更新日:
あなたはIT業界に関心がありますか?
確かにパソコン、スマートフォン、タブレットなどの普及や、AIの進化など、IT関連の話題はいつも尽きません。それにともなって、目覚ましく拡大してゆくこの業界に興味を持ちはじめる人も、日々増加しています。
ここでは、将来ITエンジニアになろうかなと少し考えはじめた人に向けて、本当に、その道に進んでも大丈夫なのかということから、業界の動向、さらに年収の相場などについて解説しています。
ITエンジニアの需要が将来的にも尽きない理由は?
国内IT市場の規模は2017年に14兆を超えました。一人一台パソコンを持つ時代になって久しく、また、スマートフォンやタブレットの普及が著しいことからも、今後も拡大の一途をたどることは間違いありません。
一方、少子化による生産年齢人口の縮小も手伝って、IT業界では慢性的なエンジニア不足に陥っています。ITエンジニアは、システム設計をしたり、専門的な知識、技術が必要とされたりするだけでなく、クライアントとスムーズに交渉できる力なども要求されるので、社会全体のコミュニケーションが希薄となっている現代社会において、この人材不足は深刻化してゆく一方です。
確かに、今後AIが劇的な進歩を遂げて、プログラミングを人間の代わりに担う可能性はあるという考えもありますが、たとえそのような進歩が起こっても、仕事が完全に、AIに取って代わられる日はまだ先でしょう。したがってITエンジニアの需要は、今後も尽きることはまず考えられません。
ITエンジニアの種類について知りたい
ITエンジニアと一言で言っても、職種は細かく分かれています。もちろん企業それぞれによって、名称や役割は若干異なりますが、主に以下のような職種が一般的です。
ITエンジニアの種類1――プログラマ
プログラマは、次に述べるシステムエンジニア(SE)が作成した設計をもとにして、機能を実装していくエンジニアのことです。システム開発のエンジニアとして、プログラミングを行う職種です。
ITエンジニアの種類2――システムエンジニア
コンピュータシステムの開発を行う上で、設計からテストまでを計画して進めていくポジションです。簡単に言えば、クライアントと打ち合わせをし、要求をしっかり理解し、開発すべきソフトの設計を行う役割のこと。しかし納期が迫ってくれば、開発やテストを手伝う必要もあるので、オールラウンダーとしての知識と技術も身に付けていなければなりません。
ITエンジニアの種類3――プロジェクトマネージャ
複数のシステムエンジニアを統括してまとめる、総指揮に当たるポジションです。予算や人員の管理、価格の見積もりを行うのもこのポジション。通常の会社で言えば管理職に当たる人と言えます。豊富な知識と経験はもとより、プロジェクトを円滑に推進していく進捗管理などのマネジメントスキル、並びに人員のモチベーションを高めるリーダーシップ能力が問われます。
ITエンジニアの種類4――その他
他にもWebデザインを中心とする業務を行う「マークアップエンジニア」や、Web上での使用に特化したシステムを専門的に扱う「Webエンジニア」、家電製品に組み込まれたファームウェアの設計・開発を行う「エンベデッドエンジニア」など、扱う対象によってさらに細分化された職務が割り当てられています。
ITエンジニアの年収について知りたい
システムエンジニアの平均年収はだいたい450万円前後と言われています。年齢によっても異なり、20代では400万円、30代では500万円程度が相場。もちろん経験やキャリアのある人はこれよりも高くなり、また、システム開発の上流工程や重要なプロジェクトを任されるようになれば800万円近くも可能です。
具体的には、プログラマの場合は250万円~600万円程度、システムエンジニアは300万円~700万円、プロジェクトマネージャは500万円~1000万円程度と言われています。
専門的な知識が必要なITエンジニアは、経験と技術力によって収入に大きく差が出ます。できるだけ代わりの利かない人材になるため、刻苦勉励することで、かなりの高収入を狙うこともできる職種です。特に、フリーランスになれば年収は増えます。売り込みができ、責任が重くなるリスクを負えるならば、フリーランスの道に進むことも考えられるでしょう。
ITエンジニアの動向や今後の課題
これからは、ネットショッピング市場の競争が激化していくと予想されます。Amazonや楽天に加えて、ヤフーやヨドバシ、アリババなどの同業他社の対抗が続いています。また「宅配問題」の解決に向けて、これらのネットショッピング企業が物流網の開発・整備を推し進めたり、リアルなコンビニ店舗などの展開も始めていたりしつつあり、勢いは加速していく一方です。
一方、ITエンジニアとしての現在の問題は、システム設計を行う上流工程と、実際にシステムを作っていく下流工程との間で、労働時間や労働量に大きな開きがあることです。システムを納品してもクライアントが納得しなかった場合などに、下流工程における修正工数が膨らんでしまう状況になっています。仕様や設計が変更されると、再度詳細の設計からプログラミング、単体テスト、結合テスト、システムテストなど、工程を戻してやり直しになるからです。上流工程と下流工程で、かなり労働量に開きがあり、それでいて収入に反映されていない状況が続いています。
そのような点がこれから改善されていくかどうかが鍵ですが、それは一方で、ITエンジニア同士の競争が激しくなることも意味します。そのため、常に新しい知識を身に付け、プログラミングスキルを向上させていく勉強を怠らないようにしておけば、仕事に困る事態は起こらないでしょう。
まとめ
以上、ITエンジニアを目指すあなたのために、今後の動向と課題や、その他のITエンジニアに関する様々なテーマについてご説明をしてきました。
IT業界は、これからも間違いなく拡大していくということは言えますが、一方で他の業界に比べて非常に変化が早いという特徴があります。一度身につけた知識も全て捨てて、また新しく学び直さなければいけないような状況も出てきます。そのような変化に対応できる力があれば、年収アップが狙える職種だと言えるでしょう。