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フリーランスの人生はサラリーマンと比較すると見通しが立てにくいため、「先が見えない」という不安を抱えている人も少なくありません。今回は、フリーランサーが将来を見越して人生設計をするために、必要な情報とツールをご紹介します。明るい未来像を持ち続けるためにも、ぜひ参考にしてください。
データと数字から見るフリーエンジニアの将来性
フリーエンジニアの将来性について、理解を深めるためのデータをご紹介します。
フリーエンジニアのスキルに見る需要
フリーエンジニアのスキルに実際にどのような需要があるのか、弊社(PE-BANK)の案件情報より調査した結果、JavaとPHPの案件が全体の半数を占めていることがわかりました。
一方で、案件自体は少ないものの、GoやPythonなども増加しており、今後も人工知能やロボティクスの分野での需要がますます高まることが予想されます。
フリーエンジニアの平均年収
弊社(PE-BANK)のデータでは、フリーエンジニアの平均年収は800万円 となっています(関東エリアの場合)。一方で厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、平成27年度のシステムエンジニアの平均年収は591万円となっているため、会社勤めよりフリーランスで働く方が平均年収は高いということが分かります。
将来設計に役立つ「人生の輪」
上記のように、データからは今後さらにエンジニアの需要が高まってくることが分かりましたが、実際に長期的な広い視野で、人生を俯瞰する機会はあまり無いでしょう。そこで、将来設計に役立つ「人生の輪」の活用についてご紹介します。
「人生の輪」とは、人生を8つの分野に分け、現状を把握するためのツールです。それぞれを10点満点とし、どのくらい満足しているのかを書き込んでみましょう。それによって、バランスがとれているのかいないのか、またどのようにしたらより満足度の高い人生を送ることができるのかを、客観的に考えることができるようになります。
人生を8つの分野で点数化
この8つの分野は、必ずしもこれでなければならないというわけではありませんが、よく利用される代表的な分野をご紹介します。
余暇
プライベートな時間にどのくらい満足しているのか、余暇や遊びについて考えましょう。
健康
体の健康だけでなく、心の健康も含めて総合的に考えましょう。
自己啓発/スキル
スキルを高めるための学びなどに、時間を費やすことができているかどうかということです。
人間関係
あらゆる人間関係を総合的に判断します。友人や仕事でのおつきあいなども含めます。
家族
家族についての満足度です。もしも独身で、パートナーが欲しいのにいないという状態であれば、満足度は低くなります。
キャリア
仕事に関する内容です。自分がどのくらい今の仕事に満足できているのかを判断します。
財政面
収入や貯蓄などの面において満足できているかどうかです。他の人と比較して年収が多くても、自分が満足していなければ点数は低くなりますし、その逆の場合もあります。
環境
住んでいる地域や住環境についての満足度です。自分が望む場所に住むことができているのかどうかを考えてみましょう。
自分の人生の満足度について考えてみる
すべての分野を書き終えたら、特定の分野だけ点数が低いということはないか、バランスはとれているかなどをざっくりと見てみます。はじめはバランスがとれていなくても、少しずつ改善していけば良いので問題ありません。
そして、ここからが大切な過程です。一つ一つの点数について「なぜその点数をつけたのか」「点数が足りないのはなぜなのか」を考えていきます。
例えば、自己啓発/スキルに6点をつけたフリーランスエンジニアAさんは、現在すき間時間を利用して新しいスキルを身につけるべく、専門書を読んでいるそうです。しかし、自分ではまだまだ不足していると感じているため、新たな言語を身につけたり、同じようなフリーランスが多く集まると聞く勉強会にも参加したりしたいと思っています。
また、Aさんは環境の点数が6点でした。駅から徒歩で15分以上かかる場所に住んでいるため、常駐先への通勤が毎日苦になっています。さらに、最寄り駅は各駅停車しか利用できないので、都心に出る際に不便を感じています。仮に常駐先から1駅~2駅遠くなったとしても、多くの路線が発着する駅ならばトータルで時間が短縮されるケースもありうるため、今後利便性の高い駅の近くに引っ越したいという思いを持っています。
これからの人生の目標を書き出してみる
自分の人生の輪をながめ、今後それぞれの分野の満足度を上げていくには具体的にどうしたら良いのかをリストアップしていきます。
先ほどのAさんであれば、「エンジニアの勉強会に参加する」「駅に近い住宅に引っ越す」といった内容になるでしょう。このように、各分野で実現したいことを書き出します。
しかし、ここで終わりではありません。例えば「エンジニアの勉強会に参加する」というだけでは、あまりに抽象的です。これをはっきりとした目標にするには、「3か月に1度〇〇の勉強会に参加する」などと、数字を入れていくのが鉄則です。
この数字は当然ながら人により異なります。勉強会に参加するのはなかなか大変という場合には、もう少しハードルを下げて1年に1度に、逆に苦にならないのであれば1か月に1度としても良いでしょう。
また「駅に近い住宅に引っ越す」の場合は、「〇〇駅から徒歩5分以内の物件に引っ越す」というように数字を入れることで、具体的な目標として機能します。
人生の輪のバランスをとっていく
このように、人生の輪を書いてみてその内容について考える、そしてバランスの良い形に近づけていくという作業が大切です。定期的にこの作業を行うことで、どのくらい自分が変化しているのかが分かるでしょう。
何より大切なのは、満足度は周りの人による基準ではなく、あくまで自分自身がどのように感じているのかという視点で判断することです。
周囲から見れば恵まれている人でも、本人のなかに不満が渦巻いていれば、様々なことに負の影響が出てくる可能性があります。フリーランスの場合は特に、自分で決定していかなければならないことが多いので、人の基準で動いていると、どんどん自分の意思とは別の方向に流されてしまいます。
また、フリーランスに転向して多少時間の余裕ができたけれど、会社のように健康診断をやってもらうことができないので、知らず知らずのうちに体調を崩していたということもあります。
自分自身が人生の輪を作っていく気持ちで、心身ともにバランスをとっていきましょう。
まとめ
フリーランスの需要と将来性を確認しよう
「人生の輪」を活用してバランスのとれた人生について考えよう
フリーランスの将来設計と聞くと、大層なことだと思ったり、「設計って何をすれば良いの?」と思ったりするかもしれません。
しかし、今回ご紹介した「人生の輪」は誰もが簡単に取り組め、しかも自分の将来を考える大きな助けとなってくれます。
ぜひ一度は取り組み、現状を把握してみてください。そして、仮に現状が悪くても、明るい未来を心に描いて向上させていきましょう。