「Java ヂカラ #Java最新動向 -あなたのJava力をアップグレード-」イベント開催レポート
2018年2月8日、渋谷公園通りのTECH PLAY SHIBUYAにて、セミナー「Java最新動向 -あなたのJava力をアップグレード-」を開催いたしました。
Javaは、応用力のある言語として昔から根強い人気を誇っており、業務用アプリケーションとしても、長くまた広く使われている言語のひとつです。しかし、Javaと一言に言ってもバージョンによって違いがあり、常に進化を続けています。
そんなJavaの各バージョンにおけるアップデートの詳しい内容や、実装された便利な機能、さらに今後のアップデートにおける対応についてなど、Javaエンジニアにとって気になるポイントにクローズアップしたのが今回のセミナーです。生産性の向上や最適化のために必要な準備、そして知識のアップデートに関する興味深いレクチャーが受けられるということで、多くの方々にご参加いただき、ご用意した席は満席となりました。
あなたのJavaの知識は本当に間違っていないか?
今回、講師としてご登壇いただいたのは、日本オラクル株式会社 オラクルユニバーシティビジネス推進部の岡田 大輔氏です。
前半は、「あなたのJava 力をアップデート前編:Java SE 8までにキャッチアップ」と題して、現在のITエンジニアを取り巻く環境や、利用者の多いJava SE 8について、以前のバージョンとの違いや今後の動向などからお話していただきました。
冒頭、スクリーンには先日リリースされた経済産業省の資料が紹介されました。その内容は 2020年にむけて先端 IT 技術者が足りておらず、人材不足が懸念されているというもの。しかし、岡田氏はこの発表をそのまま額面どおりに受け取るべきではないと指摘します。
先端IT技術ばかりに投資すれば全てが解決するわけではないというのが理由です。活用したいデータは既存のシステムの中にある、だからこそ、先端 IT 技術とあわせて、最も普及しているJava のエンジニアへの投資が必要であり、企業もそんな人材を求めているのだと語ります。大切なのは今持っているJava のスキルを伸ばし、さらに、それを軸に新しいことに挑戦し技術を深めること。しかし、今あなたたちが持っている Java の知識は本当に正しいものですか?と岡田氏は来場者に投げかけました。
以前、SIer 12社で Javaの理解度のテストを行ったことがあると岡田氏。その結果は予想以上に悪く、Javaの実務経験があり普段コードを書いていても、Javaを十分理解しているわけではいことが判明したといいます。これは参加者の皆さんも人ごとではないはず。
ここで、あらためて参加者に「Java のことが本当に理解できていますか?」と問いかけます。そしてスクリーンにはJava のコードのサンプルを提示。経験のあるJava エンジニアがつい書きがちなコードと、適切なコードを比較してコードの間違いや勘違い、より合理的な書き方やその理由などが示されていきます。例題は次々と提示され、見落としがちなポイントに関してヒントとなる話が続きます。
新たな機能の享受には知識のアップデートが必要
さらに、Javaのバージョンによって異なるコードやAPI、Java SE 8から取り入れられた関数型プログラミングと従来のオブジェクト指向プログラミングの違いなどを解説。そして関数型プログラミングのメリットや、どんなシーンに適用するといいかなど、非常に参考になる実践的な内容へと話は広がります。
「Javaは時代と共に必要な機能を取り入れて進化し続けているもの。新しい機能は当然新しいバージョンで提供されていきます。それにあわせてIT エンジニアも知識もアップデートしてゆくべきです。古い知識のままだと新機能の利点を享受できない場合こともあるので注意が必要です。」という言葉で前半は終了いたしました。
実行環境として大きな変更が あったJava SE 9
後半は、「あなたのJava力をアップデート後編:Java SE 9を見据えて」として、昨年リリースされJava SE 9にクローズアップした内容のレクチャーです。岡田氏はこのJava SE 9について「プログラムを書くという点ではあまり変更点はないのですが、実行環境として大きな変更があったのがJava SE 9です」と、注目となるポイントから話を始めました。
「重要なのは新機能 Module System。このために、Java SE 9では、JDKの仕組みが大きく変更されています」と岡田氏。その違いを理解していないと、開発者だけではなく、運用担当者も困ることになるなど、注意点を挙げていきます。
必要なことはJava SE 9での変更点をしっかり理解すること。理解した上であらためJava SE 9に向かうことが大切なのだと示唆します。Java SE 9では、今まであったものがなくなったり、挙動の変更や、下位互換で動いていたものを受け付けなくなったなど、把握すべき点が少なくないそうです。技術的には大きな変更点は無いので、以前のバージョンから移行は難しくない。けれど、すぐに導入するべきなのかはよく検討の上、慎重に見極めることが重要だと示されました。
今後のJavaのロードマップとサポート体制について
さらに、今後のJavaのバージョンアップのロードマップと、各バージョンのサポートの期間など注意点が紹介されます。現状、商用サポートが受けられるJava SE 8をはじめ、Java SE 9や次期バージョンのJava SE 10 に関してはポイントを解説していただきました。
リリースされたばかりのJava SE 9 は注目すべきではありますが、その導入はじっくり検討するべき。必要なのは機能の変更点を把握して、開発者、運用担当者もそれぞれ準備を進めておくこと」という言葉でセミナーを締めていただきました。
また、最後にオラクルが用意しているJavaの教育サービスの紹介と、オラクル認定のJava資格試験とキャンペーンについて、岡田氏より紹介していただきました。
PE-BANKでも所属するITエンジニアのサポートの一環として、オラクル認定Java資格試験の補助金制度をご用意していますので、エンジニアの方は、ぜひこ有効に活用してJavaの資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
「ANKET」では、このようなセミナーを通じて、すべての IT エンジニアの皆様に様々な情報を提供すべく、今後も様々なセミナーを企画してまいります。皆様のご活用、ご参加を是非お待ちしております。
登壇者紹介
日本オラクル株式会社 オラクルユニバーシティ
ビジネス推進部所属
岡田 大輔 (おかだ だいすけ)氏
ミドルウェア関連製品のインストラクターや製品導入コンサルタントを経て現職へ。
Oracle Technology 製品に関する教育サービスの推進担当として、研修・認定資格の企画やセミナー実施などの普及活動に従事。
Oracle 認定 Java 資格試験の監修者のひとりでもある。
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