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PyTorchとは?基本的な特徴やメリット、デメリットを解説

機械学習やディープラーニングに関心のあるエンジニアにとって、PyTorch(パイトーチ)は非常に重要なライブラリのひとつです。Meta(旧Facebook)のAI研究グループによって開発されたPyTorchは、柔軟な構造と直感的な記述が可能なPython向けのフレームワークとして、研究用途から実務まで幅広く利用されています。

本記事では、PyTorchの基本的な特徴やメリット、デメリットをはじめ、ほかの機械学習ライブラリとの違い、初心者が知っておきたい使い方のポイントを解説します。

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目次
・PyTorchとはMetaのAI研究グループが開発したPython向けの機械学習ライブラリ
・PyTorchのメリット
・PyTorchのデメリット
・PyTorchとほかの機械学習ライブラリとの比較
・入門者におすすめの学習方法
・PyTorchを習得してエンジニアとしての市場価値を高めよう

PyTorchとはMetaのAI研究グループが開発したPython向けの機械学習ライブラリ

PyTorchは、MetaのAI研究グループであるFundamental AI Research(FAIR)によって2016年に開発された、Python向けの機械学習ライブラリです。元々はLua言語ベースのTorchを起源とし、Python環境に最適化されたライブラリとして誕生しました。オープンソースとして提供されており、研究開発から実務レベルのシステムまで、世界中のエンジニアや研究者に広く利用されています。

PyTorchの最大の特徴は、define-by-run(動的計算グラフ)を採用している点です。これはコードの実行時に計算グラフを構築する仕組みで、処理の流れを柔軟に変更できるため、複雑なモデルの設計やデバッグがしやすいという利点があります。このアプローチは、define-by-runを採用しているTensorFlow(テンソルフロー)とは対照的です。

また、PyTorchはPythonのNumPyライブラリに似た操作感を持っており、Pythonに慣れているエンジニアであれば、比較的短期間で習得が可能です。さらに、GPUを用いた高速なテンソル計算をサポートしており、大規模なデータセットや複雑なニューラルネットワークのトレーニングにも対応できます。

このように、PyTorchは直感的で柔軟な設計と強力なパフォーマンスを兼ね備えたライブラリとして、機械学習、深層学習の分野で高い評価を得ています。

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PyTorchのメリット

Pytorchは機械学習ライブラリとして高く評価されています。ここでは、PyTorchのメリットについて解説します。

初心者にもわかりやすいコード構造

PyTorchは、Pythonに親しんだエンジニアであれば直感的に理解できるコード構造が特徴です。学習モデルの定義やデータ処理の記述もシンプルで、公式チュートリアルやサンプルコードを参考にしながらすぐに実装へ移ることが可能です。そのため、これから機械学習を学ぶ初心者にも適しており、初学者のステップアップに最適なライブラリといえます。

デバッグや検証がしやすい仕組み

PyTorchはdefine-by-runの設計を採用しているため、コードを実行しながら計算グラフを構築できます。この仕組みにより、コードの各ステップで変数の中身や動作を逐一確認でき、エラー発生時の原因特定や修正をしやすいのが特徴です。複雑なニューラルネットワークや変動する入力データを扱う際にも柔軟に対応できるため、開発や研究の効率が向上します。

活発なコミュニティと豊富な学習リソースなどの環境

PyTorchはグローバルで非常に活発な開発、利用コミュニティがあり、多くの学習リソースがオンライン上に公開されています。公式ドキュメントやチュートリアル、書籍、YouTube、Udemyなどのオンライン学習コンテンツに加え、QiitaやGitHubなどでも多数の実装例やノウハウが共有されており、困ったときに情報を得やすい環境が整っているのは、大きな安心材料です。

主要クラウドサービスへのとの親和性

PyTorchは、AWS(Amazon Web Services)、Google Cloud Platform、Microsoft Azureといった主要クラウドサービスとの親和性も高く、GPUインスタンスを用いた高速な学習環境を簡単に構築できます。クラウド上でのスケーラビリティや再現性の高い実験環境を実現できるため、実務での導入や大規模モデルの開発にも適しています。

PyTorchのデメリット

多くの利点があるPyTorchですが、すべてのケースにおいて万能というわけではありません。ここでは、PyTorchのデメリットについて正しく理解し、適切に活用するための視点を解説します。

日本語情報が少なく、英語ドキュメントを読む必要がある

PyTorchはグローバルで広く使われている一方で、公式ドキュメントや最新情報の多くが英語で提供されています。かつては日本語による解説が限られていましたが、2023年以降は国内エンジニアによる技術ブログや教材が増え、状況は大きく改善しています。
それでも最新の機能やエラー調査では英語の情報源が中心となるため、一定の英語読解力がないと学ぶのは容易ではありません。
特に研究論文や新機能を活用する場面では、英語での検索やドキュメント参照が欠かせないでしょう。

APIがやや低レベルで、細かい実装の理解が求められる

PyTorchは柔軟な設計を可能にする反面、提供されているAPIは比較的低レベルなものが多く、自分で細かい処理を実装する必要があります。そのため、機械学習や深層学習の基礎知識がある程度ないと、使いこなすのが難しいと感じることもあるでしょう。簡単なモデルであれば問題ありませんが、複雑な処理を行う際にはライブラリの内部的な理解が必要になります。

商用利用の実績も増えているが、導入や運用には一定の技術力が求められる

PyTorchは、TensorFlowのような運用支援ツールと比較すると、デプロイや運用フェーズにおけるエコシステムがやや限定的です。
そのため、商用システムでの本格導入には、自社環境に応じた設計やインフラ構築に関する技術的な検討が求められます。

とはいえ近年では、TorchServeやPyTorch Lightningなどのツールも登場し、商用利用のハードルは確実に下がりつつあります。実際、大規模企業やスタートアップを中心に、本番環境での活用事例も増加しています。

PyTorchとほかの機械学習ライブラリとの比較

機械学習、深層学習のフレームワークは多数存在し、それぞれに強みと用途があります。ここでは、特に比較対象として挙げられることの多いTensorFlow、Keras、NumPyといった主要ライブラリとPyTorchとの違いについて解説しますので、適切なライブラリを選ぶ判断材料にしましょう。

TensorFlowとの比較

TensorFlowはGoogleが開発した機械学習ライブラリで、PyTorchと並ぶ2大フレームワークのひとつです。最大の違いは、TensorFlowがdefine-and-run(静的計算グラフ)を採用しているのに対し、PyTorchはdefine-by-runを採用している点です。
なお、TensorFlowは2.x以降でEager Execution(動的実行)にも対応しており、用途に応じて静的、動的の両方を選択できるようになりました。

define-and-runは、モデル構造をあらかじめ定義してから実行するため、最適化やデプロイに強みがあり、商用システムや大規模な運用環境に適しています。一方、PyTorchは実行時に計算グラフを構築できるため、柔軟なモデル設計やリアルタイムでのデバッグが可能で、研究開発やプロトタイピングに向いているといえるでしょう。

また、TensorFlowはTFLiteやTensorFlow Servingなど豊富なツール群を提供しており、モバイルやクラウド環境への展開にも強みがあります。対してPyTorchは、より直感的でPythonらしいコードが書ける点で、学習コストが低く、エンジニアにとって扱いやすいというメリットがあります。

Keras、NumPyとの比較

Kerasは高レベルAPIとして設計された機械学習ライブラリで、TensorFlowやTheanoなどのバックエンド上で動作します。コードがシンプルで読みやすく、短時間でモデル構築ができるため、初心者にとって非常に使いやすい一方、柔軟性や処理速度では制約がある場面もあります。

一方、NumPyは数値計算のためのPythonライブラリであり、テンソル操作や数学的処理に強みを持つライブラリです。PyTorchはこのNumPyに似た操作性を持ちつつ、GPUによる高速処理や自動微分機能を備えており、より高性能な計算やモデル学習が可能です。実際、PyTorchのテンソルはNumPyの配列と相互変換が可能で、違和感なく使い分けることができます。

入門者におすすめの学習方法

PyTorchは多機能で柔軟性の高いライブラリですが、そのぶん学習には一定の時間と労力が必要です。効率的にスキルを習得するためには、信頼できる学習リソースを活用することが欠かせません。ここでは、入門者がPyTorchを学ぶ際におすすめの情報源や学習方法を紹介します。

PyTorch公式ドキュメントとチュートリアル

まず最も信頼性が高いのは、PyTorch公式ドキュメントとチュートリアルです。公式サイトでは、基礎から応用まで幅広い内容が整理されており、実行可能なコード例とともに学べるため、実践的な知識が身につきます。英語が中心ではありますが、読みやすく構成されているため、機械学習に取り組むエンジニアであれば活用しやすい内容です。

書籍やオンライン講座

また、書籍やオンライン講座も学習の大きな助けになります。特にUdemyでは、PyTorchに特化した講座が複数あり、動画で手を動かしながら学べるため、初心者には非常に効果的です。日本語対応のコースも多く、基礎固めから応用スキルまで段階的に習得できます。

技術系コミュニティサイトや動画

加えて、QiitaやZennなどの技術系コミュニティサイト、YouTube、GitHubのリポジトリには、実際の実装例やノウハウが多数公開されています。学んだ内容を手元で試しながら理解を深めたり、ほかのエンジニアのコードを読んだりして、より実践的なスキルを身につけることが可能です。

PyTorchを習得してエンジニアとしての市場価値を高めよう

PyTorchは、直感的で柔軟性に富んだ機械学習ライブラリとして、研究開発からプロトタイプの実装まで幅広く活用されています。Pythonとの親和性が高く、テンソル操作や自動微分、ニューラルネットワークの構築など、機械学習の基本を体系的に学ぶには最適なツールのひとつです。

実務でPyTorchを使いこなせるようになれば、AI関連プロジェクトの案件にも参画しやすくなり、専門性を活かした自由な働き方が可能になります。

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