エンジニアのリモートワーク事情は?在宅勤務に必要なスキルも解説

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近年、リモートワーク(テレワーク)が、一般的な働き方として定着してきました。現在は通勤をしているITエンジニアや他の職種で働いている方の中には、リモートワークができるITエンジニアに転職したいと考えている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、エンジニアのリモートワーク事情と、ITエンジニアがリモートワークするために必要なスキルを解説します。

IT業界はリモートワーク率が高い

エンジニアのリモートワーク事情は?在宅勤務に必要なスキルも解説

PC環境やセキュリティなどの理由で出社しなければならない例外もありますが、IT業界は環境さえ整っていれば他業種に比べてリモートワークがしやすい傾向にあります。

2023年3月に調査された内閣府「第6回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、業種別のリモートワーク実施率は全業種が30%であるのに対し、IT業界(情報通信業)は73.9%でした。

さらに、東京都産業労働局「テレワークに関する実態調査」によると、リモートワークを継続する意向を持つ企業は90.6%に達しており、将来的にも継続する価値を見いだしているといえるでしょう。

リモートワークの実態調査

リモートワークの実態調査

※参考元:東京都産業労働局「テレワークに関する実態調査」(2024年4月発表)

ITエンジニアは一部の業務を除きリモートワークが可能な職種

業界的にもリモートワークがしやすい上に、ITエンジニアという職種も一般的にリモートワークで働きやすい職種といわれています。

例えば、Web開発などにおいてコーディングを担当するメンバーに関しては、スキルがあればリモートワークでも問題ありません。開発は社内環境でなくてもGitHubなどのプラットフォームを活用することで、社外でも行えます。打ち合わせはWebミーティングツール、メンバー間の連絡はSlackなどのチャットツールを使用します。

ただし、同じ開発プロジェクトでも、他社との打ち合わせを行う上流工程に関わる職種に関しては、フルリモートでは難しいのが現状です。上流工程を担当する場合は、リモートワークを併用できたとしても、出社回数は多くなると考えられます。

リモートワークがしやすいエンジニアの職種例

リモートワークがしやすいのはどのようなエンジニアなのか、理由とともに紹介します。フルリモートワークを望んでいる方は、キャリアチェンジの参考にしてください。

Webエンジニア

Webエンジニアは、インターネット上で展開されているECサイトやWebサイトなどの開発・運用保守を担います。フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアに分かれ、それぞれの役割に応じて異なるスキルが求められます。

リモートワークに非常に適しており、インターネット環境と必要な開発ツールさえあれば、場所を問わず作業が可能です。

システムエンジニア(SE)

システムエンジニア(SE)は、情報システムやソフトウェアの開発において、システムの設計を行う専門家です。場合によってはシステムの構築、導入後の運用・保守などに携わることもあります。

担当する工程や領域によって、リモートワークのしやすさが変わりますが、クラウドサービスの利用が進んでおり、リモートでのシステム監視やトラブルシューティングも可能です。

プログラマー

プログラマーは、ソフトウェア開発におけるプログラミングの専門家です。コンピュータープログラムを設計し、プログラミング言語を用いてコードを記述し、テストの結果に応じてバグを修正する役割を担うことがあります。

プログラマーの仕事は、インターネットに接続できる環境があればどこでも作業が可能です。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、ITを利用し企業の課題を解決するスペシャリストです。会社の経営方針に応じてIT戦略を立案し、システム開発やシステムの最適化によって企業経営をサポートします。

リモートワークのしやすさはクライアント次第ですが、ビデオ会議ツールやチャットツールでクライアントと密にコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めることは可能です。

ITエンジニアがリモートワークをするメリット

ITエンジニアがリモートワークを選ぶメリットは多岐にわたります。以下で、ITエンジニアがリモートワークをするメリットを説明します。

通勤時間が減って自由な時間が増える

ITエンジニアがリモートワークをするメリットは、通勤時間が減って自由な時間が増えることです。混雑した電車に乗る必要もなくなり、心理的・体力的な消耗も軽くなります。

出社前の通勤で疲弊することがないため、勤務中の生産性を向上させることにもつながります。ITエンジニアは、最新技術の情報収集や資格の取得などが重要です。また、通勤に使っていた時間を、最新技術の情報収集や資格取得のための学習時間にあてることもできるでしょう。

居住地の選択肢が増える

フルリモートワークであれば、居住地にかかわらず仕事ができます。これは、地方在住のITエンジニアにとって大きなメリットになるでしょう。規模の大きなプロジェクトなどは都市部に集中する傾向がありますが、リモートワークが可能な案件であれば、地方在住エンジニアでも参加できます。

自分の業務に集中できる

自分の業務に集中できることも、リモートワークのメリットです。人が集まる職場にいると、声をかけられて手が止まってしまうことも多く、肝心の作業に集中できません。リモートワークであれば業務の集中を妨げられることが減り、目の前にある自分のタスクに集中できて、効率的に作業が進められるでしょう。

ITエンジニアがリモートワークをするデメリット

ITエンジニアがリモートワークをするメリットがある一方、デメリットも存在します。以下でリモートワークをするデメリットを説明します。

情報漏洩のリスクや端末のウイルス感染の危険性

情報漏洩のリスクや端末のウイルス感染の危険性が増えることが、リモートワーク最大のデメリットです。まず、情報漏洩リスクについて考えると、セキュリティ対策が十分でない公共のWi-Fiは使用してはいけません。

また、第三者による画面閲覧もありえるため、公共の場や他人と共有されるスペースでの作業時には、プライバシーフィルターの使用や画面を他人から見えない方向に向けるなどの対策が必要です。

ほかにもUSBメモリの紛失やマルウェア感染などの事例が紹介されている、総務省の「総務省セキュリティガイドライン第5版」を参考にするなどして、セキュリティが確保された環境を整えましょう。

より成果重視の働き方になる

リモートワークになると、人柄や勤務態度といった定性的な部分が見えにくくなるため、より成果が重視されるようになります。具体的には「納期の順守」や「納品物のクオリティの高さ」が求められ、定量的に把握できる結果をしっかりと残していく必要があります。

そのため、周囲の目がないと気がゆるんでしまう、人に見られているほうが意識高く取り組みやすいという場合は、リモートワークの自由な環境がデメリットになる可能性もあるでしょう。反対に、スキルに自信があり、セルフマネジメントがしっかりとできる人材であれば、リモートワークは快適な環境となります。

また、出社しているからこその評価基準である「勤務態度」や、成果を生み出すまでのプロセスの部分は、リモートワークでは評価されづらいポイントです。実際、チームのムードメーカーであったり、周囲への気配りができたりと、最終的な成果物には表れない部分で、プロジェクトに貢献するタイプの人材もいるでしょう。

こういったタイプの方や、結果だけでなく過程も評価してほしい場合は、リモートワークだと思ったような評価にならないデメリットが生じるかもしれません。

わかりやすい成果を上げると同時に、想定どおり進まなかった部分などがあれば併せて報告するなど、お互い納得できる評価になるようなコミュニケーションを心掛けることも必要です。

よりコミュニケーションスキルが重要視される

メンバーと直接顔を合わせることのないリモートワークでは、通常より高いコミュニケーションスキルが求められることも、デメリットといえるかもしれません。

開発は基本的にプロジェクトチーム単位で進めるため、ほかのメンバーといっしょに仕事を進めていくことが基本となります。これは、働き方がリモートになったとしても同様で、チーム内の円滑なコミュニケーションはプロジェクト成功に不可欠です。

特にPMやPMOといったマネジメントが重要視される役職においては、リモートワークが普及する以前と比べて格段にプロジェクト管理や組織運営の難易度が上がっている現状があります。マネジメント職を目指す場合はコミュケーションスキルを意識することが重要です。

一度も直接顔を合わせたことのないメンバーとも密接に連携する状況は珍しくないため、リモートワークの普及はマネジメント層には強い課題といえます。

例えば、その場にいればちょっとした会話で済む確認でも、在宅勤務の場合はより意識的に働きかける必要があるでしょう。また、出社していればメンバーの様子を見ているだけである程度察しがつくことも、リモートワークの場合は本人の申し出があるまでわかりません。

プロジェクトに参加しているITエンジニアは、進捗が思わしくない、想定どおり進んでいないなど、困った事態ほど自分から連絡するなど、状況を早めに共有していくことが必要です。このように、リモートワークという環境下では、各自が能動的にコミュニケーションを取っていく姿勢が大切になります。

未経験でフルリモートのITエンジニアになることは難しい

ITエンジニアのリモートワークは一般的に増えているとはいえ、未経験もしくは経験の浅いITエンジニアがフルリモートの業務に就くことは簡単ではありません。オフィス勤務では、先輩のエンジニアから直接指導を受けたり、業務の流れを把握したりすることができますが、リモート環境では、上司や同僚との距離が物理的に離れているため、質問や相談がしづらくなることがあります。

未経験もしくは経験の浅いITエンジニアは、まずオフィス勤務で基本的な技術を身につけて段階的にリモートワークに適応していくとよいでしょう。

今後フルリモートやそれに近い働き方を目指すのであれば、自己管理能力や高度なスキルが求められるため、継続的な学習と実務経験を積む姿勢が重要です。

未経験かつフルリモートでのエンジニアになることを希望する方は、まずはオフィス勤務からはじめて、柔軟な働き方を徐々に実現していきましょう。

ITエンジニアがリモートワークするために必要とするスキル

ITエンジニアがリモートワークをするためには、自律的に行動ができるスキルが重要です。ここでは、リモートワークに関係するスキルと、それを高めるポイントについて説明します。

開発スキル

開発スキルは、リモートワークにかかわらずエンジニアの市場価値を決める重要な要素です。基礎的な開発スキルはもちろん、最新技術のキャッチアップや言語を習得する姿勢も求められます。

また、継続的な開発スキルの学習は、エンジニアが業界の変化に対応していく上で欠かせません。

コミュニケーションスキル

リモートワークをするエンジニアにとって、コミュニケーションスキルは重要です。リモート環境では、物理的な距離のためにコミュニケーションが取りづらくなる可能性があります。

リモートワークでは、チャットツールやビデオ会議などのデジタルコミュニケーションツールを使いますが、オンラインでのコミュニケーションは誤解を招きやすくなります。そのため、言葉を丁寧に選び、必要に応じて確認を取るなど、的確に意図を伝える文章を作成する能力が必要です。

自己管理能力

リモートワークを実施するエンジニアには高い自己管理能力が必要です。例えば自宅でリモートワークをする際には、仕事以外のことをしてしまうことが容易に想像できます。また、スケジュール管理やタスクの優先順位付けも自身で対応しなければなりません。

セキュリティの知識

リモートワークをするエンジニアにとって、セキュリティの知識も重要です。自宅やコワーキングスペースなどの社外から社内システムにアクセスする際、データの保護とネットワークの安全を確保するため、VPNの使用や、ファイアウォールと暗号化技術の適切な設定、安全なパスワード管理、マルチファクター認証の導入などの知識が必要になります。

特にリモートワーク環境では、物理的なオフィスのセキュリティがないため、個人のデバイスとデータのセキュリティについて、常に最新のセキュリティを学び続けることが求められるでしょう。

一定以上のスキルがあればエージェントを活用しよう

一定以上のスキルがあるITエンジニアであれば、市場価値をさらに高めるために案件に挑戦することで年収アップや希望の条件で働くことも狙えます。リモートワーク対応のエンジニア案件や転職先を見つけるなら、エンジニア専門エージェントの利用がおすすめです。

エージェントは取引先企業の特徴や業務内容を理解しており、エンジニアの希望条件に合った案件を探すとともに、個人に合った職場かどうかも見極めることができます。

働く上でリモートワークが外せない条件になるのであれば、まずは公開されている求人情報をチェックしてみましょう。

案件に挑戦してリモートワークができるITエンジニアを目指そう

今後もIT業界では9割以上の企業がリモートワークを継続すると調査結果が出ています。さらに、ITエンジニアはパソコンとインターネット環境があれば、リモートワークがしやすい職業です。

リモートワークならではのデメリットや求められるスキルもありますが、通勤時間の削減により個人のスキルアップや市場価値を高められる機会も増えています。

エンジニア向けのリモート対応案件はすでに多数存在しますので、興味がある方はどのような案件があるか、まずはチェックしてみてはいかがでしょうか。

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