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まだ契約書を書いたことがありませんか?
契約書は絶対に作らなければいけないものではありません。口約束や簡単なメールで仕事をはじめることもよくあることですし、契約書を交わすのはなんとなくクライアントに失礼なのではないかとためらってしまう場合もあるかもしれません。
とはいえ、どこまでが作業範囲なのかを契約の段階で決めておかないとトラブルにつながります。ここでは、業務委託契約書を作る際に注意すべきポイントや、必ず記載したい項目をご紹介します。
業務委託契約書の必要性
まずは、企業とあなたが契約を交わすことで、どのようなメリットがあるのかをしっかりと押さえておきましょう。
業務委託契約書のメリットその1――トラブル回避
契約書を取り交わして明文化すれば、お互いの権利や義務を明らかにし、ビジネスを円滑に進めることができます。また、記録として残るので、後々のトラブル回避にも役立ちます。業務内容を明確にしておかずに曖昧な部分があると、お互いが自分勝手に考えてしまうことになりかねません。
業務委託契約書のメリットその2――互いに信頼感が増す
契約書がない状況で仕事を進めていくと、何かトラブルがあったときに追及の根拠がなく、契約を守らない可能性が残ってしまいます。そういった状態でお互いに仕事を進めていくと、信頼が薄れてしまうかもしれません。予測できるリスクや対処法を前もって記しておくことによって損害などの心配がない状態にしておけば、業務に集中できます。
業務委託契約書を作るポイント
あなたが自分で契約書を作り、相手に同意してもらうときには、押さえておくべき注意事項がいくつかあります。
ここでは代表的なポイントを取り上げていきます。
契約書を作るときのポイントその1――業務範囲の設定
契約の段階で、どこまでやって製作完了なのかをはっきりさせておく必要があります。例えば「Webサイト制作」という案件をあなたが受けたとすると、場合によっては納品後のホームページの更新作業も担うようなこともあり得るからです。業務範囲をよく予想して、契約書で前もってはっきりさせておきましょう。
契約書を作るときのポイントその2――料金や報酬について
報酬が最も重要なポイントと言えるでしょう。「納品してから一週間以内」など、支払い期限も明記します。金額は「別途協議の上決定した金額」や、「仕様書に定めている通り」などと記し、具体的に触れないこともできます。
また、問題となるのが税金の取り扱いです。消費税や源泉徴収をどのようにするのかは、必ず明記しておきましょう。また、振込の際の振込手数料はトラブルの原因となりがち。負担する側を明記しましょう。
契約書を作るときのポイントその3――着手金についての記載
着手金とは、仕事を開始するより先に報酬の一部を受け取ることです。フリーランス側のメリットとしては全額お金が受け取れないという心配がなくなり、クライアント側も先払いしているだけにしっかり仕事を求めやすくなるという点が挙げられます。
しかし、着手金はトラブルの原因にもなり得ます。案件が途中キャンセルになったとき、着手金はどうするかをしっかり決めておくことは大事なポイントです。
契約書を作るときのポイントその4――キャンセル料について
どちらかの都合で契約キャンセルをした場合、その報酬についてもしっかり想定しておきましょう。単なるキャンセルだけではなく、やむをえない事情で納品が遅れた場合は「話し合いによって今後の対応を決める」と記載しておくと確実です。
契約書を作るときのポイントその5――著作権についての記載
報酬が支払われた時点で、著作権はクライアントに移転するということを定めている契約書が一般的です。しかしながら、納品後も著作権は製作者側に残り続けるケースもあります。例えば、イラストや写真などの納品物の場合は、勝手に二次使用されないように明記したり、拡大・縮小などといった加工ができる範囲を明確にしておいたりする必要があります。
最近は特にそういった画像の転載についてのトラブルが頻発しています。よく注意して、契約書に明記しておくようにしましょう。
フリーランスが使いやすい契約書のテンプレート
作成しやすい契約書のテンプレートがありますので、ここで最後にご紹介しておきましょう。どちらもわかりやすく簡単に作成できます。
Web系フリーランスをモンスタークライアントから守る契約書
http://websae.net/contract_document/労働契約書の書き方見本ダウンロード
https://www.bizocean.jp/doc/category/81/まとめ――「事前の一策、事後の百策に勝る」
以上、今回は業務委託契約書についてフリーランスが作るメリット、それからトラブルに陥りがちな注意ポイントについてご紹介していきました。
「事前の一策、事後の百策に勝る」
という言葉があります。
前もって様々な策を講じていれば一策で済むけれども、何か問題が生じてから対応すると百策でも足りないという意味です。
A stitch in time saves nine.(一針が、九つのほつれを救う)
英語でも同じようなことわざがあります。契約書は前もってリスクを想定し、業務を効率化させるためのものなので、しっかりと作成するようにしましょう。
とはいえフリーランスはそういった周辺業務にとらわれている時間がないという方も多いのが実情。PE-BANKでは、周辺業務を代行するサービスを提供していますので、ぜひご活用ください。
事務代行