更新日:
未経験からITエンジニアを目指していますか?
IT業界の求人募集は年々増え続け、近年は未経験者を積極的に採用する企業も増えてきています。
未経験者が書類選考をパスするための最初の関門は「志望動機」。
ここでは、高評価を得やすい志望動機の書き方を分かりやすく説明いたします。
採用担当者が求めている志望動機とはどんなものか?
IT企業が、未経験のエンジニアに求めている志望動機とはなんでしょうか?
まずは、この点を押さえましょう。
採用担当者が求めている志望動機その1――ポジティブな動機
まずは、あなたの本音から考えてみましょう。
「前の会社で人間関係がうまくいかなかったから会社を変えたい」、「給料がもっといい場所で働きたいから」、「前の会社の福利厚生に不満があるから」などでしょうか。しかし、これをそのまま志望動機にすると、印象が良くないということはお分かりでしょう。
では、なぜいけないか説明できるでしょうか?
これらは前の会社を辞めた理由であり、「なぜITエンジニアでなければいけないか」、「なぜその会社でなければいけないか」という点まで掘り下げていないからです。
採用担当者は、「なぜ他ではなく、その会社のその職種なのか」を含んだ「ポジティブな動機」を聞きたがっているという事実をまず認識しましょう。
採用担当者が求めている志望動機その2――オリジナリティのある動機
採用担当者はこれまで1,000人を超える志望者を面接してきたはずです。ですから、あまりありきたりな志望動機では、「またか……」と思われ、印象に残りません。「はあ。またそれか……。」と相手に思われたらその時点で負け。面接対策本などに書いてあるようなことをそのまま言うのは御法度です。
彼らが聞きたいのは、素朴であっても、ちょっと子供っぽくても、あなた自身の言葉で語られた志望動機なのです。
“刺さる志望動機”を作るための素材集めのコツ
理想の志望動機を作るには、どのようにネタ集めをすればいいのでしょうか。具体的に考えていきましょう。
刺さる志望動機を作るための素材集めのコツその1――己を知る
まずは自分がなぜITエンジニアになりたいと思ったのかを、過去の経験から考えてみましょう。奇をてらう必要も、立派なものである必要もありません。探そうとすれば案外あるものです。
例えば「小さい頃にテレビゲームが好きだった」で問題ありません。あるいは昔プログラミングの勉強をしようとした経験や、ワードのマクロなどをいじった経験はないでしょうか。あなたにとっては当たり前にやってきたことでも、他の人から見ると案外特別なことなのです。
あなたは今、ITエンジニアになろうと考えている。そう考えるきっかけとなった私的な経験を洗い出してみましょう。
刺さる志望動機を作るための素材集めのコツその2――敵を知る
意外と忘れがちなのが、志望している会社のことをきちんと調べてみること。募集要項だけを見るのではなく、必ずホームページの隅々まで、穴が開くほど読むようにしましょう。
一見するとどれも似たような企業に見えますが、よく研究してみると、他の会社とは少し異なる点が見えてきます。他の人があまり気づいていないような、その会社のオリジナリティを見つけられれば、かなり有利に事を運べるようになります。
たとえば、その会社にディズニーランドの社員優待制度があるとか、かわいらしいマスコットキャラクターを採用しているとか、ホームページが軽くてサクサクと読みやすいなど、なんでもいいので他の志望者が見つけていない、その会社の良いところをたくさん探してみましょう。
「私はディズニーランドマニアです。かれこれ100回以上は行っています。ですから御社のディズニーランド優待制度がとても魅力に思えました!」
これは主な志望動機にはならないものの、一つのネタにはなります。このような〝小ネタ〟の集積が、「この応募者、よく調べているな……」と、採用者の好感を得るきっかけになるのです。
志望動機の具体的な書き方、テクニック
具体的な書き方ですが、まずは最初にあなたが知っておくべき大原則は「素晴らしい志望動機は、一発では書けない」ということです。読む側は一瞬ですが、書く側はうまい言い回しや言葉を一生懸命探し、考え、工夫して組み合わせて、少しずつオリジナルな文章にしていくものです。文章とは手間暇かけて〝育てていく〟ものなのです。
それを踏まえた上で、以下の手順で志望動機を作成していきましょう。
整理する
上記の「ネタ集めのコツ」でピックアップしたものの中から説得力がありそうなものを選んで、語る順番を決めていきます。まずは箇条書きで構いません。10個なり、15個なり、数を決めてネタを並べてみるのがおすすめです。少し無理矢理絞り出したネタの中に良いものがあったりするものです。また、思いついたすべてをネタにするよりも、ネタは少し多めに用意してその中からいくつかを選ぶほうが、クオリティは上がります。
まとめる
並べたネタが自然な日本語になるように、接続詞や文末を整えて文章にしていきます。分量は500字くらいが理想ですが、最初はそれよりも少なくても問題ありません。何度も声に出して読んで、自然な日本語になるまでしぶとく推敲を繰り返しましょう。
更新する
これで完成ではありません。いいアイデアとは一度に出てくるものではないからです。日々生活を送りながら、「あ、あんなことも言えるぞ」とか「そういえば俺はあんな経験もしてたっけ」など、後から出てきたアイデアを膨らませていき、整理して最終的に500字程度の文章にします。粘り強く、それこそ面接日の前日まで更新を続けていきましょう。
受かる志望動機の例文、サンプル
以上の手順を踏めば、あなたは必ず採用担当者が求める志望動機が書けるようになります。
例えばアプリなどを提供している企業への志望動機を考えてみると、以下のようになります。
「私は小さい頃からものづくりが好きでした。プラモデルを作る時も、少し自分なりの工夫を加えてオリジナルなものを作ることに喜びを感じていました。
高校の時は自分でプログラミングを学んでゲームを作ったこともあります。ゲームを作って友達に見せた時、面白がってもらえるのはもちろん、つまらないと言われてしまうことも含めて面白味を感じていたことを覚えています。自分が作ったものに対して様々なリアクションが見られることに、特別なやりがいを感じていたのです。
そんな私にとって、御社の「自分のアイデアを活かしてサービスを結果に」というコピーは、強く惹かれるものがありました。ゲームなどを作っていた自分の経験が活かせると考えたのです。
ぜひとも御社でマーケティングの視点を身につけながら、多くの方々から面白いと言っていただけるサービスを生み出したいと思っております。」
いかがでしょうか?
正直なところ、まだこれでは”素朴さ”が若干弱い。「ものづくり」云々の言及もやや陳腐で、会社のコピーについてもおそらく他の志望者も見つけているはずです。
これはあくまで例文であり、誰にでもわかるようなサンプルなので、残念ながらこのぐらいのクオリティが限界です。
しかし、なんとなくでも、自分の特徴と会社の特徴を結びつけて「刺さる志望動機」を作り出す感覚はおわかりいただけたのではないでしょうか?
その感覚さえつかめば、しめたものです。ある特定の会社を目指していて、ある特定の経験をしているあなたならば、さらに洗練された志望動機を書けるはずです。
まとめ
あなたの志望動機は、ホームページに書いてある
ここまで未経験ITエンジニアの方に向けて、就職や転職の際の志望動機の書き方についてご説明してきました。
大切なことであるにもかかわらず、つい忘れがちなのが「敵を知る」ことです。就職アドバイザーが書いた本を読むぐらいならば、目指す会社のホームページを読んだ方がよっぽど有益です。大袈裟かもしれませんが、「そこにあなたの志望動機が書いてある」と言っても過言ではありません。
入社して数年経験を積めば、フリーランスとして働く道も開けてきます。その時はクライアントから直接仕事を受注することになるわけですが、その際は自分を売り込む力がもっと必要になります。
志望動機は将来自分の力で稼げるようになるための練習でもあるのです。しっかりと腰を据えて、志望動機の作成術を身につけておきましょう。