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日に日にグローバル化が進む現代社会において、英語は必須のスキルです。
高い英語力を持っている人は、翻訳や貿易、観光業、ITエンジニアなどさまざまな業界でフリーランスとして活躍することもできます。
この記事では、英語が得意なフリーランスにおすすめの職種や必要な準備、仕事の探し方などについて詳しく紹介していきます。
将来的に、語学力を活かせるフリーランスに憧れる方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
英語が得意なフリーランス需要や注目度がアップ
経済産業省によると、現在日本国内の人口や世帯数は減少傾向にあり、相対的な市場規模についても著しい縮小や変化が生じやすいとされています。
こうした状況を乗り越えるために、日本の大手企業の多くは急速にマーケットが発展する新興国に目を向け、海外進出を検討しています。そのため、多くの企業が求めているのは、海外にまたがるビジネスで成果を残せるグローバルな人材です。
具体的には以下のような項目が必要とされるでしょう。
・高い語学力
・高いコミュニケーション力
・日本文化や歴史の理解
・異文化理解
・チャレンジ精神
社内教育だけでは向上しにくい英語力
グローバル人材の育成において大きな課題とされているのが、日本人の英語力です。
あるスイスの研究機関によると、日本人の平均的な英語力はそこまで高くないといわれています。また、社員教育だけでは英語力の向上が難しいことも課題でしょう。
海外進出を検討しているが、英語力が高い人材をなかなか育てられない……。こうしたジレンマを抱える日本企業では、すでに高い語学スキルを持つフリーランスに外注することを考え始めています。
したがって、グローバル化が進むこれからの時代は、英語力を備えたフリーランスの需要はさらに高まる可能性が高いといえるでしょう。
フリーランスで英語を活かせる仕事、職種
フリーランスとして英語を活かせる仕事や専門職種には、以下のような種類があります。
翻訳者
翻訳は、英語の文章を日本語、日本語の文章を英語に翻訳する仕事です。翻訳には、以下のようにさまざまなジャンルがあります。
・小説
・論文
・コーポレートサイト
・映画の字幕
・メール
・ブログ記事 など
翻訳者として活躍するには、900点前後のTOEICスコアが目安だといわれています。また、分野によっては専門知識や調査力、読解力なども必要です。
ライター
ライターは、翻訳に近い位置づけの仕事です。ただしライターの場合、以下のようなジャンルについて、文章をゼロから執筆するスキルも必要となります。
・日本文化
・歴史
・観光地
・アニメ
・音楽 など
この職種に求められるTOEICスコアは、800点前後だといわれています。また、近年需要の高いWebメディア領域で活躍するには、Googleに評価される文章を書くためにSEOなどの知識も必要です。
ブリッジSE
ITエンジニアの世界でも、英語力があれば仕事の幅が大きく広がります。なかでも英語力を活かせるエンジニアの代表格は、海外企業との開発案件を担当するブリッジSEです。
ブリッジSEは、近年コストが安い国の企業に業務委託するオフショア開発の普及によって、注目されるようになった職種で、海外の言語や企業文化を理解し、日本の会社との懸け橋(ブリッジ)になることが求められます。
ブリッジSEとして活躍するには、クライアント企業のニーズを聞き出せるレベルの英語力と、開発プロジェクトをディレクションできるだけのスキルも必要です。
日本語講師
外国人労働者や留学生などに日本語を教える仕事です。なかには、海外で日本語を教える場合もあります。
日本語学校などに通う外国人は、日本の風習や文化に高い関心を持っている傾向にあります。そのため、単純に日本語を教えるだけでなく、コミュニケーションを通して日本文化やマナーなどを伝えられると理想的でしょう。
TOEICスコアについては、700点以上が目安となります。
英会話講師
ビジネスのグローバル化によって、日本国内における英会話講師の需要は非常に高まっています。活躍の場も幅広く、予備校や塾、英会話スクールの他に、近年ではオンラインレッスンを行なう人も多くなりました。
英会話講師の場合、在籍するスクールの種類や、生徒のレベル、属性によっても必要スキルが変わってきます。ですが、幅広い業界で自由に仕事を選ぶためには、TOEICスコアで750点以上、英検であれば準1級以上あるのが望ましいでしょう。
ビジネスサポート
ビジネスサポートとは、海外企業の日本オフィスなどで、お客様からの問い合わせ対応や文書作成、各種連絡の調整などをする仕事です。会社によっては、ビジネスアシスタントと呼ぶこともあります。
すきま時間などを利用してテレワークでできる仕事も多いため、クラウドソーシングを通して求人を見つけることも可能です。
求められるスキルは、業務内容によって異なります。一般的には、日常会話程度の英語スキルの他に、パソコンを使った事務処理能力などが必要です。
ツアーコンダクター
ツアーコンダクターは、国内外の旅行の現地案内や、プランの作成・管理などを行なう仕事です。旅行添乗員とも呼ばれ、求められる語学力は英会話レベルで十分とされています。
ただし、ツアーコンダクターとして活躍するには、旅程管理主任者という資格が必須です。
輸出入業務の代行
市場のグローバル化によって、海外のECサイトで購入したものを国内販売する、逆に日本の商品を海外向けに売るといった代行業務の需要も高まっています。
この仕事をする場合、取引先とのコミュニケーションは基本的に英語です。チャットやメールの場合、翻訳ツールを活用することも可能ですが、ある程度の英語力は必要でしょう。
輸出入の代行業務で活躍するには、TOEICで700点前後の英語スキルとともに、国内外の市場から人気商品などを見極めるセンスなども求められます。
フリーランスで英語を活かせる仕事の探し方
英語を活かせるフリーランスになるには、以下の3つの方法で仕事を探すことが一般的です。
クラウドソーシングを活用する
クラウドソーシングとは、発注者がインターネット上でフリーランスや個人事業主に仕事を委託する仕組みです。このサービスには、翻訳やビジネスサポート、ライターといった在宅でできる仕事が特に多く掲載されています。
登録料は基本的に無料のため、フリーランスとして独立したばかりで初めて仕事を探す人にも利用しやすいでしょう。
求人サイトやフリーランスエージェントを活用する
日本語講師や英会話講師、海外で活躍するコンサルタントなどの場合は、フリーランスエージェントや求人サイトを利用するのもおすすめです。求人サイトの掲載案件でも、業務委託契約の場合は、フリーランスとして働けます。
エージェントを利用した場合、希望条件を伝えることで自分に合った仕事を紹介してもらうことも可能です。また、自分ではなかなか話しにくい単価アップなどの条件交渉もしやすくなります。
人脈を活用する
最初から理想の条件に近い仕事を求める場合には、前に勤めていた会社の同僚や、同業者の友人などの人脈を使う方法もおすすめです。人脈を介せば、仕事を依頼する相手もこちらの語学力や人となりをある程度知っていて、互いに不安なく業務を進められるメリットがあります。
ただし、独立後すぐに仕事をもらうには、「このような案件はありませんか?」と気軽に相談できるだけの関係性をあらかじめ築いておくことが重要です。現状仕事の相談ができる人脈がない場合は、独立前にフリーランス向けの交流会に参加したり、SNSなどを活用したりして多くの人とつながっておくと良いでしょう。
英語を使うフリーランスになるために必要な準備
英語力の高いフリーランスとして活躍するには、独立前に以下のような準備が必要です。
なりたい仕事や職種の情報を集める
フリーランスとして英語力を活かしたい場合、職種や会社によって求められる語学レベルや資格、知識などの条件が変わってきます。したがって、将来的に独立を考えている人は、自分の希望する職種に必要な資格取得などの準備を早期に進めておくのがおすすめです。
具体的な職種の絞り込みができれば、TOEICで目指すべき点数も見えてくるでしょう。英語を活かせる案件が多いクラウドソーシングや求人サイトを見ると、求められる基準なども把握できます。
作業環境を整える
在宅で働くフリーランスになる場合、企業のビジネスサポートや翻訳に集中するために、以下のような環境を整えておきましょう。
・デスク
・椅子
・パソコン
・プリンター
・Webカメラとマイク
・ZoomやSlackなどの各種アカウント など
名刺やブログ、ホームページなどを用意する
人脈をつくるためにフリーランスの交流会などに参加する場合、自己紹介で交換する名刺が必須アイテムです。こうした場所では、短い時間で自分の得意分野やスキル、過去の実績などをアピールすることが求められます。
伝えたい情報が多く、その場で説明しきれない場合は、自分のブログやホームページに英語を使った仕事の実績を記載し、名刺のQRコードからそのページを開ける工夫などをしてみても良いでしょう。
まとめ
市場のグローバル化によって、高い英語力を持ったフリーランス人材の需要は非常に高まっています。また、日本国内で働くITエンジニアについても、世界的企業や技術者から発信された最新情報を入手するという意味では、英語力を高めるメリットは非常に高いです。
そのため、将来的にITエンジニアとして高いキャリアアップを考えている人は、自身のITスキルと併せて語学力アップにつながるトレーニングや学習を積んでおくと良いでしょう。