デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?導入メリットや成功事例も紹介 | ITフリーランスエンジニアの案件・求人はPE-BANK

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デジタルトランスフォーメーション(DX)をご存知でしょうか?
デジタルトランスフォーメーションとは、2004年ごろに生まれた言葉の一つで、大まかには、「デジタル技術によって人々の生活をより良くする」という概念を意味します。

この記事では、デジタルトランスフォーメーションがビジネスの世界において具体的にどのような意味を持っているのか、また、これからの社会にとっての必要性について解説します。
さらに後半では、日本国内の大手企業による成功事例も紹介します。

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デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

経済産業省が2018年にまとめた「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」では、以下のように定義されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

出典: デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver.1.0

デジタルトランスフォーメーション(DX)はなぜ必要?

定義を読んだだけでは、デジタルトランスフォーメーションの意味や意義がわかりづらいかもしれません。
企業向けに作成された上記のガイドラインには、定義だけではなく、デジタルトランスフォーメーションが必要とされる理由や背景についても書かれています。
ここからは、その3つの具体的な理由を見ていきましょう。

ビジネス環境の激変

デジタルトランスフォーメーションが必要な第一の理由は、多くの企業でビジネス環境の大きな変化が求められていることです。

例えば、AIやビッグデータなどのデジタル新技術の登場により、あらゆる産業で革新的なビジネスが登場するようになりました。市場環境も激変するなかで企業が競争力を高めるには、デジタルトランスフォーメーションの積極的な推進による、大胆な変革や競合優位性の確立が必要なのです。

2025年の崖

デジタルトランスフォーメーションが求められる第二の理由としては、「2025年の崖」と呼ばれる問題があげられます。

2025年の崖とは、現在企業においてシステムやデータ活用における以下のような問題が解消できなかった場合に想定される、日本経済の停滞リスクのことです。

・既存システムが複雑化/ブラックボックス化している
・既存システムにおける横断的なデータ活用ができていない
・SAPやERPのサポートが終了する など

経済産業省から発表されている「デジタルトランスフォーメーション(DX)レポート」(平成30年)によると、これらの課題を克服できなければ、2025年以降に現在の約3倍となる年間最大12兆円の経済損失が生じるとされています。
したがって、2025年を目前にひかえる現在は、デジタルトランスフォーメーションによる新システムへの移行が多くの企業に求められているといえます。

消費者マインドやニーズの変化

第三の理由は、消費者の考え方やニーズが大きく変化していることです。

例えば、2019年までの日本国内では、品物を購入する「モノの消費」から、楽しい体験による満足感などにお金を使う「コトの消費」に顧客ニーズがシフトしているといわれていました。
しかし2020年になると、新型コロナウイルスの影響でネット通販利用が増加し、リアルからオンラインサービスへの移行が進んでいます。

このように、消費者マインドは社会状況に応じて変化しやすいものです。したがって、時代にふさわしいサービスや商品を提供するには、デジタルトランスフォーメーションを活用した組織や業務の改革が必要となるでしょう。

デジタルトランスフォーメーション(DX)を導入するメリット

デジタルトランスフォーメーションを導入すると、次のようなメリットが生じやすくなります。

業務が効率化する

最も大きなメリットは、分散していたシステムや業務の統合・自動化が可能になることです。これは、既存システムの分散化やブラックボックス化による「2025年の崖」の解消にもつながります。

デジタルトランスフォーメーションによって業務効率化が可能になると、人的資源などを優先度の高い仕事で使いやすくなります。また、これまで複雑だったシステムがシンプルになることで、ヒューマンエラーなどの予防にもなるでしょう。

利益率が拡大する

デジタルトランスフォーメーションの導入によって生産規模が2倍になった企業では、生産効率が向上することで生産量も従来の2倍以上にアップし、結果的に利益率も拡大するといわれています。
スタンフォード大学のブライアン・アーサー教授による、収益逓増(ていぞう)という法則です。

また、先述のとおりデジタルトランスフォーメーションによるシステム統合などで、ヒューマンエラーなどが解消すると、フォローにかかっていたコストも削減でき、利益率はさらに高まりやすくなります。

生産性や利益率を高めるうえで、デジタル化は欠かせないといえるでしょう。

新サービスや製品が生まれやすくなる

デジタルトランスフォーメーションの主な目的は、単なるデジタル化ではなく、新しいビジネスモデルやサービス、製品開発などにつなげることです。

例えば、ビッグデータやAIを活用すると、精度の高い顧客ニーズの分析によって、従来にないイノベーションも生まれやすくなります。モバイルアプリやクラウドサービス、SNSなど企業がすぐに実践できるデジタル技術は多く、従来とは異なる角度からお客様とのつながりを築きやすくなるでしょう。

デジタルトランスフォーメーション(DX)推進に必要な人材について

デジタルトランスフォーメーションを推進するには、高度な専門知識・スキルを持った人材が必要です。DX人材の定義は解釈が非常に広く、曖昧になりがちですが、大きく以下の3領域の能力に分けて考えることをおすすめします。

・マネジメント
・ビジネス・マーケティング
・技術

DX人材を社内で育成したい、あるいは、連携できる外部パートナーを探したいと考えている場合は、これら3領域を軸に考えてみてください。DXの推進時、どのような人材を用意すればいいのかの指針になります。

では、3領域それぞれについて、以下で詳細を解説します。

マネジメント

DX事業を成功に導くためのプロジェクトマネジメントができる人材です。事業プランの作成やシステムの要件定義、予算・人員の最適な配分、外部パートナーの選定など、プロジェクト全体を統括する立場になります。

マネジメント系の業務を外部に丸投げすることは基本的にできないため、自社で育成する必要があります。経営企画や業務設計の経験がある社内の人材を、DX事業推進のためのプロジェクトマネージャーに抜擢し、経験を積ませるといいでしょう。

ビジネス・マーケティング

DXは単なるデジタル化が目的ではなく、デジタル化を前提とした新しいビジネスモデルやサービス、製品開発につなげることが本質です。したがって、ビジネス構築やマーケティングの知見がある人材が必要になります。

・市場のニーズやトレンドを正確に把握する力
・利益を出せる業務設計・構築スキル
・マーケティングの基本フレームワークの活用知識
・最新のデジタルマーケティングの知識と実行力

このようなビジネスデザインができる人材は、今後より不足することが予想されています。外部への委託や外部からの採用だけでなく、自社における育成も検討しておくことが、長期的に見たときに競争優位性を発揮するカギとなるでしょう。

技術

システム開発やデータ分析のスキルを保有した技術系の人材も、DXの推進に欠かせません。データサイエンス、AI、IoTなど、DXの普及に伴い重要性が増しているこれらのスキルを身に付けたエンジニアやプログラマ、データサイエンティストを確保する必要があるでしょう。

DXでは特に「データ」 を重要視すべきですが、ただデータを扱えるというだけでなく、データのビジネス上の意義や具体的な活用方法にまで視野を広げて考えらえる人材を集めることが重要です。外部への委託でも良いですが、それと並行して自社内で人材を抜擢して育成していくことも進めましょう。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の導入に成功した好事例

日本国内でも、デジタルトランスフォーメーションの導入による成功事例が増え始めています。

資生堂

大手化粧品メーカーの資生堂では、IoT技術を使ったスキンケアシステムを開発しました。このシステムの特徴は、スマートフォン専用アプリを使うユーザーの肌状態を考慮し、8万パターンのケアから最適なものを提案できるという点です。具体的な診断ポイントとしては、以下があげられます。

・肌状態:水分、皮脂、キメ、毛穴 など
・外的要因:温度、湿度、紫外線 など
・内的要因:ストレス状態、月経周期、体内リズム など

このような提案サービスは、以前はデパートなどで美容部員が行なうものでした。資生堂ではこの部分をデジタル化することで、システムを通したユーザーとの継続的な接点や、サービスを利用しているユーザーのデータ収集も可能にしています。

大塚製薬

大塚製薬で開発したのは、お年寄りなどの薬の飲み忘れを防ぐIoTサービスです。このシステムでは、専用容器が自動点滅することで薬の服用時間を通知してくれます。

薬が容器から取り出されたことを検知すると、その情報をスマートフォンなどに転送してくれます。そのため、このIoTサービスを活用すれば、家族と離れて暮らすお年寄りなどの服薬状況確認や、薬剤師による服薬指導もしやすくなります。

大塚製薬では、デジタル技術を活用することで、服薬の分野にも新たな可能性を見出そうと模索しています。

グンゼ

下着メーカーのグンゼでは、新たな事業として衣類のIoT化に着手しています。具体的には、特殊繊維を使ったインナーを着ることで、その人の姿勢の特徴や行動の癖、活動量などを見える化できるようにする取り組みです。

グンゼでは、全国に約20店舗展開する自社のスポーツクラブで、実際にこの下着の実証実験を行なっています。また、将来的には高齢者のサポートや、企業における従業員の体調管理などに役立つビジネスにつなげる構想も生まれています。

Uber

Uberは、モバイルアプリによる出前注文や配車予約ができることから、デジタルトランスフォーメーションを象徴するサービスであるといわれています。なかでも人気の高いタクシー分野では、配車から目的地の設定、電子決済まで一元管理が実現しています。
デジタルトランスフォーメーションの導入によって、地方の社会問題が解決した成功事例もあります。
例えば、京都府内の過疎地域では、本来乗客を乗せて運転するには2種免許を必要とするところ例外の措置が取られ、自家用有償旅客運送制度を活用。地域住民がUberのタクシードライバーとなることで、交通面の不便さを解消することに成功しました。

まとめ

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、社会状況に応じた変化が求められる企業だけでなく、2025年の崖という課題を抱えた日本全体にとっても必要な対策です。

デジタルトランスフォーメーションにより、企業の経営状況以外に、社会問題の解決につながる事例も確認されています。旧態依然とした体制に変革を与え、今後も社会のなかで消費者のニーズに応え続けるためにもデジタルトランスフォーメーションの導入は不可欠だといえるでしょう。

また、マネジメント、ビジネス・マーケティング、技術と、DXの推進に必要な人材はこの3カテゴリに大きく分けられますが、どの領域においても、高度なスキルを保有する人材は今後ますます不足していきます。外部に丸投げしたり、外部から獲得したりするだけでは競争優位性を保てないため、DX人材を自社内で育成していく必要もあるでしょう。

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