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Pythonは非常に広いジャンルの開発で使われる、汎用性の高い言語です。その扱いやすさや機能性の高さから、有名なWebサービスの開発にも活用されています。スキル取得の面からしても学習がしやすいため、IT業界未経験者の方でも初めて勉強しやすい言語です。
そのPythonを扱うのがPythonエンジニアです。
今回は、Pythonという言語の概要をはじめ、Pythonエンジニアの仕事内容や求められるスキル、未経験からの就業に必要なことを解説します。
Pythonをこれから学習したい方の参考になるので、ぜひ最後までご覧ください。
Pythonエンジニアとは?
Pythonエンジニアとは、プログラミング言語のPythonを使って、システム設計や各種のプログラミングをする技術者です。
Pythonはもともと海外で根強い人気がある言語ですが、近年は日本でもPythonエンジニアとして活躍する人が増えています。ただ、他言語のエンジニアと比較すると人口は少ないといえます。
Pythonエンジニアの仕事について、詳しくは「Pythonエンジニアの仕事内容」で説明します。
Pythonとは?
Pythonはアプリ開発、統計解析で使われているオブジェクト指向言語です。世界的に有名なWebサービスでも活用されており、YouTubeやGoogleなどでも使われています。その他にも、PayPalやBlenderなど多くの企業で利用されています。
Pythonはシンプルさと高い汎用性が特徴です。コードの統一化がしやすいため、誰でも同じようなコードが書けます。さらにWindowsやMacOS、Unixなど多くのプラットフォームで使えるだけでなく、他の言語との組み合わせもしやすいため、さまざまな分野で活用されているのです。
以上のことから、Pythonは簡素で精錬されたコードで、さまざまな用途に使えるプログラム言語といえます。
Pythonエンジニアの仕事内容
先ほども紹介したとおり、Pythonは本当に多くの分野で活用されている言語です。AI分野やサーバーサイド、データ解析ツールなどの開発にも使われています。そのため、Pythonエンジニアの仕事内容はさまざまなジャンルにわたります。
ここからはそのなかでも、代表的な3つの仕事内容をピックアップして紹介します。
機械学習・AI分野
Pythonは機械学習やAI分野に強い言語です。なぜ、世界中のAI開発がPythonで行なわれているかというと、たくさんのライブラリ(プログラムの集合体)があるからです。
それらを使うと普通にプログラミングするよりもスムーズに作成できます。
機械学習やAIの実装はスピードも重要なので、効率良く開発できるPythonは機械学習やAI分野に最適といえるでしょう。
Pythonがこうした分野の開発に向いている以上、Pythonを扱うエンジニアにも人工知能などへの理解が必要となります。
サーバーサイド開発
Pythonはサーバーサイドの開発にも向いています。
ユーザーとやり取りをし、文字や画像の表示、ボタンや入力フォームなどを示す部分をフロントエンドというのに対し、Webサイトやソフトウェアの裏側で入力情報の処理や表示するためのシステムをサーバーサイドといいます。
つまり、サーバーサイド開発はアプリやソフトウェア、Webサイトなどの基盤を作る仕事であり、ユーザーの目につかない土台部分を作っているのです。
Pythonはこういった見えない部分の開発にも最適なので、YouTubeなどのさまざまなサービスの開発に使われています。
データ解析ツールの開発
Pythonはデータを解析、利用するのに適した言語です。
現在では、マーケティング活動などで膨大なデータを扱うようになりました。必要なデータを割り出し、分析し、活用するといったことは、多くの企業で行なわれています。そのため、Pythonエンジニアはデータを高速計算しスムーズに処理できるツールを作る、といった業務も行なっているのです。
このようなデータ解析ツールは、今後さらに需要が高まることが考えられるため、ますます重要な業務になっていくでしょう。
Pythonエンジニアに求められるスキル
Pythonエンジニアには、Pythonのプログラミング以外にもさまざまなスキルが求められます。そのなかでも、これから紹介する多言語への理解やライブラリスキルは必須な能力なので、ぜひ覚えておいてください。
PHPやRuby・JavaScriptへの理解
Pythonは単体でも十分機能する言語ですが、他の言語と組み合わせることで、開発の幅が広がります。なかでも、PHPやRuby、JavaScriptなどの言語はPythonと親和性が高く、多くのサービスで組み合わせて使われています。
なお、PHPはWebサービスの開発に多く用いられ、問い合わせフォームやECサイトなどに使われている言語です。また、ショッピングサイトのカート機能などでもよく使われます。
JavaScriptは、ブラウザに表示された画面に動きを与えるだけでなく、Webページ上に複雑な機能を実装する言語です。そのため、スマートフォンアプリの開発や、サーバー通信による情報の送受信にも使われています。
Pythonは、このようなネットワーク言語との相性が良いため、こうした言語を習得しておけばより多くの仕事に携われるようになるでしょう。
ライブラリへの理解
Pythonの特徴として、ライブラリが豊富なことが挙げられます。そのため、Pythonを効率良く使いこなすには、多くのライブラリへの理解が必要となります。
Pythonのライブラリには、行列演算を行なう「NumPy」や映像・画像編集用の「MoviePy」、複数ウインドウを制御するための「pyglet」など、多種多様な機能をもったものがあります。また、機械学習用の「scikit-learn」や「TensorFlow」、アプリ開発用の「Bottle」など、用途に合わせて選べるライブラリがたくさんあるのです。
こうしたライブラリを理解して使用し、効率的に開発することが、Pythonエンジニアには求められます。
未経験からPythonエンジニアになるには?
ここからは、未経験からPythonエンジニアになるために必要なポイントを紹介します。PythonはIT未経験の方でも比較的、学習しやすい言語です。これから紹介する3つのポイントを実行すれば、Pythonエンジニアとしてデビューする日が近づくかもしれません。
言語学習
まずはPythonの言語学習です。Pythonエンジニアになるには、プログラミングができなくては始まりません。
Pythonのプログラミングを学習するには、スクールに通う方法や本・教材での独学、講習会への参加などの方法があるので、自分のライフスタイルや学習意欲に合わせて選ぶとよいでしょう。
また、Pythonの認定試験などを受験すれば、実力のアピールにもなります。ある程度学習したら、受験してみるとよいでしょう。
ポートフォリオ作成
言語学習をしてしばらくしたら、実績となるポートフォリオを作りましょう。サンプルプログラムを作るのでなく1つの作品を作りきることで、転職の際に提出できるうえに、現場で必要な技術力も身につきます。
ここでのポイントは、オリジナルのプログラムを作ることです。参考書などのプログラムをなぞるのではなく、一から作成するようにしましょう。
学習したてでは、なかなか最初からプログラムを作ることは難しいのですが、ここを乗り越えればエンジニアとしてのデビューが近づくかもしれません。
エンジニア業界の知識を得る
ITやエンジニア業界が初めてなら、まず業界を知ることが重要といえます。具体的な仕事内容や年収、求められるレベルを理解すると、学習目標が立てやすく、実際に働く際のイメージもつかみやすいのです。
また、実際の案件や求人を見ておくと、どの技術が重要なのか、よく使うスキルは何かを理解したうえで学習を進められます。
こういった業界知識の把握は、技術面の習得と同様に重要な要素といえるでしょう。
まとめ
Pythonは、エンジニア未経験の方でも学習しやすい言語です。汎用性が高く、さまざまな分野で使われており、多様な開発現場で使えることも魅力といえます。
YouTubeなどの有名サービスがPythonで作られていることからも、その実用性がわかるでしょう。また、PHPやJavaScriptなどの言語とも組み合わせやすく、利便性が高い言語といえます。
もし、未経験からPythonエンジニアを目指すなら、言語学習に合わせてポートフォリオを作り、業界を研究しておくことをおすすめします。
これからIT業界への転職を考える方にとって、Pythonエンジニアは十分に選択肢に入ってくるでしょう。まずは実際に学習してみて、どういったものかをつかんでみてください。