソースで自由に作ることができるので、いろんなメーカーから組立済み製品や組み立てキットが発売されているというわけです。

いろんなメーカーがライセンス料なしに自由に販売できるし、市場で入手しやすい一般的な部品を組み合わせて作ることができるので、参入障壁が非常に低くなっています。その結果、競争が激化し価格が急激に下落するというわけです。

RepRapな3Dプリンタの組み立てキットが販売されています

RepRapの3Dプリンタについてはキットが多数販売されています。

日本のメーカーが出している3Dプリンタは少ないですが、海外製のキットは非常に多くの種類があります。

具体的にはAliExpress・eBay・Amazonなどで購入でき、価格も非常にリーズナブルです。

AliExpresshttp://ja.aliexpress.com/

eBayhttp://www.ebay.com

Amazonhttp://www.amazon.co.jp/

3Dプリンタのキットを購入されている方のHPなどをみると、AliExpressで購入されている方が非常に多いことがわかります。

中国のアリババグループが海外向けサイトとして出していて、世界のMakersの方々がここで購入されています。
圧倒的な品数に加えて、安さと品質のバランスがいいから選ばれているのだと思います。

3Dプリンタについても、eBayやAmazonにくらべて種類が多く、価格も安い場合がほとんどです。

まとめ

今回は、オープンソースだから3Dプリンタがいろんなメーカーから出るし、競争により価格も急激に下がって入手しやすくなっていることをお伝えしました。

次回は、「組立済み製品と組み立てキットどっちがいい?」ということで、自作する場合のメリット・デメリットについてお伝えしたいと思います。

藤井 光晃

藤井 光晃

PE-BANKで開催されている「自作3Dプリンタ勉強会」の講師。ここ数年はiOS/Androidのアプリ開発と講師をメインに活動しているフリーのソフトウェアエンジニア。技術に関しては雑食系で、過去には銀行向けの業務系システムや、DVD/カメラ向けファームを書いていたり、動画コーデックの研究開発とかもやっていた。動画情報サイトLaccel も運営している。10年くらいLinuxがメインOS。

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