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昨今は、会社に勤める従来型の働き方以外にも、個人が多様な形で仕事ができるようになりました。そして、副業やフリーランスなど、より柔軟な働き方に注目が集まっています。
「フリーランス」という言葉はよく耳にするものの、どのような働き方なのか、どのような仕事があるのかを、具体的にイメージできていない方も多いのではないでしょうか。
そこでこのガイドでは、フリーランスの働き方や実際に人気のあるおすすめの仕事について解説します。
フリーランスとは
ここでは、フリーランス(ITフリーランス)に関する定義・意味を紹介したうえで、おもな契約方法について解説します。
ITフリーランスの定義・意味
ITフリーランスとは、企業や組織に所属せず、仕事を個人で請け負う働き方を指します。クライアントから求められる技術やコンテンツを契約ごとに提供し、その対価としての報酬を受け取る契約形態です。
そもそも「フリーランス(freelance)」は、「Free(自由・無料)」と「Lance(槍)」という単語を組み合わせた言葉です。その語源は、戦争でおもに槍が用いられていた中世ヨーロッパに、傭兵団に所属せず王や貴族と自由契約を結ぶ傭兵を「フリーランス」と呼んでいたことにあります。
組織に所属せず、自身のスキルや経験を活かして仕事を請け負うのであれば、誰でもフリーランスと定義することが可能です。フリーランスでは、請け負う仕事を自由に選べるものの、受注から納品までをすべて自己責任で完結させる必要があります。
フリーランスのおもな契約方法
フリーランスとして働く場合のおもな契約方法に、以下の2つが挙げられます。
・請負契約:成果物に対して報酬が支払われる契約
・準委任契約:法律行為以外の業務に対して報酬が支払われる契約
ITエンジニアがフリーランスとして契約を結ぶ場合、ホームページ制作や記事制作、デザイン制作など、小規模な開発に携わる際には、請負契約を結ぶことが一般的です。一方、大規模なプロジェクトに携われ、より高い専門性を持っているITエンジニアは、準委任契約を結ぶことが多い傾向にあります。
準委任契約では、時間単価で契約を結ぶケースもありますが、月額で報酬が固定されており、規定工数に対する実工数に応じて支払う報酬が調整される、という契約が大半です。
フリーランスと個人事業主の違いとは
続いて、フリーランスと個人事業主の違いや、個人事業主と法人が異なる要素について確認していきましょう。
フリーランスと個人事業主の違い
個人事業主とは、税務書に開業届を提出したうえで働く個人のことで、税法上で定義された存在です。一方、フリーランスは特定の企業や団体に属さない「働き方」を指している点が、個人事業主とは異なります。
個人事業主もフリーランスの区分には入りますが、青色申告特別控除や補助金を受けられるメリットがあることも違いといえるでしょう。
また法人は、事業開始にあたって法人登記を行なった事業者を指します。個人事業主が法人化することで、課される税金が変わるなど税制上の利点があるため、事業規模によっては法人化を検討したほうがよいでしょう。
個人事業主と法人が異なる3つの要素
ここでは、個人事業主と法人が異なる3つの要素を解説します。
納める税金
個人事業主が納める税金には、所得税や個人住民税などがあります。所得税は、年間収入から経費などを差し引いた金額が課税所得となり、累進課税方式により、課税所得が大きいほど税率が上がるという仕組みです。最大45%の税率がかかります。
一方、法人が納める税金には、法人税や法人事業税、地方法人税、法人住民税などがあります。法人税は、資本金1億円以下の法人などであれば、課税所得 800万までは税率15%(一部の事業者は税率19%)、800万を超えると税率23.2%となり、それ以外の普通法人では課税所得金額に関係なく、税率 23.2%です。これ以上税率は上がらないため、課税所得 800万が法人化を検討する一つの目安になるでしょう。
ただし法人の場合、たとえ赤字であっても法人住民税の均等割を毎年一定金額、支払う義務があります。
経費の扱いや事務処理
個人事業主であれば、消耗品や書籍代、セミナーへの参加費用など、事業に必要な諸々の支出を経費として、年間収入から差し引くことができます。法人の場合でも同様に、経費とすることができます。
ただし、どちらにおいても事業に必要な支出と個人的な支出を明確に区別する必要があります。また、個人事業主が自身に給与を支払うという考え方は存在しないため、自身への支払を給与として経費にはできません。その点、法人では一定の要件を満たす場合、自身への支払いを役員報酬という扱いで経費にすることができます。
また、法人が行なう事務処理として、法人としての登記、社会保険の加入、年末調整、源泉徴収義務、複雑な法人税の申告などがあり、さまざまな事務処理が必要になります。
社会的な信用度
フリーランスにとって、自分のスキルがそのまま報酬に反映されることは大きなやり甲斐ですが、高いスキルさえあればどのような仕事も受注できるとは限りません。取引先によっては社会的な信用度をより重視し、法人でなければ契約できないといった条件を出してくるところがあるのも事実です。
また、業務拡大に向けて銀行融資や人材募集を考える際にも、法人のほうが有利なことが多くあります。そのため、フリーランスは「自分の仕事を今後どのように展開していきたいか」を考えながら、事業形態を選択することが大切です。
フリーランスとして働く4つのメリット
フリーランスとして働くメリットを4つ紹介します。
実力に見合った収入を得られる
高いスキルと自己管理能力があり、仕事の出来映えで顧客の信頼をしっかり得ている人なら、フリーランスとして働いても平均的なサラリーマンの年収を超える収入を得られるケースも多くあります。「働いた分だけ報酬がある」というわかりやすさも、フリーランスで仕事をするうえでの大きなモチベーションです。
働き方を自身で自由に選べる
フリーランスは、働く場所や時間を自身の希望に合わせて、自由に選択しやすいメリットがあります。例えば、準委任契約を結ぶフリーランスは多くの場合、客先常駐という形でさまざまな企業で働く機会を得られます。
また、自身が提供できるスキルと業務内容の相性や、自身のキャリアプランとの適合性などを考慮しながら、じっくりと案件を選べることもメリットです。フリーランスとして実績を積むことで、より大きな規模のプロジェクトに携われる可能性も高まるでしょう。
クライアントと直接やり取りできる
会社員の場合、クライアントと仕事をする際には取引会社のなかの一人という立場で向き合いますが、フリーランスとなれば自分が会社そのものであり、自分が行なった仕事の成果を直接クライアントに判断してもらうことになります。クライアントの生の声を聞く経験は、仕事を続けるうえでの貴重な刺激となり、さらなる向上心にもつながります。
長期間現役で働き続けることができる
フリーランスとして働く人に定年はありません。気力や体力、クライアントの要望に応えるスキルを維持していれば、たとえ何歳になろうと仕事を続けることができます。
また、いったん会社を定年退職した人でも、それまでの経験や人脈を活かして個人事業を立ち上げるといった形で、フリーランスに移行するケースも増えています。
フリーランスの働き方にはデメリットもある
フリーランスの働き方にはメリットがある一方、いくつかのデメリットもあります。フリーランスとして働く際のデメリットを見ていきましょう。
収入が不安定になりやすい
固定給で働く会社員と異なり、アサインされた案件ごとに報酬を受け取るフリーランスは、収入に波が出やすい傾向にあります。収入を安定させるには、継続的なスキルアップで一定量の案件を獲得したり、資産形成を行なったりすることが重要です。
資産形成の一例を挙げると、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入した場合、フリーランスは第1号被保険者として月額6万8,000円(年間81万6,000円)(※)まで掛金にできます。
※国民年金基金や国民年金付加保険料と合わせた上限
また、iDeCoの掛金は積み立てた全額が所得控除となり、所得税と住民税の軽減効果を得られるうえに、運用益も非課税です。ただし、原則として60歳までは、資金を換金して引き出せないことを留意しておきましょう。
社会保険料の自己負担額が増える
フリーランスとして働くと、企業に社会保険料を負担してもらえる労使折半ではなくなります。そのため、健康保険や国民年金保険、介護保険(40歳以上が対象)などの社会保険料の自己負担額は、会社員のときよりも増えるケースが少なくありません。
その場合の対策例として、青色申告特別控除を利用することや、仕事に関係するものを購入した際に経費計上することが挙げられます。国民健康保険料は所得などで変わるため、これらの方法で課税所得を減らすことが有効です。
フリーランスが経費として計上できる費用の具体例には、以下が挙げられます。
・パソコンの購入費
・仕事で必要な教材や書籍の購入費
・作業に必要な通信費
・資格試験の受講料
・取引先企業との交際費
・事務用品の購入費
なお、青色申告を行なう際は、経費として計上した費用を証明する領収書を、原則として7年保存しておく必要があるので気を付けましょう。
他者と関わる機会が減る
案件の契約形態などにもよりますが、一般的にフリーランスとして働く場合は他者と関わる機会が減りやすくなります。他者との接点を持つには、コワーキングスペースの利用や、フリーランス向けのコミュニティに所属することになるでしょう。
例えば、コミュニティに所属した場合は、仕事の悩みについて相談したり、勉強会などのイベントに参加できたりします。フリーランスは会社員のように同僚や上司に質問できないため、ある程度の自己解決能力は必須ですが、このようなコミュニケーションの場を活用することでデメリットをカバーしやすくなります。
フリーランス人口は増加傾向に!
フリーランス人口が増えている背景には、働き方の多様化や副業解禁、リモートワークの普及などが挙げられます。
厚生労働省は2018年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、「モデル就業規則」に以前含まれていた「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除しました。そして、2020年9月のガイドラインの改定にともなって、新たに「第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。」という副業を認める条文を追加しました(※1)。この変更により、副業を解禁する企業が近年増えています。
また、内閣府が2019年に発表した「日本のフリーランスについて」という調査では、フリーランス相当の働き方の人数規模は、306万人~341万人と試算されています(※2)。
これらを踏まえると、今後もフリーランスとしての働き方を選ぶ人が増えることが予想されるでしょう。
※1 参考:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
※2 参考:内閣府政策統括官「政策課題分析シリーズ 17 日本のフリーランスについて ―その規模や特徴、競業避止義務の状況や影響の分析―」
フリーランスにおすすめの仕事16選
フリーランスの仕事は世の中にたくさん存在しますが、今回はそのなかでもおすすめの仕事を16種類厳選して紹介します。
フリーランスとして働きやすい職種をピックアップして大きく分類すると
・システム開発を行なう「ITエンジニア系」
・他社の売上に貢献する「マーケティング系」
・何かを作り出す「クリエイティブ系」
といった仕事の人気が高くなっています。
以下、分類ごとに紹介していきます。
ITエンジニア系7選
ITエンジニアとは、システム開発を行ない、その成果に対して報酬が支払われるタイプの仕事です。ここでは、フリーランスエンジニアの代表格となる職種を紹介します。
①プログラマー
プログラマーは、プログラミング言語を利用してWebサイトやアプリケーション・システムなどの開発を行なう仕事です。
プログラミング言語の種類は多数存在しており、それぞれの言語によって需要の多さも異なります。複数の言語スキルがあるプログラマーは希少価値が高いため、年収も上がりやすい傾向にあります。
プログラマーとは?システムエンジニアとの違いや仕事内容、年収、おすすめの資格について解説
②システムエンジニア(SE)
システムエンジニアは、プログラマーよりさらに上の階層の仕事です。プログラマーが作成するシステムについて、要件の設定や設計を行なったり、システム開発プロジェクトの進捗管理などを担当したりします。プログラマーに比べると作業領域が広いため、年収は高くなる傾向にあります。
プログラマーに比べると作業領域が広いため、年収は高くなる傾向にあります。
システムエンジニアとして経験を積みながら、さらに上の階層であるプロジェクトマネージャー(PM)を狙う、というキャリアプランが一般的です。
SE(システムエンジニア)とは?SEの仕事内容やなり方、必要資格を解説
③インフラエンジニア
インフラエンジニアは、インターネットの基盤を支えるエンジニアを指します。仕事内容は、サーバーの構築や運用保守などです。
インフラエンジニアのなかでも専門とする領域によって、ネットワークエンジニアやサーバーエンジニア、データベースエンジニア、セキュリティエンジニアなどが存在します。
要件定義やネットワーク構成の設計、エンジニアに必須のコミュニケーションスキルなど、さまざまなスキルや技術の掛け合わせにより、年収は上がっていきます。
インフラエンジニアとは?仕事内容や必要なスキル、向いている人、年収について完全ガイド
④データアナリスト
多くの企業がビッグデータの活用に注目する現代では、データの収集や分析を通して企業の経営課題などを解決するデータアナリストなどの需要も高まっています。また、データから課題抽出するデータサイエンティストも、アナリストと同様に人気の高い仕事の一つです。
データアナリストになるには、基礎数学や機械学習用フレームワークなどの知識、プログラミングスキルが必要です。この職種で独立を目指す場合は、まずシステム開発会社などで経験を積みながら、求められる知識の習得や資格取得をするのが理想でしょう。
⑤組み込みエンジニア
組み込みエンジニアとは、以下のような工業製品や家電が動く仕組みをつくる職種です。
・カーナビゲーション
・ゲーム機
・スマートフォン
・電子手帳
・工業用ロボット など
家電やOA機器などのプロジェクトに携わった場合、家電量販店などに立ち寄ったときに、自分が仕組みを考えた製品に遭遇することがあります。そのため、組み込みエンジニアは、IT系のなかでも特にやりがいを得られやすい職種だといわれています。
⑥Web系エンジニア
Web系エンジニアとは、WebアプリケーションやWebサービスの設計開発をする仕事です。わかりやすい例としては、オンライン証券や航空券などのチケット予約などのWebサービスが挙げられます。
Web系エンジニアとして活躍するには、こうしたサービスを安全に動かせるだけのネットワーク環境や、セキュリティ対策などの基本知識が求められます。また、お客様のニーズに対応するために、基本的なWebマーケティングやビジネス知識なども必要となるでしょう。
⑦ゲームエンジニア
ゲームエンジニアとは、ゲーム開発に携わる技術者の総称です。この職種の大きな特徴は、携わるプロジェクトや人によって仕事内容が大きく変わることです。なかには、ゲームの詳細設計から運用保守までをすべて任せるケースもあります。
ゲームエンジニアには、プランナーやディレクター、リリースマネージャーといった多彩なキャリアパスがあります。そのため、開発プロジェクトで積んだ経験やスキルを使い、フリーランス独立後のキャリアに活かしやすい職種と考えてよいでしょう。
また、開発中のゲームが仕様書どおりに動くのか、不具合(バグ)がないかを確認するゲームデバッカーやテスターというポジションでも、フリーランスの案件はあります。ゲームエンジニアと違い、比較的目立たない仕事ではありますが、縁の下の力持ちとしてゲーム開発に貢献できます。ゲームエンジニアへの登竜門としても、注目されている職種です。
マーケティング系3選
フリーランスの仕事として、ITエンジニアと並んで代表的なのがマーケティング系の仕事です。そのなかでも、おすすめの仕事について解説します。
①Webライター
副業として人気の仕事のなかでも、代表的なのがWebライターです。在宅で仕事ができる強みを持ち、未経験者でもクラウドソーシングサイトなどを利用して案件を獲得できます。
<おすすめのクラウドソーシングサイト>
・ランサーズ
・クラウドワークス
・サクラサクワークス
・EDILENT(エディレント) など
Webライターの報酬は、文字単価で設定されるのが一般的です。最初は1文字1円以下の案件からスタートすることが多いものの、実績やWebライターとしてのスキルを磨けば、文字単価をどんどん上げられます。なかには、1文字3円~という、高単価の仕事を請け負っているWebライターも存在します。
高単価の案件を請けるには、単純な文章のうまさだけでなく、WebマーケティングやSEO、広告周りの知識・スキルを保有していると有利になるかもしれません。また、Webディレクター的な立ち回り(外注ライターの管理や案件の進捗管理)ができると、報酬が上がりやすい傾向にあります。
②ブロガー・アフィリエイター
ブロガー・アフィリエイターは、Webライターと並んで人気のある仕事です。副業から手軽に始めやすいので、軌道に乗ったらフリーランスとして独立するとよいでしょう。
ブログやアフィリエイトで稼ぐためには、自分のブログを検索上位にするためのSEOに関する知識などが必要です。さらに、広告をクリックしてもらうためのコピーライティングスキルや、自分のファンを増やすためのブランディング戦略など、総合的なWebマーケティングのスキルが要求されます。
一部では「楽に稼げる仕事」という、いい加減な情報も多い業界ですが、実際には高度なスキルが要求され、稼ぐためには知識とスキル、そして実践での試行錯誤が必要です。大変な部分もありますが、ブログやアフィリエイトを実践する過程で、Webに関する幅広いスキルが身に付くので、Webマーケターへの転身なども視野に入れることができます。
ちなみに、アフィリエイトとは、他社の商品を自分のブログなどで紹介し、商品が売れたらその分の報酬を企業から受け取るというもの。爆発的に商品を売ることができれば、収入は青天井で増えていきます。
③Webマーケター
Webマーケターは手がける領域が非常に広く、複数のスキルを掛け合わせてクライアントのWeb売上向上に貢献する仕事です。代表的な仕事内容には、Webディレクション、広告運用、SEO施策などがあります。
Webマーケターは未経験あるいは経験が浅い状態からの独立は難しいため、Webマーケティング会社で最低1年以上の実務経験を積んでから、フリーランスとして独立するのがおすすめです。
クリエイティブ系6選
何かを作り出すクリエイティブ系の仕事も、フリーランスとして人気があります。
①Webデザイナー
Webデザイナーとは、クライアントから依頼されたWebサイトのデザイン制作を行なう仕事です。クライアントから要望を引き出して構成・レイアウトを決定し、その後コーディングやデザイン制作を行ないます。
クラウドソーシングサイトやフリーランスサイトで案件を受注するのが、一般的な働き方です。
②YouTuber
YouTubeに動画投稿を行ない、動画視聴にともなって発生する広告収益を得るのがYouTuberです。
チャンネルを収益化するためには、チャンネル登録者数が1,000人以上いることが、必要条件の一つです。一種のタレント業になり、人気が出るかどうかは運に左右される部分も大きく、やや不安定ではあります。
専業YouTuberとして活動する以外にも、例えばフリーのWebデザイナーが広告デザインのノウハウ動画を投稿して、知名度アップ・信頼獲得につなげる、という活用もできるでしょう。動画の概要欄にホームページやランディングページのURLを載せるなどして、YouTube経由で自分の商品・サービスを売ることも可能です。厳密なYouTuberの定義からは少し外れますが、YouTubeの活用方法として覚えておいて損はありません。
③動画編集者
YouTuberなどのクライアントが撮影した動画を編集し、公開できる状態にするのが動画編集者の仕事です。クライアントから要望を引き出し、動画時間やコンテンツの構成を検討して動画編集を行ないます。
昨今では、YouTuberの増加により動画編入のニーズが増えているため、クラウドソーシングサイトなどで多数の案件があります。
動画編集者自身にYouTubeで収益化した経験・実績があると、報酬が高くなる傾向にあります。
④イラストレーター
イラストレーターとは、以下のようなシーンで使われるイラストを制作する仕事です。
・雑誌などの紙媒体
・広告
・ゲームキャラクター
・企業ロゴやイメージキャラクター など
Webデザイナーと同様に、IllustratorやPhotoshopなどを使いこなせるスキルが必須です。
この職種の案件は、手軽に受発注できるクラウドソーシングで募集されやすい傾向があります。ただし、なかには低単価の案件もあるため、イラストレーターとして活躍するには、自分に合った仕事を見極めることが必要でしょう。
⑤グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーとは、以下のような媒体に載せるビジュアルデザインをする仕事です。
・パンフレット
・広告
・商品パッケージ
・チラシ
一般的なグラフィックデザイナーは、プランナーやディレクター、フォトグラファーなどとプロジェクトチームを組んで働くのが一般的です。そして、以下のように多彩な仕事を行ないます。
・デザイン考案
・レイアウト制作
・編集
・入稿データ作成
また、経験を積んだデザイナーのなかには、新製品のグラフィックデザインを切り口に企業のブランディングなどに携わる人もいます。
⑥カメラマン
カメラマンは、自分で知識や経験を増やし、アマチュアからフリーランスになるケースが多いといわれています。カメラマンとして活躍するには、以下のようなジャンルのなかで自分の得意分野を持つことが大切です。
・報道
・広告
・スポーツ
・スタジオ
・学校
・芸術 など
写真館などから独立する場合は、その頃の人脈を利用して仕事を受注するのが一般的です。SNSが普及した近年では、Instagramなどに自分の写真を公開し、ハッシュタグなどを使って集客するカメラマンも増えています。
結論:フリーランスの仕事でおすすめなのはITエンジニア
フリーランスの仕事には数多くの種類がありますが、そのなかで現在最もおすすめしたいのはITエンジニアです。なぜなら、ITに関する仕事が増える一方で、IT人材は慢性的に不足しており、企業側はITに強い人材、すなわちITエンジニアを常に探しているからです。
最初からフリーランスになるのではなく、企業に入ってITエンジニアとしてのキャリアを積み、仕事への対価が十分でないと感じた場合にフリーランスへの転向を検討することも可能です。フリーランスエンジニアになれば、クライアントと自分の間に会社を挟まないため、売上がすべて自分の報酬に反映されるメリットがあります。
フリーランスになるには?デビューまでの流れと準備内容
フリーランスになるには、どのような流れで準備を進めていくのか、6つのステップで解説します。
①クレジットカード・ローンの審査を受ける
クレジットカードを作っておき、住宅や車などのローンを組む予定があるなら、ぜひ会社を退職するまでに手続きをしておきましょう。
残念ながら、フリーランスはまだまだ社会的な信用度が低いのが現状です。安定的な収入が保証されている会社員のうちに準備しておかないと、フリーランスとして独立したあとはカードの審査が通りにくくなってしまいます。また、ローンの融資額を引き下げられるなどのトラブルに、手間と時間をとられてしまう場合があります。
②健康保険と年金を切り替える
会社を退職してフリーランスに転身後は、厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。また、健康保険も国民健康保険へ切り替えるか、退職後2年間は会社の健康保険に継続加入するかを選択します。
どちらのほうが支払金額を安くできるかは市区町村によっても異なりますが、会社の健康保険を任意継続する場合は、退職後20日以内の申請が義務付けられています。そのため、できるだけ早めに確認して手続きを済ませましょう。
③開業届と青色申告承認申請を準備する
フリーランスとして活動を始めるにあたっては、「個人事業の開業・廃業等届出書」いわゆる開業届が必須です。最寄りの税務署でもらえるほか、国税庁のWebサイトからもダウンロードできます。提出時期は「事業の開始等の事実があった日から1ヵ月以内」です。
また、確定申告時に青色申告を選択する予定なら、開業届を提出する際に「青色申告承認申請」もまとめて手続きしておくとよいでしょう。青色申告を選択すると、最大65万円の特別控除のメリットが受けられます。
青色申告承認申請書は開業届と同様に、最寄りの税務署か国税庁のホームページより入手することができ、提出は「事業開始の日から2ヵ月以内」が期限です。
④仕事に必要なものをそろえる
フリーランスで事業を始めようとすると、社員時代には会社が提供してくれていたインターネット環境や営業ツールなど、必要なものはすべて自分で準備しなくてはなりません。新しい名刺、屋号と事務所住所が入った印鑑や封筒、切手類など、事務周りの備品もそろえていきます。
また、青色申告は帳簿の作成が複雑なため、経理の負担を軽減できる会計ソフトの導入を検討する方も多いようです。
⑤自分のアピールポイントを整理する
フリーランスは、自分の好きなことや得意なことを仕事にできる点が大きな魅力です。しかし、ただ得意分野を看板に掲げただけでは、顧客の信用を勝ち取るアピールにはなかなかつながりません。
仕事の内容や働き方が細分化しつつある時代だからこそ、これまでにどのようなキャリアがあるのか、具体的にどのスキルを用いて問題解決してきたか、今後どのような仕事にチャレンジしたいか、といった自分のアピールポイントをしっかり整理しておくことが大切です。
フリーランスとして簡単なポートフォリオを作成し、仕事用のSNSやホームページを立ち上げるなど、さまざまなツールを有効に使って情報発信をしていきましょう。
⑥営業の第一歩として開業を報告する
いよいよ開業したら、これまでに培った人脈を活かすため、友人や知人、以前取引があった相手などに幅広く開業報告をしておきます。
必ずしも仕事につながるわけではありませんが、何かの機会に「そういえば……」と思い出してもらえるかもしれません。そのため、最初に丁寧なご挨拶で印象付けることが、フリーランスの営業としての第一歩になります。
フリーランスが収入をアップさせる4つのコツ
ここでは、フリーランスが収入をアップさせるために有効な4つのコツを紹介します。
営業力をつける
フリーランスは営業活動を自分自身で行なわなくてはならず、契約の際にもしっかりと自分の利益を確保するための交渉力を持つことが重要です。受注契約を成立させるまでにどう話し合いを進めていくのか、自分なりのチェックリストや確認事項のフォーマットを作成しておくと、取引先との交渉をスムーズに進める助けとなります。
情報収集と人脈の構築に努める
あらゆる職種において、流行のスタイルや技術革新は日々変化していきます。フリーランスで仕事を進めていると、そうした最先端の情報からつい遅れをとってしまいがちです。しかし、勉強会や交流会に積極的に参加することで、知識や技術を補い合える同業者と出会う機会を増やすことができます。
問題解決に悩んだときや、忙しくて手が足りないときにヘルプを頼める人脈を育てておくと、仕事の効率が上がるだけでなく、気持ちのうえでも大変心強い支えとなってくれます。
エージェントサービスを利用する
近年では、仕事の案件情報を提供したり、クライアントとの仲介役を担ったりするエージェントサービスが数多くあります。募集中の案件から得意分野の仕事を選んでアプローチしていくことも、受注を増やす近道です。
クラウドソーシングを利用したシステムでは、全体の売上から手数料を1~2割程度引かれた額が報酬となることがほとんどですが、まずフリーランスとしてクライアントとどう仕事を進めていくべきかを知るうえでは、良い経験になるでしょう。
なお、フリーランス協会が発表した「フリーランス白書2023」によると、フリーランスが「最も収入が得られる仕事獲得経路」として「エージェントサービス」と回答した割合は、12.4%です。同質問への回答結果が6.8%だったフリーランス白書2019と比較すると5.6ポイントもアップしており、エージェントサービスへの注目度が高まっていることがわかります。
ポートフォリオを作り込む
自身のスキルや実績を証明するポートフォリオを充実させることで、フリーランスとしての仕事獲得にも活用できます。エンジニアの場合は、これまでに参画したプロジェクトや制作したアプリ・サービス、自身のプログラミングスキルなどの情報をポートフォリオに載せられます。
ポートフォリオの形式としては、Webサイトを制作して、プロフィールなどとまとめて公開するケースが一般的です。自身が持っているスキルを正確にポートフォリオへ掲載しておけば、案件に参画後のミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。
【具体例付き】フリーランスが仕事を安定的に獲得する方法3選
ここからは、仕事を獲得する3つの方法について、具体例をもとに詳しく解説します。
方法①隅々まで仕事のタネを調べる
仕事を獲得する1つ目の方法は、仕事につながるタネがないか隅々まで調べることです。というのも、フリーランスとして案件を継続受注するには、常に仕事を探し続けることが重要であるためです。
以下4つの具体例を参考に、仕事につながるタネがないか調べてみましょう。
具体例1.先輩や所属していた会社に「仕事はありませんか?」と尋ねる
仕事獲得の近道は、以前の会社とつながりを保ち、先輩や会社に仕事があるかどうかを尋ねてみることです。先にフリーランスとして活躍している先輩がいるなら、その人に尋ねてみてもよいでしょう。
特定の技術や経験が必要な職種は仕事が獲得しやすく、その後も途切れず仕事を獲得できます。
具体例2.クラウド系ソーシングで仕事を探す
独立後の仕事獲得先として、必ず候補に入れておきたいのがクラウド系のお仕事情報サイトです。クラウドソーシングで扱っている職種は増えてきているため、新規の仕事を獲得しやすくなっています。
クラウドソーシングで仕事を獲得するコツは、毎日チェックすること。必ず毎日目を通し、希望の仕事の獲得につなげてください。
具体例3.求人情報を出している会社に問い合わせる
少し裏技的な方法ですが、ハローワークや転職サイトに求人を出している会社を見つけたら、そこに直接問い合わせてみるのも一つの手段です。「フリーでこんな仕事をしているが、仕事はありませんか」と、問い合わせをしてみましょう。プレゼン次第では、仕事獲得につなげられます。
具体例4.仕事に関連する言葉を検索してみる
自分が探している求人やお仕事情報によく掲載されている言葉(デザイナーなら○ページ○○円、エンジニアなら○○エンジニア・○○万円など)を検索してみると、求人情報やフリーランス募集を掲載しているホームページが見つかります。転職サイトに出ていない、良い案件も見つけられるのでぜひ試してください。
方法②自分をアピールする場を持つ
仕事を獲得する2つ目の方法は、自身のスキルや能力をアピールできる場を作ることです。フリーランスの働き方には大きな可能性がある一方、自身のスキルや能力を知ってもらわなければ、案件獲得の機会はなかなか得られません。
以下4つの具体例をもとに、自分をアピールする場を持つ方法を検討してみてください。
具体例1.SNSで情報発信する
ブランディングに欠かせないSNSを利用し、自分のスキルや仕事内容、自分という人間をアピールしていきます。ブログやホームページならどれぐらいの仕事量をどれぐらいの料金で受けられるのか、メニューとして1ページにまとめておいてもよいでしょう。
具体例2.同業種の交流会に顔を出す
同じ職種でフリーランスとして活躍している人と交流を持ち、仕事の情報を交換して新規獲得につなげます。フリーランスはどうしても一人で仕事をすることが多くなり、横のつながりがなくなりがちです。
多くの人とつながりを保つことで仕事につながりやすくなります。
具体例3.セミナーや勉強会であった人に名刺を渡す
セミナーや勉強会には積極的に顔を出しましょう。自分の職種に関係ないものであっても構いません。「○○ができる人を探していて……」という社長さんと会うこともあるため、名刺を渡して自分のスキルをアピールしておきましょう。
具体例4.コンテストやコンペに応募する
コンテストやコンペは、自分をアピールする絶好の機会です。特にデザイナーやイラストレーターは、仕事に直結します。大きなタイトルを持ったデザイナーやイラストレーター、広告ディレクターであれば仕事が多く、実績作りにもなります。最初は小さなものでも構わないので、ぜひコンテストに挑戦してみてください。
方法③「この人とまた仕事をしたい」と思わせる
仕事を獲得する3つ目の方法は、次の仕事につながるように相手に印象付けることです。
例えば、一度獲得した仕事を流れ作業のように済ませると、同じクライアントから再び仕事を依頼してもらえる可能性は低いでしょう。
競合するフリーランスとの差別化を図り、中長期的に安定して活動するためにも、取引先に良い印象与える工夫が求められます。
取引先からリピートしてもらいやすくなるように、以下3つの具体例を参考にしてみてください。
具体例1.期待以上のアウトプットで応える
一度仕事を獲得したら、継続受注につなげる努力が必要です。
そのために欠かせないのが「期待値以上のアウトプット」です。締め切りよりも早く、クオリティの高い内容の成果物をアウトプットすれば、確実に自分の価値が上がっていきます。
また、スムーズなコミュニケーションも欠かせない要素の一つ。メールやチャットツールの連絡を24時間以内にしっかり返すなど、基本的なことも押さえておきましょう。
具体例2.適切なフォローアップを行なう
納品後の修正やクライアント側の要望に的確に応え、クライアントが困っていたときには適切にフォローアップしておけば、さらに仕事の獲得につなげられます。定期的に連絡する機会を持てるとベストです。
「○○でお困りではありませんか」「○○の仕事を始めました」といった内容を、定期的にメールなどで送り、クライアントとのつながりを保てるようにします。
具体例3.企業の課題を先回りして提案する
最新のトレンドや業界の動向は常にチェックし、クライアントの課題を先回りしてつかみましょう。そして「こんな課題はありませんか」という形で、クライアントに提案していきます。言われた業務をこなすだけではなく、相手が求めているものを先回りで提案できる人材は重宝されます。
フリーランスになるうえでの注意点
フリーランスになるうえでは、以下2つのポイントに注意が必要です。
未経験での案件獲得は難しい
未経験で、いきなりフリーランスとして案件を獲得するのは困難です。そのため、まずは本業で生活基盤を確保しつつ、副業から徐々にスタートさせるのがおすすめです。
例えば、まったくの未経験からフリーランスを目指す場合、IT系の企業へ就職することで専門的なスキルを日々磨け、副業で獲得した仕事にも活かせます。
先述したポートフォリオへ掲載できるような実績を積み、スキルを身に付けたうえでフリーランスの活動をスタートさせれば、案件をスムーズに獲得しやすくなるでしょう。
契約書は必ず交わしておく
フリーランスとして働くにあたり、クライアントとは必ず契約書を交わしておくことが大切です。というのも、口約束やメールのやり取りだけで仕事を始めたことが原因で、思わぬトラブルに巻き込まれるケースがあるためです。
トラブルの具体例としては、一方的な報酬の未払いや減額、支払い遅れなどが挙げられます。契約書を締結していないと、このような事態に発展した場合に自身が不利になるため注意しましょう。
フリーランスとしてより安全に活動するには、PE-BANKをはじめとしたエージェントを利用するのがおすすめです。
実力派のITフリーランスには「プロエンジニア」の道もある!
フリーランスエンジニアとして実力を持っている方であれば、PE-BANKとプロ契約を結び「プロエンジニア」になる手段もあります。
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案件に参画後、その案件が終了する1ヵ月前には次の案件を紹介するため、途切れることなく収入を得られるメリットがあります。
PE-BANK所属のエンジニアの平均年収は847万円(関東エリア)で、22~67歳までの幅広い年齢の方が活躍中です。さらに、確定申告サポートや教育サポートなどを必要に応じてご利用いただけるうえ、定期健康診断サポートをはじめとした福利厚生も充実しています。
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まとめ
フリーランスで仕事をしていくことは、正社員の安定した収入や生活を手放すことだというイメージが強く、なかなか踏み出せずにいる方は少なくないでしょう。
たしかに、会社や組織の肩書きを持たず、個人のスキルだけで仕事を得るのは簡単ではありません。しかし、自分の能力を信頼してくれたクライアントとしっかり交渉し、一緒に仕事を完成させるという達成感はフリーランスならではのものともいえます。
「自分らしさをもっと活かした仕事をしたい」と思ったら、働き方の一つとしてフリーランスという選択肢を一度検討してみてはいかがでしょうか。
今回、フリーランスにおすすめの職種をいくつか紹介しましたが、将来性・需要の観点から、ITエンジニアを目指すことをおすすめします。IT業界は人手不足の状況が続いているので、高いスキルを身に付ければ、フリーランスとして条件の良い案件を獲得し、安定して稼ぐことは決して難しいことではありません。
もちろん、未経験でいきなりフリーランスとして独立するのは困難です。まずは専門スクールに通ったり、インターネット上の学習サイトなどで勉強したりしてから、未経験歓迎の企業に入社して経験を積むことをおすすめします。その後、副業で案件を獲得して軌道に乗り始めたら、フリーランスとして独立してみてはいかがでしょうか。