C#とはどんな言語?特徴やできること、習得のメリットを解説

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マイクロソフトが開発したC#は、リリースから20年以上経った今も多くの開発現場で使用されています。WindowsアプリケーションやWebアプリケーション、モバイルアプリ、さらにはゲーム開発といった多岐にわたる分野で活用されており、その高い汎用性と継続的な進化により、今なお高い需要と将来性を維持しています。

本記事では、そんなC#にスポットを当て、プログラミング言語としての特徴やできること、習得するメリット、学習方法について解説しますので、C#に興味がある方はぜひ参考にしてください。

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C#とはマイクロソフトが開発したオブジェクト指向プログラミング言語

C#(シーシャープ)は、マイクロソフトが開発した現代的なオブジェクト指向プログラミング言語です。主に、同社が提供する統合開発環境(IDE)であるVisual Studioを用いて開発され、WindowsアプリケーションやWebアプリケーションの開発において強力なツールとして使用されています。

2002年に正式リリースされたC#は、当初はJavaに似た言語として登場しましたが、以降は独自の進化を遂げ、2014年にオープンソース化されました。これにより、Visual StudioはmacOSでも使えるようになり、さらに幅広い開発環境に対応するようになりました。2015年以降は、年1~2回のペースでメジャーバージョンアップが実施され、その時々の最新技術に対応し続けています。

また、C#はスマートフォンアプリ開発においては、Xamarin(2024年5月1日のサポート終了後は.NET MAUIへと移行)や、人気のゲームエンジンであるUnityでも活用されており、C#の利用範囲はさらに広がっています。

C#の特徴

C#は、今後も成長が期待されるプログラミング言語ですが、どのような特徴があるのでしょうか。C#の特徴を紹介します。

オブジェクト指向プログラミング

C#は、オブジェクト指向プログラミング(OOP)の原則にもとづいて設計されており、クラスやオブジェクトを活用した柔軟なプログラム構築が可能な言語です。OOPの主要な概念である「カプセル化」、「継承」、「ポリモーフィズム」に対応しているため、複雑なシステム開発においても高い効率性を発揮し、管理しやすいコードを実現できます。コードの再利用性や保守性が向上し、長期的な開発やシステム拡張にも対応しやすいという特徴があります。

Javaと似た文法

C#とJavaは、いずれもC/C++から影響を受けたプログラミング言語であり、基本的な文法が似ています。そのため、Javaの経験があるプログラマーはC#への移行が比較的スムーズに行える点が特徴です。

ただし、C#にはJavaにはない独自の機能や構文が多く存在し、両言語には明確な違いもあります。例えば、C#は「プロパティ」、「イベント」、「デリゲート」といったJavaにはない機能があり、こうした機能によって、オブジェクト指向プログラミングやイベント駆動型プログラミングにおいて、より柔軟で強力な表現力を発揮することが可能です。

豊富なライブラリとフレームワーク

C#は.NET Frameworkおよび.NET Core(現在は.NET 5以降として統一)と緊密に連携しており、これらのフレームワークには豊富な標準ライブラリが含まれています。そのため、Web、デスクトップ、モバイルアプリケーションなど、多様な開発ができます。

.NET Frameworkの膨大なクラスライブラリを活用することで開発効率を大幅に向上させるほか、ASP.NET CoreやXamarinなどのフレームワークを使用して、さまざまなプラットフォーム向けのアプリケーションを開発することも可能です。また、C#のライブラリには、数値計算やデータ解析、グラフィック処理をサポートするものもあり、専門的な分野における開発ニーズにも幅広く対応しています。

クロスプラットフォーム開発

C#は.NET Coreの登場により、クロスプラットフォーム開発が可能となりました。.NET Coreは、2016年6月27日にリリースされ、Windowsに加えて、Linux、macOS上でも動作するアプリケーションの開発をサポートしています。特に、クラウドベースのアプリケーションやさまざまなデバイス向けアプリケーションの開発において、C#と.NET Coreの組み合わせは、強力な選択肢となっています。

C#でできること

C#は多用途に対応できるプログラミング言語であり、さまざまな種類のアプリケーションを開発することができます。以下で、C#を使って何が開発できるのかを見ていきましょう。

Windowsアプリケーション開発

C#は、マイクロソフトの.NET Frameworkと統合されており、Windows向けのアプリケーション開発に広く利用されています。Visual Studioを用いることで、ドラッグ&ドロップ操作によって直感的かつ効率的にGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)の開発が可能です。Windowsアプリケーション開発において、C#は長年定番的な選択肢となっています。

Webアプリケーション開発

C#は、サーバーサイドの処理を効率的に記述でき、スケーラビリティと高いパフォーマンスを備えたWebアプリケーションを開発することが可能です。また、.NET Coreを活用することで、動的なWebサイトやWebサービスの構築にも適しています。さらに、他のサービスとデータをやり取りする機能や、リアルタイムで情報を更新する機能を活用することで、多種多様なWebアプリケーションの開発を実現できます。

モバイルアプリケーション開発

C#は、Xamarinや.NET MAUIを活用することで、AndroidおよびiOS向けのクロスプラットフォームアプリケーションを開発することが可能です。1つのコードベースで複数のプラットフォームに対応したアプリを作成することも可能で、開発者はAndroidとiOS向けのアプリを同時に開発できます。そのため開発時間とコストを削減しながら、迅速にアプリのリリースが実現します。

ゲーム開発

C#は、ゲーム開発エンジンであるUnityと密接に関連しており、Unityの主要なスクリプト言語として採用されています。Unityは、PCや家庭用ゲーム機、モバイルデバイスなど、さまざまなプラットフォームに対応するゲームエンジンとして、業界トップクラスのシェアを誇る総合的な開発環境です。C#は、ゲームのロジックやインタラクションの実装、さらに高度な機能のカスタマイズなど、ゲーム開発の主要な部分で幅広く使用されており、インディーゲームの開発者から大手ゲームスタジオに至るまで、多くの開発者に活用されています。

VR/AR開発

Unityを利用することで、C#を使ってVR(仮想現実)やAR(拡張現実)アプリケーションの開発にも対応しており、ユーザーに没入感のあるインタラクティブな体験を提供するアプリケーションを構築することが可能です。これによって、教育、エンターテインメント、医療など、さまざまな分野で高度なシミュレーションや体験型コンテンツを実現できます。

システム開発

C#は、大規模・大人数での開発に適しており、業務系システム開発などで広く利用されています。オブジェクト指向の特性により、コードの再利用や拡張が容易で、生産性が高いことが理由のひとつです。

C#を習得するメリット

幅広い用途に対応できる汎用性を持つC#を習得するメリットは、多岐にわたります。C#を習得するメリットは、以下のとおりです。

強力な開発ツールが活用できる

C#のメリットのひとつは、Visual Studioをはじめとする高機能なツールが豊富にそろっていることです。これらのツールには、コード補完やデバッグ、リファクタリング、バージョン管理との統合など、作業効率を向上させる機能が数多く備わっており、迅速かつ正確な開発を支援してくれます。

さらに、豊富なプラグインや拡張機能により、開発環境をカスタマイズして最適化できるため、開発者は生産性を高めながら、高品質なソフトウェアを構築することが可能です。

コミュニティサポートが充実している

C#には大規模な開発者コミュニティが存在しており、強力なコミュニティサポートが受けられることも習得メリットのひとつです。学習リソースやサポート環境が充実していて、オンラインフォーラムやQ&Aサイト、技術ブログなどを通じて、開発者同士が活発に情報交換を行っているため、学習や問題解決がしやすい環境が整っています。また、マイクロソフトのオフィシャルドキュメントやチュートリアルも豊富にそろっており、常に最新の情報を活用できるのも特徴です。

オブジェクト指向でわかりやすい

オブジェクト指向プログラミング言語であり、コードの構造が明確なことも、C#の習得メリットです。例えば、クラスとオブジェクトの概念を使用することで、関連する機能を一元管理できるほか、既存クラスを継承することで機能を拡張しながら新しいクラスを作成できるため、コードの重複を減らし、保守性を向上させることが可能です。
さらに、C#のプロパティやイベントなどの機能を使用することで、オブジェクトの状態変化を効果的に制御し、システム全体の動作を適切に管理できます。こうしたオブジェクト指向の特性により、C#は大規模なソフトウェア開発プロジェクトにおいてもコードの管理や拡張が容易で、そのことが開発効率向上にもつながっています。

用途が多様で需要が高い

C#の習得メリットには、用途が幅広く、今後もC#エンジニアの需要が高まると予想されていることも含まれるでしょう。
C#は、Windowsのデスクトップアプリケーション、Webアプリケーション、モバイルアプリ、ゲーム開発など、さまざまな分野で利用されており、Microsoft Azureと連携したクラウドアプリケーションの構築、ML.NETを利用した機械学習モデルの開発と統合などにも用いられています。加えて.NET Coreの登場で、クロスプラットフォーム開発が可能になったことで、C#の活用範囲はさらに拡大しました。こうした用途の多様さにより、C#エンジニアの需要は今後も増すと見込まれています。

実力あるエンジニアとして働く道が開ける

C#に関する知識とスキルを身につけ、実務経験を積み重ねることで、幅広い分野でエンジニアとして活躍できることも大きな習得メリットです。興味のある分野やプロジェクトに携わる機会が増えるため、キャリアパスの選択肢が広がります。企業でエンジニアとしてキャリアを築くのはもちろん、フリーランスとして独立する道も開けるでしょう。

C#を学ぶ方法

C#を学ぶには、どのような方法があるのでしょうか。C#を学ぶ方法としては、以下のような手段があります。

Microsoft Docsを活用する

最も基本的な学習リソースとして挙げられるのが、Microsoft Docsです。Microsoft Docsは、マイクロソフトが提供する公式の技術ドキュメントサイトで、C#の公式ドキュメントやチュートリアル、サンプルコードが豊富に用意されています。言語の基礎から応用まで、幅広く学ぶことができます。

オンライン通信講座を利用する

オンラインの通信講座や学習サイトで学ぶのも、効果的な学習方法です。例えば、Microsoft Learnは、マイクロソフト製品について特化した、インタラクティブな学習体験を提供する無料のオンライントレーニングプラットフォームで、初心者から上級者まで、体系的にC#を学べるコンテンツがそろっています。

このほかにも、C#を学べるさまざまなオンライン講座があり、カリキュラムに沿って段階的に学習を進めることができます。これらの講座では、実践的な演習を通じて基礎から実際のアプリケーション開発まで幅広いスキルを習得できるため、効率的にC#を学ぶことが可能です。

書籍で学ぶ

書籍を活用した学習も効果的です。C#に関する書籍は、初心者向けから中級者向け、またはUnityなどの特定のフレームワークに特化したものまで、さまざまなレベルやニーズに応じたものが用意されています。オフラインでじっくりと学びたい方や、手元に置いていつでも確認したいという方には書籍学習が適しています。自分のスキルレベルや学習目標に合わせた書籍を選び、着実に学びを深めることができるでしょう。

Microsoft Azure環境で実践的に学ぶ

C#を学ぶ過程で、Microsoft Azureを活用した実践的な学習を取り入れれば、より実用的なスキルを身につけることができます。マイクロソフトが提供するMicrosoft Azureは、C#との親和性が非常に高いクラウドサービスです。

また、前述したMicrosoft LearnやMicrosoft Azure関連のコミュニティサイトを活用して、C#とMicrosoft Azureを組み合わせた開発に関するチュートリアルや最新の技術情報を学ぶことが可能です。これにより、単なるプログラミングの知識にとどまらず、実際のプロジェクトに応用可能なクラウドネイティブな開発スキルを身につけることができます。

将来性にも期待できるC#のスキルを身につけよう

C#は、汎用性の高いプログラミング言語であり、習得することで多様な分野で活躍できる可能性を秘めています。さらに、現在の需要の高さや新技術への適応性に優れている点などから見て、将来性も期待できます。
実務経験を積みながら技術スキルや知識を身につけることで、C#のスペシャリストとしてキャリアを築くことができるでしょう。高度なスキルを身につければ、フリーランスエンジニアとして独立することも可能です。

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