XMLとは？利用するメリット・デメリットやおすすめ資格を紹介

XMLの優れた点には、以下の3つが挙げられます。

1つ目は、データの意味がわかりやすくなる点です。XMLはタグを使用してデータを構造化しますが、タグに使われる要素名は独自に定義でき日本語も使えます。そのため、誰が見ても直感的に理解しやすいコーディングが可能になります。

2つ目は、拡張性が高い点です。データ構造や要素名を自由に定義できるため、さまざまなアプリケーション間でデータを交換する手段にできるほか、データ管理にも適しています。

3つ目は、システムに対する汎用性がある点です。XMLはプラットフォームや言語に依存せず、広くサポートされているため、さまざまなシステムやアプリケーションで利用できます。また、統一された形式で格納されたデータであれば、インターネットなどを通じた再利用も容易です。

HTML（HyperText Markup Language）もXMLと同じく、マークアップ言語の一種です。基本的な記述方法はXMLと共通していますが、目的や利用方法に違いがあります。

HTMLはおもにWebブラウザ向けに設計されており、ブラウザが解釈・表示できる形式での構築が必要です。そのため、HTMLではあらかじめ定義されたタグや属性を使用します。

一方、XMLは作成者が独自のタグを自由に定義できるため、ブラウザ表示以外の用途にも広く利用されます。この柔軟性により、XMLはさまざまなシステム間でのデータ交換や統合、さらには文書の記述や設定ファイルの保存にも活用されています。

XMLはタグの要素名を独自に設定できるため、内容や意味に合わせてデータを整理できます。例えば、名前や生年月日、住所などのデータの要素をそのまま要素名として定義することも可能です。これにより、データの構造や関係が直感的に理解できます。

データ定義が明快であるため、複数の担当者が開発に関わる場合でも、バグの発生率を抑えやすくなります。このことから、チームでの開発やプロジェクトの継続性においても、非常に有益といえるでしょう。

XMLの記述形式は世界標準規格であり、複数種類のシステムでの再利用が可能です。情報共有や管理がしやすく、Web上での情報公開も比較的容易に行なえるのは大きなメリットといえるでしょう。

また、XMLではデータ構造とともにデータそのものも記述できるため、データの完全性を維持できるのが特徴です。

XMLは、特定のアプリケーション環境に依存しない形式でデータを扱えます。また、XMLはタグ付けされているため、データ構造を柔軟に変更が可能です。タグにより要素・属性を定義することで、データの意味や関係性を明示的に表現できるうえ、新たな要素・属性の追加や、構造の変更も比較的容易に行なえます。

さらに、XMLはテキスト形式でデータを保存するため、視覚的に内容を把握しやすいのも特徴です。データの閲覧・編集が容易なことから、開発者やデータ管理者が直感的に理解し、必要な変更・修正を行なえます。

XMLの編集は、慣れない人にとっては正確に行なうのが難しい部分も多いでしょう。

XML編集の効率を向上させるためには、適切なツールの活用が重要です。例えば、構文チェックやデータ編集機能が充実している「XMLエディタ」を使えば、XML編集が効率化します。

ほかのアプリケーションへのデータ移行時は、「XMLパーサ」というツールを利用することで、XMLの文法を気にすることなくデータ処理が行なえます。

XMLはデータフォーマットにタグを使用するため、コンピューターで処理する際の負荷がタグを使用しないデータよりも大きくなるデメリットがあります。

XMLデータの処理では、タグの解析や構造の解釈などの追加処理が必要です。これにより、データ処理を実行する際にCPUやメモリの使用率が高まると、パフォーマンスに影響しかねません。

こうした負荷への対策には、CPU性能やデータ容量をアップできるクラウドサービスを利用したり、ハードウェアの性能を向上させたりするのが有効です。必要なリソースを適切に確保することで、XMLデータの処理速度や応答性を改善できるでしょう。

XMLを扱うエンジニアは少なく、XMLのデータ設計やプログラミングに精通している技術者は不足しているのが現状です。また、上流工程でXMLを扱う必要がある場合に、対応できる人材も少ないとされています。

そのため、XMLを習得してスキルを磨くことで、市場価値の高いエンジニアとして活躍できる可能性があるでしょう。

XMLはその柔軟性や拡張性の高さから、さまざまな用途で活用されている言語です。ここでは、4つの用途を紹介します。

1つ目は、データ転送での利用です。XMLは、異なる形式でデータを保存しているシステム間でのデータ転送に役立っています。

2つ目は、Webアプリケーション開発です。XMLを利用することで、Webサイトに表示されるデータに構造を持たせられます。

3つ目の用途として挙げられるのは、ドキュメントの構造情報の設定や、他のプログラムによる文書構造の処理・提示です。

4つ目は、データタイプを通しての利用です。プログラミング言語の多くはXMLをデータ型として定義しており、XMLファイルを操作するためのコードを記述できます。

XMLが利用されている分野と、XMLを用いることにより得られる利点を紹介します。

まず、電子商取引の分野でXMLが非常に注目されています。なぜなら、XMLは汎用的なデータ形式であり、企業間のデータのやり取りにおいてフォーマットを標準化し、互換性を確保できるからです。さらに、XMLの柔軟な構造と豊富なデータ定義能力は、システムのメンテナンス性や拡張性も向上させます。

また、企業内システムも、XMLが広く利用されている分野の一つです。XMLの利用により、基幹情報システムとその他システムを統合する際に、システム間でのデータ共有や相互操作が容易になります。そして、ドキュメントの制作・管理も効率的に行なえるようになります。

・XMLマスター：ベーシック V2試験
・XMLマスター：プロフェッショナル（アプリケーション開発）試験
・XMLマスター：プロフェッショナル（データベース）試験