フリーランスの社会的地位は高くなっている!おすすめの年金・ローン・保険について解説

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働き方の多様性が認められつつある現代社会において、特定の企業に所属せずにフリーランスとして活躍する人材も増えています。以前は会社員と比べると社会的地位が低いと思われがちだったフリーランスですが、昨今は徐々にそのイメージも改善されてきているようです。

しかし、フリーランス独自のリスクや問題点なども、実際にはまだまだ存在します。フリーランスであれば、万が一のリスクや安定した将来に向けて、自ら対策を練っておく必要があるでしょう。

今回はフリーランスの社会的地位と、残されている問題点やそれに対する対策などについて解説します。また、老後を含めて安心した生活を送るための、資金形成方法についても紹介します。

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フリーランスの社会的地位は昔に比べると上がっている


従来の日本においては、フリーランスは会社員と比べて社会的地位が低いイメージがどうしてもつきまとっていました。

しかし、現代社会においては終身雇用の維持が難しくなり、会社に頼らず個人で稼ぐ力がより一層求められる時代になっています。これはすなわち、誰しもが社会に対して「個人としての実力で」付加価値を提供する必要があるということです。もし付加価値を提供できない場合は、時間に拘束される仕事、さらには低報酬な仕事にしか就けないという状況になっています。

フリーランスはこういった現代社会でも評価されやすく、以前にはあった偏見や誤解も減少傾向にあります。実力次第では会社員以上の収入レベルも狙えることもあり、一般的なイメージも昔より良くなっているといえるでしょう。

フリーランスの6割が社会的地位について満足している

個人の実力が重要視される世の中で、徐々に一般的なイメージが向上しているフリーランス。ではそのフリーランス自身は、自分の社会的地位に満足しているのでしょうか。

2020年に内閣官房日本経済再生総合事務局が行なったフリーランスに関する実体調査では、回答者全体の約60%が、フリーランスの社会的地位に満足していると回答しています。
参照元:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai9/sankou.pdf

これは、社会の変容にともない、フリーランスとしての社会的地位に満足する割合も上がってきていることを示す調査結果といえるでしょう。

信用スコアリングサービスを利用すればローンを組める可能性がある

社会的地位の上昇を体感しているフリーランスが増えている一方で、現実問題としては金融機関で住宅や自動車のローンを組みづらいケースも多々あります。

ローン審査は、所属している会社の安定性などをもとに判断されていた部分が大きく、現在の収入が大きいからといって審査が通るとは限りません。いつ収入が途絶えるともわからないフリーランスにとっては、ローン審査を通過するのは難しいというのが実情でした。

しかし最近では、「信用スコアリングサービス」というサービスが誕生しており、これを使うことでフリーランスでもローンを組める可能性が増加しました。信用スコアリングサービスとは、融資をはじめとしたサービスを受けるための判定材料として、個人の信頼度を数値化するサービスです。

【信用スコアリングサービスの内容】
・職業
・収入
・最終学歴
・よく購入する商品
・過去の支払い履歴

上記からスコアを算出し、借入ができるかを判断するもので、日本ではみずほ銀行とソフトバンクによる合弁会社が初めてリリースして以来、注目が集まっています。これまでの経歴や、クレジットカードによる支払いが滞りなく行なわれているかなどにより、今後ローンの支払いが可能かを判定します。この信用スコアリングサービスを利用することで、フリーランスでも高額のローンを組める可能性があります。

フリーランスは病気・怪我などのリスクに備える必要あり

フリーランスは所属企業という後ろ盾がなく、自分が倒れたら収入が途絶えてしまう可能性に常にさらされています。そのため、病気や怪我などのリスクには、日頃から十分に備えておく必要があります。

フリーランスは国民健康保険への加入義務がある

企業に所属している場合は、その会社の健康保険に加入しますが、それ以外の場合は市町村の国民健康保険に加入する必要があります。企業に所属しないフリーランスは、国民健康保険への加入義務があるということです。

国民健康保険では、毎月一定額の保険料を納める代わりに、病院にかかった場合などの毎回の窓口負担を減らせます。例えば、健康保険加入により3割負担で1,000円程度の受診料の場合、全額個人負担では3,000円以上になる計算です。したがって、健康保険未加入で医療費を全額個人負担すると、継続した通院で数万円レベルでの出費になる可能性もあります。必要な医療提供を経済面で諦めないためにも、必ず国民健康保険には加入しておきましょう。

また、健康保険には医療費が一定額を超えると払い戻しがある「高額医療制度」があり、病気や怪我で高額の医療費が必要になった場合には利用することもできます。このように、健康保険に加入することで万が一に備えることができるため、ある程度の安心感をもって生活できるでしょう。

国民健康保険で不足している場合は民間保険で補填する

国民健康保険による補償は最低限の補償レベルになるため、もしその内容で不足しているのであれば民間保険での補填も一つの手です。例えば、怪我や病気で働けなくなった場合の収入を補償する収入保障保険などは、フリーランスと相性の良い保険の一例です。

また、誰しもが、突然の入院などで多額の医療費が必要になる可能性があります。毎月数千円の掛け金で、万が一の際にまとまった額の傷病手当を受け取れる保険なども、起こりうるリスクに備えられます。民間の保険も上手に活用して、万が一に備えておきましょう。

フリーランスは老後資金の形成が会社員よりも重要


老後資金の基本となるのが年金ですが、フリーランスは会社員と比較して、年金制度上も不利な立場にあります。会社員が加入できる厚生年金は掛け金の半分を会社が負担するため、個人の負担割合を抑えた形で老後資金形成ができます。一方でフリーランスが加入する年金は国民年金です。厚生年金と異なり労使折半という概念がないため、会社員と比較して、年金保険料の個人負担額に対する将来受け取れる金額は少なくなります。

したがって、フリーランスが安定した老後生活を送るためには、将来のための貯蓄額を増やしたり、年金額を積み増したりするための工夫が必要です。フリーランスが老後資金を作るための制度については、次の章で詳しく紹介します。

フリーランスが老後資金を形成する制度一覧

フリーランスが老後資金を形成できる制度にはいくつか選択肢があり、基本となる国民年金のほかにもプラスで積み増す方法や、退職金代わりとなる資金を準備しておける制度があります。

国民年金

国民年金保険料は、フリーランスの老後資金形成の基本となります。現在は、20歳から加入して満額支払いした場合、年間80万円を受け取れる計算になっています。しかしこれだけだと、1ヵ月あたりの受給額は6万円前後となり、ゆとりある老後生活を送るのは難しいでしょう。国民年金に加えて他の制度も併用し、老後資金を作っておくのがおすすめです。

小規模企業共済

小規模企業共済は、個人事業主やフリーランスのための退職金制度です。毎月の掛け金は1,000円から7万円までの範囲(500円単位)で、自分の無理のない範囲で金額を決めて納められます。これにより将来退職や廃業した際に、共済金を受け取れる仕組みです。さらに、毎月の掛け金は所得控除の対象となるため、資金形成と同時に節税対策にもなります。

国民年金基金制度

国民年金による「老齢基礎年金」に金額をプラスしたい場合は、国民年金基金制度を利用するのがおすすめです。国民年金基金は、国民年金に追加で年金保険料を支払うことで、将来受け取る額を増やす制度です。国民年金を納めている人なら誰でも利用できます。老後に国民年金と国民年金基金を二重で受け取れるため、ゆとりある老後生活の助けになるかもしれません。

フリーランスならではのリスク

次に、フリーランスならではの、業務上で起こりうるリスクについて解説します。業務内で起こった問題は、会社員であれば最終的に会社が責任を負う形になります。しかし、フリーランスは自分自身で対処しなければならないため、リスク管理への意識がより求められるといえるでしょう。

個人情報や機密情報の漏えい

昨今は個人情報をはじめとした各種情報は、社会にとって大切な資源となっています。情報を適切に管理することは企業の重要課題であり、フリーランスであっても取引先が保持する情報を漏えいしてしまうと、相応の補償を請求される可能性があります。これは、大抵の個人事業主の契約には「秘密保持契約」が結ばれており、違反した場合は損害を補填する必要があるためです。最大限注意を払っていても万が一ということも考えられるため、個人事業主でも「個人情報漏えい保険」に加入しておくのがよいでしょう。

納期遅延などによる損害賠償

納期の遅延や品質不足により、発注者が損害を被った場合、損害賠償を請求される場合があります。納期遅延や品質不足は、取引先のその後のスケジュールにも影響を与える可能性があり、個人で支払うには難しいような多額の損害賠償になる可能性もあるでしょう。そのような事態が発生した場合に備えて、損害賠償保険などに加入しておくことで、損害を最小限に抑えられます。

フリーランスならではのリスクに備えた保障制度一覧

フリーランスならではのリスクに備えた、民間の保障制度について紹介します。

個人情報漏えい保険

個人情報漏えい保険は、その名のとおり個人情報を漏えいしてしまった際の損害賠償時に備えた保険です。業務内で間違った相手に個人情報を送ってしまったり、盗難にあって個人情報が漏れたりという可能性は、ゼロにはできません。また人為的ミス以外にも、コンピューターウイルスや不正アクセスによる情報漏えいなども考えられます。

この場合、情報漏えいの規模にもよりますが、賠償金は数百万円~数億円になる可能性があります。したがって、仕事柄、個人情報を取り扱う可能性がある場合や、パソコンなどを利用する仕事の場合は、この種の保険に入っておいたほうが安心です。例としては「AIG損保」や「損保ジャパン」などで販売があります。

損害賠償保険

納期遅延や納品物の品質が低い場合などに、損害賠償請求が起こる可能性があります。このとき賠償額を補償してくれるのが損害賠償保険です。納期遅延や品質不足は、フリーランスに十分な実力さえあれば無縁の問題というわけではありません。事故やその他突発的な事象により納期遅延や品質不足につながる可能性もあり、誰にでもおこりうる問題です。

そのため、すべてのフリーランスにとって、賠償を請求された場合に備えた対策を練っておく必要があるといえます。このようなケースで利用できる損害賠償保険の例としては、損保ジャパンや東京海上日動あんしん保険などで販売されているものがあります。

まとめ

フリーランスの社会的地位は、以前と比較すると満足できるレベルに上がったと感じる人が増えてきています。多様な働き方が認められつつあり、個人の実力が求められる現代社会では、会社に所属しているかどうかは、以前ほど問題にならなくなってきたといえるでしょう。

その一方で、フリーランスだと金融機関でのローン審査になかなか通らなかったり、会社員の厚生年金と比べて老後資金積み立ての仕組みが弱かったりという問題点も、まだまだ残っているのが現実です。フリーランスとして働くのであれば、起こりうる問題を認識し、自分で備えていく必要があります。フリーランスならではのリスクに対応した民間の保険などもありますので、必要に応じて検討するとよいでしょう。

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